藤野 英人
講談社
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4/23に開いたセミナーの記事らしんですがなぜに今の時期に公開されるかさっぱりなのですが、折角なので読書感想文など。
著者の藤野さんは、ひふみ投信のファンドマネージャーで有名でしょうか。昔からファンドの運用を手掛けていて、ちょくちょく出版していたりします。今回の書籍は、投資とはやや異なっていて、藤野さんから見た経済観が中心です。投資家というよりは経営者としての目線が強い感じを受けました。
ぶっちゃけ投資には何の役にも立ちません =)
役には立たないのですが、投資をするということはどいうことなのか、おカネの立ち位置とはどいうものなのか、経済の原点について語っていて興味深いです。
おカネは社会の血液、経済は社会の生き様そのもの
ざっくり趣旨を纏めるとこんな感じ。
おカネをよりよく巡らせれば、社会がより活性化するって話。逆におカネを溜め込んで社会に流さないことを続けていれば社会が壊死してしまう。昔ならその手のおカネを銀行に預けることでおカネが社会に還流したんだが、今は銀行側に国債を買い上げる程度の投資アイディアしかないようで、デフレが長引いている要因の一つかもしれないね。
おカネを貯める事ばかりが注目され、いつの間にか目的になってはいませんかね?という疑問を投げかけています。この数十年、あまりにもおカネが巡ってこなくて貯めるには銭ゲバにならざるを得ない状況だったのが社会に反映された、とも考えられる訳でして。
無駄遣いを推奨するってわけじゃなく、こう、胸がときめいたらチョイチョイおカネを使って楽しんでみるってことが社会全体を活かすことになるのかもしれない、のかもよ。見回してみれば、世の中、楽しい事で溢れている気はするんですがねえ。
日本人は自分のこと、すなわち、自分のお金のことしか考えていないのです。
自分のお金を現金や預金として守ることしか考えていないのです。
大友克洋の漫画『アキラ』では、大量の缶詰を大切そうに抱えながらひとつも開けずに死んでいく婆のことが皮肉的に書かれていますが、その姿にそっくりです。
アキラの例は刺さるものがありましたね。何のための缶詰なんだよ、って笑えるのかと言われるとそう簡単に笑えないなあ、と思う事シバシバ。
自分が活きるためにおカネを使うんですよーって言っても、今おカネを持ってる世代は爺様婆様ばっかりだし、なんか色々厳しいねえ。
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