<これが日本の生きる道>
STN液晶という言葉にピンと来る方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。十数年前までは液晶の主流でしたが、動画性能が低いことなどからより構造の複雑なTFT方式に取って代わられ、パソコン・携帯電話といった情報通信機器の分野ではほとんど見られなくなりました。しかし、現在でも動画性能や高精細度があまり要求されず、形状の自由度が必要な車載メーター等の分野ではSTN液晶が主流です。そのSTN液晶に特化し、主要部品である偏光板で高収益を上げているのが当ファンドでも投資しているポラテクノ(4239)です。
車載用の液晶には、高熱環境下での高い耐久性が求められます。同社は親会社の日本化薬(4272)から受け継いだ染料技術を基盤として、一般に用いられるヨウ素系の偏光板よりも耐久性の高い製品を開発し、この分野では圧倒的なシェアを誇っています。また、より高性能な製品として、1999年にオランダで買収したデジマ社製の位相差板と組み合わせた「TEP」も提供しており、高級車向けに採用が急増しています。TEPの単価は一般的な染料系偏光板の10倍以上であり、業績への寄与も大きいと推測されます。
車載用液晶偏光板と並ぶ同社の事業の柱が、液晶プロジェクター用の偏光板です。この分野では2004年にアメリカで買収したモクステック社の無機偏光板を耐熱性の高いハイエンド製品と位置づけており、一般製品からの置き換えが進んでいます。
日本の電子産業関連企業は、市場規模の大きな分野において次々と経営スピードに勝る韓国・台湾・中国の企業にキャッチアップされ、競争力を失っています。しかし、地味ながらも収益性の高い分野に注力し、特殊な技術に先行投資して優位性を保ち続けるという戦略を採れる場合には、まだまだ日本企業の蓄積の大きさが物を言う状況が続いています。市場規模が大きく目立つ分野でのシェア低下ばかりを悲観するのではなく、ニッチ分野での強みにも注目することが必要なのではないでしょうか。
一時、3Dテレビ関連だったか、有沢製作所と共に株価を上げた記憶有。そんな程度。
で、調べてみると親会社の4272日本化薬が66.4%、持分会社の5208有沢製作所が22.3%と2社で大株主のほぼ9割を占めている状態。財務としては如何にも優秀な子会社っぽい感じ。ファンダメンタル的には割安に見えるんだが、やはり親会社の飼い殺しの感が否めないかなあ。
同じ理由で3085 アークランドサービスも敬遠していたんだが、 株価的には大きく評価されている所を見るとどうなんだろうか。あそこはミョーに個人投資家に注目された時期があったからその影響もあろうかと思う。
まあなんつーか、苦手。有沢とかアークランドサカモトの方は好みなんだが株価的には実にビミョー。
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