7943 ニチハ
今週ご紹介する「ニチハ」は、窯業系外壁材のトップメーカーとして着実に業容を拡大しています。セメントと繊維を主な原料 として板状に成型された窯業系外壁材は工場で安定的に生産されて建築現場での施工期間を短縮できることから、新築戸建 住宅の8割弱で採用されています。その窯業系外壁材の市場において、同社は50%弱のシェアを握っていますが、その原動力 となっているのが製品開発力です。左官職人が建築現場で塗り上げるモルタルが戸建住宅の外壁の主流であった1974年に 窯業系外壁材を開発し、住宅が洋風・高級志向になる1990年代以降はレンガやタイル、自然石の壁であるかのような色柄の外壁材を開発し、2005年以降は家庭にあるプリンタと同様のインクジェット方式のカラー印刷で、本物のレンガやタイルに近い 色柄を実現してきました。多様な色柄で施主の好みにきめ細かく応えるだけでなく、住宅の維持費用を抑制することも同社は 提案しています。2014年に上市した『フュージェ』は、超耐候塗料の採用で変色・褐色を目立ちにくくして、一般的な窯業系外壁 材で必要な定期的な塗料の塗り替えを不要としています。
非住宅分野への取り組みも余念がありません。2016年に上市した『COOL(クール)』は、窯業系内外壁材では画期的な“鏡面 仕上げ”を実現した『ミライア』と、15色を自由に組み合わせて印象的な内外壁を作る『メモリア』の2種類を揃えて、商業施設や ホテルの内外壁での採用を働きかけています。『メモリア』はその前身となる製品をすでに米国で販売していることから『COOL』 をテコに非住宅向けをさらに加速させる方針です。米国での事業は、自社工場での住宅向け外壁材の生産を2007年に開始。 固定費負担が重く赤字が続いていましたが、2016年3月期に黒字化を実現しており、グループ全体の利益を押し上げる存在に 変わろうとしています。同社は引き続き自社製品に磨きをかけて、着実な成長を継続する方針です。
16.08.05からの続きです。
米国市場の立ち上げからようやく今期、黒字化するというのは朗報でしょう。これは今の円安傾向よりも前から利益が出始めてまして、円安により更に利益の上積みがあるのではないかと期待しています。
直近ですと米国長期金利の急上昇もあり、住宅ローン等の貸付に影響が出始めてるのかもしれない懸念があります。このあたりは上手くトランプ政権がキャッチアップするべき項目かと思われます。
- ニチハ株式会社 -IR情報-
IR本拠地。決算説明会動画あり。
- http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/weekly/2006073104_W_20161209.pdf
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