ダイヤモンド社 (2013-09-30)
売り上げランキング: 10,256
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投資信託の中級者向けの書籍という立ち位置でしょうか。
初期の「投資信託選びでいちばん知りたいこと」は、2006年に出版された書籍なのですが、投資信託に対してかなり否定的な書き出しで、ちょっとした衝撃を受けた記憶があります。その後、似たような書名で出版を続けるのですが否定的な意見が殆どなくなり、概ね投資信託と言う商材の宣伝に近い状況になってしまい、
というのが私の感想でした。今回の新版は、否定的な意見は影を潜めたものの初期の原点回帰といっていいのではないでしょうか。
初期の「投資信託選びでいちばん知りたいこと」は、2006年に出版された書籍なのですが、投資信託に対してかなり否定的な書き出しで、ちょっとした衝撃を受けた記憶があります。その後、似たような書名で出版を続けるのですが否定的な意見が殆どなくなり、概ね投資信託と言う商材の宣伝に近い状況になってしまい、
出版する度、残念になる朝倉本
というのが私の感想でした。今回の新版は、否定的な意見は影を潜めたものの初期の原点回帰といっていいのではないでしょうか。
旧版を見つつ感想を少々。
- 「長期投資ならリスクを減らせる」?
新版も旧版も変わりないようでした。これは同意しません。リスク商品である以上、常に高いリスクに晒されている状況を長期間に渡って続けるんです。長期になればなるほどリスクは増えます。また複利効果もプラスに働くこともありますがマイナスにも働くことを説明しないのは説明不足だと思われます。増える時は雪だるま式に増えますが、減る時も雪だるま式に減ります。「長期投資とは、リスクを減らすのではなく、大きなリターンを得るチャンスを増やすもの」であると私は確信しています。 - 「パフォーマンスは運用体制によっても変わる」
これは本当。投資信託を管理する責任者であるファンドマネージャー(FM)は、2~3年で持ち回りで変わる傾向があるようです。インデックス型投資信託なら未だしも、アクティブ型投資信託の担当が変わると運用方針も大きく変わります。形式的には目論見書に記載している通りの運用を心掛けるようですが、売買タイミングや組み入れ銘柄は変わってしまい、パフォーマンスも変わります。こんな状況でシャープレシオとか意味ないです。FMが変わったらその投資信託は終わったと思っていいでしょう。チーム制でも大して変わりないですよ。 - グロソブ批判が無くなってる
新版では削除されたようです。正直、投信選びでまずやってほしい事は、ダメな投信を買わない事です。この点でグロソブは反面教師として素晴らしいコンテンツなのですが商売上、書きにくくなってしまったのでしょうか。やや残念な所ではあります。 - 目標利回りと期間を決める
資産運用では当たり前の事なのですが、当時の私としては衝撃的でしたね。もやっとおカネが増えれば増えるほど良い、と考えてましたから。目標の金額と期間の設定は利食いタイミングで重要な話なのです。利食いタイミングを設定しないとずっと資金がリスクに浸かりっぱなしになります。資産運用では悪手です。 - 「運用期間が来る前に目標金額を達成したら?」
即売却。リスク資産に欲を出すなと痺れる指摘。だからこそ目標金額や期間は重要なんですな。
具体的な運用方法は読者に委ねてしまっているので消化不良ではあるのですが、それは他の書籍で補てんしましょう。
投資信託の中級者本としては悪くない。相変わらずね =)。
投資信託の中級者本としては悪くない。相変わらずね =)。
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