3979 うるる
<クラウドソーシングの正しい活用法>
インターネットの技術的進歩と社会的定着によって、さまざまな物事の交換・流通が円滑化し、新たな社会的活動の可能性が拡がるという議論がしばしば行われます。労働に関しても、業務委託を不特定多数の個人に対して募集し、各自が好きな時間に作業を行う「クラウドソーシング」の可能性が喧伝された時期がありました。2014年には、その仲介を基幹事業とする企業が複数新規上場を果たしています。しかし、現時点でも、日本における主要な労働形態の一角を占めるには到っていません。
クラウドソーシング市場が本格化しない最大の要因は、労働に付加価値をつけることがほとんどできていない点です。すくなくとも日本では、高度なスキルが客観的に評価され、いきなり相応の対価を払って業務を委託しても満足な結果が期待できるような職種はほとんどありません。現在クラウドソーシングで募集されている仕事は、インターネット上のヨイショ文作成など質の低いものがほとんどで、単価も一文字数十銭など、きわめて低い水準にとどまっています。その結果、働き手は、どうしても外出できない人か、小遣い稼ぎと割り切って結果にあまり期待していない人に限られています。
そういった状況で、クラウドソーシングを高収益事業の根幹に組み込めている企業がうるる(3979)です。同社は2007年からクラウドソーシング仲介サイト「shufti」を運営していますが、この事業は依然として赤字です。しかし、そこで良質な仕事を行った個人に対し、基幹事業である自治体入札情報サイト「NJSS」の情報収集業務を委託しているのです。自治体の入札情報は発表タイミングや書式が統一されておらず、機械検索だけでは満足なデータベースを構築することが困難です。それを補完するには、勤勉かつ洞察力のある人間の目が必要なのです。
同社はNJSSの業務委託先に対し、一般的なクラウドソーシングよりはかなり高額な報酬を支払っているとコメントしています。結局、人間の労働は、ある程度継続性があって初めて付加価値がつくものだということではないでしょうか。
クラウドソーシングは数年前に話題になり、うるる以外にもクラウドワークス[3900]、リアルワールド[3691]あたりが新規上場してきましたが、事業としてはイマイチ収益に繋げられない展開が多かったように感じています。
苦瓜さんの指摘のように、労働に似合った賃金のミスマッチにより、結局は誰でもできる労働集約型の単純労働が中心になってしまい、収益に繋がらない状況なのかと思われます。
うるるの場合もクラウドソーシング部門による利益貢献は殆どないのですが、クラウドソーシング事業を活用した事業「も」自社で持っている強みが活かされています。このような自社事業を増やしていくことでクラウドソーシング事業を維持しつつ事業全体の成長が期待できるかもしれません。またもう一つの柱であるBPO事業も収益に貢献しており期待できるでしょう。
クラウドソーシング事業をうまく活かしていく方法として参考になることは多いと思います。
苦瓜さんの指摘のように、労働に似合った賃金のミスマッチにより、結局は誰でもできる労働集約型の単純労働が中心になってしまい、収益に繋がらない状況なのかと思われます。
うるるの場合もクラウドソーシング部門による利益貢献は殆どないのですが、クラウドソーシング事業を活用した事業「も」自社で持っている強みが活かされています。このような自社事業を増やしていくことでクラウドソーシング事業を維持しつつ事業全体の成長が期待できるかもしれません。またもう一つの柱であるBPO事業も収益に貢献しており期待できるでしょう。
クラウドソーシング事業をうまく活かしていく方法として参考になることは多いと思います。
- IR情報|株式会社うるる
IR本拠地。決算説明資料あり。
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