<数少ない商品高メリット銘柄>
日本が全般的なインフレ基調へ移行するかどうかは疑問ですが、円安により輸入物価は確実に上昇しています。特に、建設材料は需要が堅調なこともあり、今後についても価格上昇の効果を織り込みやすい分野と言えます。しかし、原料価格の上昇や生産拠点の海外移転といった要因もあり、実はその恩恵をフルに享受できる企業は多くありません。その中で、国内生産のメリットが大きく期待できる企業の一つがノダ(7879)です。
同社は100年以上の歴史を有し、戦前に主力事業を製材から合板に転換した老舗企業です。1980年代以降のコスト競争力に優れた輸入合板の増加に際し、同社はドア等への川下展開を強化したり、海外合弁工場の設立といった施策で対応しましたが、子会社の石巻合板工業では国産針葉樹を原料にした国内生産を続けてきました。現在、国内の合板生産量はピーク時の3分の1以下に減少していますが、同社は業界4位で上場企業の中では最大の生産規模を誇っています。
国際商品である合板の国内生産継続は容易なことではなく、不況と円高の影響を受けた2009年に石巻合板工業は希望退職募集に追い込まれました。また、2011年の東日本大震災でも大きな被害を受け、約半年間は生産が完全に停止しました。しかし、生産回復後は合板市況の高騰などもあり、連結業績に大きく寄与しました。
同社の主力事業であるドア等の住宅機材は、介護施設向けの製品展開などの効果で堅調に拡大しています。合板事業は震災後の市況高騰からいったん反落しましたが、今後は競合する輸入合板の価格上昇という形で円安メリットを享受することが期待できます。巨額の林業補助金や震災復興予算、高齢者住宅補助金などに支えられている面はあるものの、立ち木から住宅機材までの国内一貫生産システムが一定の競争力を持ちうるという点は注目すべきことだと思います。
これは面白い銘柄を持ってきましたね。
予想PER 5.4倍、PBR 0.64倍、シェアーズの割安度は73%の割安。
アベノミクス相場の実需を受けるのならやはり住宅関連はノミネートされるでしょう。最近、セメント株が気になっているのですが、この手のシクリカル銘柄には今の所、おカネが回ってきていない様子なのですが、仮に実需が見え始めるあたりで見直されることもあるかもしれないな、と。その循環の中に入りそうな気はします。
商品の一つであるバリアフリー素材は政府の支援もあって引き合いが増えつつあるらしい、という証券会社の煽りもありました。反応は薄かったようですが =)。
決算短信をざっくり見て気になったのは以下の通り。
- 配当性向、低くね?
今期10%程度。これでも直近より多いらしい。成長株の配当性向なら分かるのだが、業種的には縮小傾向の分野。売上も急激に伸びる訳でもなく、万年割安株臭がしないでもない。CFもそこそこ回っているのだからもう少し配当しないと株主に怒られやしないか? - 今期見通しの要因
補助金の計上は置いておくとして「退職給付引当金などに係る繰延税金資産の計上」が気に食わない。結構、大きい額が計上されているんだよねえ。現金にかかわる部分ではないのだが、見栄えはいかにも悪い。つか、これも株主軽視要因のように思えてならない。 - 投資有価証券の中身
比率としては無視できない範囲。で調べた感じだと関連会社の持分法に係わる部分っぽい。あまり儲かっていそうもない企業っぽいんでこれはこれでどうよとは思ったが、無駄に変な投資はしてはナサゲ。 - 新設住宅着工と原料費
説明会資料の末尾に掲載されていた。重要視している指標なのだろう。いかにもシクリカルだ。 - 2009年以前は随分とCFが悪い
FCFがプラスになったことがないっぽい。こんなんだからリストラにまで追い込まれているんだろうけど、この数年はそんなに悪くないっぽ。経営者が変わったとか経営者が目覚めたというのなら素晴らしい予感がしないではないのだが、偶然なら糞経営の余地はある。株主構成は創業者一族が握っているようだし。
割安放置の理由は経営にあろうかというのが私の結論。立ち位置はやや厳しいながらも身の丈に見合った投資を続けていくのなら手堅く経営が続けられるんじゃないかな。
ここ数年のCF改善は震災特需の一時的なもの、株主軽視は一族経営所以かと。
ということでやっぱりセメント関連と同等のシクリカル銘柄のという見方かなボキュは。確かに割安であることは疑う余地はないのだが万年割安要素があまりにも多い。配当が少ないので長期戦にも向いていない。
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