2012年6月21日木曜日

【会社四季報】 理論株価倍率(仮)

会社四季報と同時に「会社四季報プロ500」っていうアレな雑誌も販売しているんですが、このプロ500で掲載されている理論株価というのが面白い。

どんな計算式か知らないけど、本来あるべき株価を独自算出したのが理論株価。突拍子の無い株価を付けてきたり、訳有銘柄でも容赦無用で高値を算出してきます。ある意味、無垢な情報とも =)。

で、それを算出する式は以下の通り。

([DL・プロ500理論株価(円)]-[DL・週足終値(円)(-1)])/[DL・週足終値(円)(-1)]+1

日足ではなく週足にしているのは、その日に株価が付かなかった銘柄を無視しないようにするため。大型株なら有り得ないんだが、小型株だと日によっては売買0って時もあって、そうなると抽出できない銘柄が出てきちゃうのよ。よって小型株が好みなら週足オススメ。

絞込みは大体5倍以上にすると100銘柄以内で収まる。この辺は各自で調整した欲しい。

まあでも所詮、人の手が加えられていないファンダメンタルのみの理論株価な訳です。例えば、今週退場が確定した4330セラーテムテクノロジーの理論株価は38814円で先週末の株価は2410円ですから理論株価倍率は16.11倍とまあすごいことにw。

理論株価がかけ離れている銘柄というのは何かしらファンダメンタル以外に大きな問題をしょっている場合が多いので過信は禁物なのです。

真っ当な使い方としては、セクター全体として眺め、 どのセクターが今安くなっているか、とかそいう使い方が適しているんんじゃないかな。

2012年6月18日月曜日

'12/05の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。5月は4239 ポラテクノ

<これが日本の生きる道>

 STN液晶という言葉にピンと来る方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。十数年前までは液晶の主流でしたが、動画性能が低いことなどからより構造の複雑なTFT方式に取って代わられ、パソコン・携帯電話といった情報通信機器の分野ではほとんど見られなくなりました。しかし、現在でも動画性能や高精細度があまり要求されず、形状の自由度が必要な車載メーター等の分野ではSTN液晶が主流です。そのSTN液晶に特化し、主要部品である偏光板で高収益を上げているのが当ファンドでも投資しているポラテクノ(4239)です。
 車載用の液晶には、高熱環境下での高い耐久性が求められます。同社は親会社の日本化薬(4272)から受け継いだ染料技術を基盤として、一般に用いられるヨウ素系の偏光板よりも耐久性の高い製品を開発し、この分野では圧倒的なシェアを誇っています。また、より高性能な製品として、1999年にオランダで買収したデジマ社製の位相差板と組み合わせた「TEP」も提供しており、高級車向けに採用が急増しています。TEPの単価は一般的な染料系偏光板の10倍以上であり、業績への寄与も大きいと推測されます。
 車載用液晶偏光板と並ぶ同社の事業の柱が、液晶プロジェクター用の偏光板です。この分野では2004年にアメリカで買収したモクステック社の無機偏光板を耐熱性の高いハイエンド製品と位置づけており、一般製品からの置き換えが進んでいます。
 日本の電子産業関連企業は、市場規模の大きな分野において次々と経営スピードに勝る韓国・台湾・中国の企業にキャッチアップされ、競争力を失っています。しかし、地味ながらも収益性の高い分野に注力し、特殊な技術に先行投資して優位性を保ち続けるという戦略を採れる場合には、まだまだ日本企業の蓄積の大きさが物を言う状況が続いています。市場規模が大きく目立つ分野でのシェア低下ばかりを悲観するのではなく、ニッチ分野での強みにも注目することが必要なのではないでしょうか。

一時、3Dテレビ関連だったか、有沢製作所と共に株価を上げた記憶有。そんな程度。

で、調べてみると親会社の4272日本化薬が66.4%、持分会社の5208有沢製作所が22.3%と2社で大株主のほぼ9割を占めている状態。財務としては如何にも優秀な子会社っぽい感じ。ファンダメンタル的には割安に見えるんだが、やはり親会社の飼い殺しの感が否めないかなあ。

同じ理由で3085 アークランドサービスも敬遠していたんだが、 株価的には大きく評価されている所を見るとどうなんだろうか。あそこはミョーに個人投資家に注目された時期があったからその影響もあろうかと思う。

まあなんつーか、苦手。有沢とかアークランドサカモトの方は好みなんだが株価的には実にビミョー。

2012年6月17日日曜日

「ひふみアカデミー (2012/06)」雑記

5月のひふみアカデミーを書き残してみた。


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5月の市況 

  • Sell in May
    毎回言われているが今年も5月は落ち込む月になった。2、5、8、11月がファンドの解約月に当たるが今回の一要因になっているのではないか。ケイマン等でおカネだけあって運用されていないのがあってそれのお掃除が行われたという噂有。
  • EU不安
    ギリシャ再選挙不安。スペイン不安。ムーディーズの格付けでスペインの金融機関格下げ。
  • 米国経済の不安
    指標が悪いのが出た。フィラデルフィア連銀景況指数、雇用統計。
  • 円高
    こいう時は円とスイスフランが買われるが、フランは中央銀行が強気に出ている関係上、円が積極的に買われる事になった。

ひふみの対応

  • キャッシュを比較的多く持った (6/5時点、現金比率28%程度)
  • 内需に強い銘柄を重点に持っている
  • 輸出ハイテク関連株は比率を落としている
    三菱商事、日産自動車、コマツ、ファナックの比率も落としている。円高を予想。
  • QE3を中心に大型株の上昇が期待できるかもしれない
    指標の数値の悪さからQE3の可能性の芽が出てきている。失業率を減らすために米国政府が緩和してくる可能性がある。緩和をするなら夏前。
  • ネット関連を増やしている
    デジタルガレージ、サイバーエージェント等。
  • QE3疑惑より売り手が売りにくい相場に
    買い上げる相場でもない。ビミョーに底堅い相場になっている?QE3期待感が高く市場が織り込んでいるのでQE3が無ければ暴落の可能性があり、QE3が決まっても下落する可能性がある。
  • UBICという銘柄
    この銘柄の爆騰のお陰でポートフォリオを支えていたこともあった。
  • 大型株でギャンブルに近い売買で小型株で長期で勝つという手法は今後もワークするのではないか

2681 ゲオホールディングス

  • 不祥事銘柄
  • 古着ビジネス
    ビデオ屋の次のビジネスを展開している。「ジャングルストア」という古着屋を買収、展開中。古着というビジネスは今後伸びるのではないか。オサレ感有。古着とビデオ屋を合わせて展開してみたものの、客層が違うのでうまく行かなかった。
  • 在庫の価値
    DVDなので価値は変わらない。在庫の回転率が上がると投資効率が高くなる傾向にある。が、huluとかもあって新しい事業も開拓している。
  • 不況に強いビジネス
    とても安く済むレジャーの一つ。

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ゲオのビジネスについては少し古い記事なんですがBusiness Media 誠:山口揚平の時事日想:レンタルショップ対決――TSUTAYAとGEO、2社の決定的な違いとは?がオススメ。

古着という点では2674 ハードオフの他に3313 ブックオフ3093 トレジャー・ファクトリー2780 コメ兵あたりも同業他社ではなかろうかと。どれも結構安くなっている印象ですね。

2012年6月4日月曜日

ボキュが考えるサイキョーのバフェット銘柄(笑)

なんか最近の流行っぽいんで色々捻出してみるテスト。

条件は以下の通り。

  • 消費者独占力が高いこと
    ブランド名を言って多くの人がピンと来る事業であること。BtoCが基本。BtoBのみの場合は外す。
  • 参入障壁が高いこと
    誰でも参入できる業種は外す。経営者のセンスを問われる業種を好んでいるとは思えない。
  • 営業利益率が軒並み10%以上
    ただしリーマンショック前後は景気の影響をモロに受ける銘柄も多かったのでやや目を瞑る。
  • 直近3年間の平均ROEは10%以上
    ただしROEの考え方からすると負債が大きく株主資本が小さい場合でも高くなる傾向にあるので過信しない。ソフトバンクの高ROEが魅力的とは思えまい?負債が大きいと言うことは経営にレバレッジをかけている危うい経営スタイルでもあることを加味するべき。
    日本の現状だとデフレですのでレバレッジ経営が好まれるパターンではないとも思っています。この辺は米国と状況が大きく異なっています。
  • 自己資本比率40%以上
    自社株買いを推奨しているあたりは現金太りしている銘柄は好かないのでしょう。除く金融業。業種によっては目を瞑る必要があろうかと思う。

時価総額には拘りなし。無理ゲーになるので足かせを増やさない方が良いと思う。

  • 大阪証券取引所【8697】
    よもや投資家で大証を知らない人はいまい。JASDAQでもOK。証券取引所は誰でも設定できるものではない。投資家からのフィービジネスなので利益率・ROE共に高い。自己資本比率が低いのは会計上の問題。殆ど現金同等品とバランスが取れているので効率が悪いわけではない。実は優待銘柄でもある =)。
    残念ながら'13/01に東証との合併が予定されており株価的には実にビミョーと言わざるを得ない。
  • 日本たばこ産業【2914】
    JT知らない人はいないよね。タバコ産業は過度に発展しないよう法的な参入障壁がある。たばこはある程度の表皮が見込めるのは税金が上がっても大きく利益を損ねることが無いことで証明されている。利益率・ROEは常に高い。海外M&A積極的。円高要因ならM&Aは好材料。会計要因(IFRS)で売上ががくっと下がっているが、あくまで会計要因。現金の実入りが減ったわけではない。
    残念ながら近々政府から株の売却が予定されており、相場以外での下落要因がある。政治的な要因も常に付きまとうのもアレ。
  • スタート トゥデイ【3092】
    ZOZOTOWNはテレビ広告をみるようになったかと思う。参入障壁はやや低いが集客力では群を抜いている。自前でサイト運営を行っている分、利益率が高くなっている傾向にありトータルのビジネスとしての参入障壁は高めであると考えている。同業他社の3060マガシークの粗利が低いのはサイト運営を外注しているからではないかと思っている。売上・利益率・ROE共に文句なし。自己資本比率も悪くないだろう。
    業績予想がやや低めだが堅くみたのだろう。月次を公開しているので随時確認するといい。
  • MonotaRO【3064】
    Amazonに出店していたのでややBtoCの要素有とした =)。中小企業の設備投資関連のネット販売。ネット販売のパイはまだまだ伸びる要素は高い。商社を通さないとブツが入りにくく納期もアレで単体販売に応じてくれない場合も多い中、ロングテールビジネスとして参入。消耗品が多く震災特需を受けている銘柄でもある。ここもスタートトゥデイと同じく自社でサイト運営を行っている分、利益率は高い。トータルでの参入障壁は高いと見ている。利益率・ROE・自己資本比率に問題は無い。
    月次絶好調。震災特需も含まれているのでやや警戒が必要な時期が来るかもしれない。
  • ウェザーニューズ【4825】
    ウェザーニューズを知らない人は多分いないと思う。露出度は高い。規制緩和により気象ビジネスは数多の企業が存在しているのだが、個人へビジネス展開をしている企業はここ以外には見当たらない。SNS要素を持った独自のビジネス展開。ある程度の専門家が必要となるので参入障壁は高いだろう。利益率・ROE・自己資本比率に問題なし。
    特筆するべきは個人にリーチしている点。後に大きなビジネス展開を予想しうる下地は出来ている。FBあたりと組めば凄く面白い展開にあると思うんだがねえ。
  • センチュリー21・ジャパン【8898】
    不動産仲介のセンチュリー21を運営。FC展開。やや寡占化が進んでいる傾向にありそれなりの資本が必要になるので参入障壁は高いと言えよう。不動産仲介のフィービジネスなので利益率は常に高い。売上の伸び、利益率、ROE、自己資本比率に問題なし。
    寡占化の次はオワコンというパターンが見え隠れするわけでして。同業他社である2120ネクストの動向も気になるが、どうも不動産ともなると実店舗との優位性は低いのかもしれない。もっともネクストの方はやや過当競争に入っていて手数料を減らしている傾向にあるので注意が必要。

以下はやや難点有。

  • セブン銀行【8410】
    コンビニの貯金箱。貯金箱を設置する数でフィーが決まる。まだセブン全店に設置されている訳ではないのでのびしろは残されている。またセブン店舗以外にも広く設置しており、いずれは銀行のATMの大半を塗り替えてしまうだけの与力はあろうかと。セブンという下地がある分、参入障壁は高い。利益率・ROE申し分ない。自己資本比率が低いのは金融特有の要因。
    残念ながら親会社の出資比率が高く今後も比率を下げることは無いだろう。セブンの貯金箱はセブングループの貯金箱として安定した配当を出すだけの銘柄になりそうだ。
  • 一休【2450】
    ネットの宿泊予約サービス。多分同様のサービスを受けようと思う人が真っ先に思いつくサイトだと思う。同業他社は楽天トラベルあたりかな。閑散期を狙ったフィービジネスでクーポンビジネスに近い。集客力を考えると参入障壁は高いのではないか。売上は順調に推移。利益率は震災や設備投資期が重なったためで投資期から収穫期に移行するフェーズに入っているのではないかと考えている。自己株式比率は問題無し。
    震災もあって観光ビジネス自体にやや暗雲があろうかと思うのですが、思われているほど酷くも無いんじゃないかな、とも。
  • アイケイコーポレーション【3377】
    中古バイク買取のバイク王を運営。露出度は高い。バイク関連自体、オワコンが進んでおり、その分、参入障壁は高め。近年、利益率は低下、売上横ばい。ROEはソコソコ。自己資本比率は問題なし。
    やはりバイク自体がオワコンになりつつあり、中古車のタマも減少しており、海外のバイヤーも円高で厳しいという状況。初期のビジネススタイルは成功していると思っているのでやはり事業環境の改善が望まれるのだが、これは手の施しようが無い。月次を出しているのでヲチしてみると悲しみが伝わるかと。4732USSと組んだ話は結構期待してる。
    4732USSは、素敵フィービジネスを展開しているのでこれはこれでヲチしてみることをお勧め。BtoBだったので今回はスルーした。

んー飽きてきた、寸評無しねw