今回の月次は面白かったので取り上げてみる。つか月次は数カ月分位残してもらえないですかねえ。
エンゲージメント活動として、当月は上位保有5銘柄のうち、新東工業とサンゲツの経営者との面談を行いました。
新東工業は中期経営計画の中で、営業利益率を前期実績3.6%から8%以上を安定的に達成することを目標にしています。目的達成のため、同社経営陣は海外グループ会社の体質強化、具体的には新規顧客の開拓とアフターサービス需要の掘り起こしに注力する方針です。そうした活動の結果、利益率が向上し、ROE(株主資本利益率)の改善に繋がるというのが同社の考えです。当ファンドでは、お客様との接点を増やそうとする同社の地道な取組みは、新東工業ブランドの信頼度向上と相まって、長期的な安定成長の基盤になると考えています。一方で、ROE向上への具体的施策をより明確に示すことが同社には必要と考えます。引き続き、同社経営陣と建設的な意見交換を重ね、株主価値の向上の一助になるよう努めます。
6339 新東工業は、コーポレート・ガバナンス・コードでよく反応した企業かと思われます。これはファンドが出来る前から兆候はあったので、まあ後付ですかね。
IR活動を始めていますし、配当性向は3割ちょい、少し前までは自社株買いもしています。傾向としては悪くないでしょう。ただ相変わらず投資有価証券の比率が高いのが気に入りません。投資であるなら比率を落として成長分野に注力するべきです。
この銘柄は、無理にROEを高める必要は感じていません。足りないのは長期の成長性と財務の適正化くらいでしょう。
サンゲツは1849年の創業以来160年以上にわたり一貫して創業家一族が経営を担ってきた会社ですが、2014年4月の社長交代で創業家以外の出身者へと経営のバトンが渡されました。サンゲツはこの社長交代をきっかけに「社員が経営を担う真の上場企業」として発展を目指し、社内改革を始めています。競争力強化など事業面の施策に加え、ROE向上策も明確に掲げられており、株主利益への配慮を十分に感じることができます。伝統ある企業を変革することには大変な労苦が伴うと考えられますが、現経営陣が目指している方向性は全てのステークホルダーの幸せにつながるものであると考えられることから、面談の場においては会社側の戦略についての理解を示すとともに、積極的に支援する旨を伝えました。
8130 サンゲツは、資産バリュー投資家では有名な銘柄でしたね。いつの間にやら株価が上昇していましてPBR1倍割れを回避してしまうと投資としての魅力は少ないですね。となると収益性への期待なのですが、中期経営計画を見る限りには成長性で投資するのは難しい気はします。次の中計に注目でしょうか。
今の株価だと上値を追う感じにはならない気はするんですけど、どうなんでしょうね。賞味期限切れの感が半端ないです。
【トピックス】
6月は3月決算の株主総会が開催される月であったことから、各保有銘柄の株主総会議案に関して、議決権の行使を行いました。
議決権行使を行った議案の中で、会社側提案の「剰余金の処分の件」に対して提出された株主提案の「剰余金の処分の件」があり、その中で会社側提案(20円を配当)の配当性向が18%であるのに対し、株主提案(90円を配当)は82%であるにも関わらず、当ファンドは会社提案に賛成し、株主提案には反対として議決権を行使したケースがあります。
これは当ブログでお馴染みの6935 日本デジタル研究所ですな =)。で、お相手はストラテジックキャピタル。
経営体質については彼らの資料を見れば大体のことは掴めると思います。
このケースでは経営者との面談の中で、当社においても同社経営者と資本効率改善について対話を交わしており、その中で現在の収益力に対して内部留保が多すぎる(ROE:株主資本利益率が低い)ことの問題点や、その解消のために株主還元を積極化することも一つの方策であるとして意見交換を行って参りました。そのような観点からは、今回の議案に関しては株主提案の方が当ファンドの考えに近いと言えます。
そりゃそうだろ。
一方で、剰余金の処分の意思決定は単年度のみではなく、将来にわたる中長期の資本政策に沿った形で行われることが適当と考えており、このケースにおいては、まだ会社側において資本政策の全体像が固まっている段階にはないと思われます。
いやいや、もうこの銘柄は昔からこんな感じですやん。
会社側は企業価値向上を目指し、資本の効率性を高めるために経営の意思としてまずは配当水準の見直しを行なうことを優先したと考えられ、今回の議案に関して、配当水準に対しては納得しきれないものの、将来にわたる中長期の資本政策の考え方が固まっていない段階においては会社提案を尊重するとの意思決定を行いました。
えーそうなんだー(棒読み。
一般的な考えとして、株主と積極的に対話を行い、かつ適切に報いる企業には、中長期的に応援する株主が集まり、株価の割安感が解消されて経営が安定することが期待されます。当ファンドとしては、上記の議決権行使を行った企業と株主との良好な関係を基盤とした安定した経営によって、持続的に価値を生み出し続けていくことを期待していることから、引き続き真摯に対話を続けていく方針です。
アクティビストに相乗りしているようにしか見えないのですが、対話によって何が変わったのか、具体的に知りたいところです。
アクティビストが食いつきそうな銘柄の発掘力に期待してます =)
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