配当政策は、企業が株主に対して行う配当方針です。配当は株式会社にとって重要な政策でして、株主は配当を要求する権利を法律で保証されています。
今回は、配当政策の確認の仕方と、配当政策の例を取り上げてみます。
配当政策を確認しよう
配当政策は、有価証券報告書(有報)に記載されています。有報はEDINETから取得できます。EDINETについては以下のページを参考にしてください。
1. EDINET→書類簡易検索を選択します
2. 『提出者/発行者/ファンド』に会社名を入力し、『検索』を選択します
四半期報告書と有価証券報告書の2つが表示されています。今回使用するのは有価証券報告書(有報)です。
PDFはパソコン用でお持ち帰りしてください。今回はブラウザの方を選択します。
3. 『目次』の『配当政策』を選択します
目次の中に紛れ込んでいるので見つけにくいかもしれませんが、必ずあります。検索で見つけたほうが早いかもしれませんね。
それではいくつか事例を上げていきます。
システムインテグレータ[3826]の場合
ボコボコですね。安定配当は考慮していないと言っていいでしょう。
いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。
2015年度に大きく現金が減っている(ようにみえる)のは訳があります。この時期、他社から大きな訴訟を受けておりその訴訟費用に備えて引当金を当てたことにより、見た目悪いB/Sになっています。その後、2019年度に和解が成立し引当金の戻しがあり現金が戻ってきました。
そこでですよ。
B/Sも正常化したことですし、DOE(株主資本配当率、純資産配当率)を採用し安定配当を目指したらどうじゃろか、という株主質問をしました。その模様はなんと動画で公開されてます。困ったものです。
結局のところ、純利益以上を配当に回すことは資本を削ることに繋がり、長期的にみて宜しくないと考えているようでした。売上の上下が激しいソフトウェア屋さんらしい回答ですが、事業の持続性に自信が持てない現れとも取れます。とはいえ現在、ストック型のビジネスが成長してきている状況ですので、状況次第では配当性向を高めることはできそうな気はしています。
いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。
2015年度に大きく現金が減っている(ようにみえる)のは訳があります。この時期、他社から大きな訴訟を受けておりその訴訟費用に備えて引当金を当てたことにより、見た目悪いB/Sになっています。その後、2019年度に和解が成立し引当金の戻しがあり現金が戻ってきました。
そこでですよ。
B/Sも正常化したことですし、DOE(株主資本配当率、純資産配当率)を採用し安定配当を目指したらどうじゃろか、という株主質問をしました。その模様はなんと動画で公開されてます。困ったものです。
結局のところ、純利益以上を配当に回すことは資本を削ることに繋がり、長期的にみて宜しくないと考えているようでした。売上の上下が激しいソフトウェア屋さんらしい回答ですが、事業の持続性に自信が持てない現れとも取れます。とはいえ現在、ストック型のビジネスが成長してきている状況ですので、状況次第では配当性向を高めることはできそうな気はしています。
ちなみに社長の梅田さん、ガチの技術屋ですね。今、彼の書籍を読んでいるんですが技術者向けによくまとまっています。次の機会があれば書籍について質問しようかと思ってます(ぉぃ
東京応化工業[4186]の場合
でましたDOE!この銘柄は何故、DOEが向いているかを説明していきます。
以下はマネックスの銘柄スカウターより10年の売上と利益の推移になります。
ここ5年程は落ち着いていますが、2009年12月期に大きく利益を落としているのが分かります。リーマンショックです。
東京応化工業のような半導体産業は、景気敏感株(シクリカル株)と呼ばれており、景気動向に左右されやすく、不景気になると売上・利益共に大きく下落する傾向があります。純利益に対しての割合である配当性向のみを配当政策にすると、利益が落ちると減配、場合によっては無配になります。上記のシステムインテグレータの社長のように、利益に合わせた配当政策が相応しいと考える経営者もいます。
以下はマネックスの銘柄スカウターより10年の売上と利益の推移になります。
ここ5年程は落ち着いていますが、2009年12月期に大きく利益を落としているのが分かります。リーマンショックです。
東京応化工業のような半導体産業は、景気敏感株(シクリカル株)と呼ばれており、景気動向に左右されやすく、不景気になると売上・利益共に大きく下落する傾向があります。純利益に対しての割合である配当性向のみを配当政策にすると、利益が落ちると減配、場合によっては無配になります。上記のシステムインテグレータの社長のように、利益に合わせた配当政策が相応しいと考える経営者もいます。
いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。
東京応化工業は、借金がほとんど無く大半が株主資本で埋めている所謂、財務リッチな銘柄と言えます。このような銘柄ですと単年での減益で大きく資産を削ることは稀でしょう。
DOEは、株主資本(純資産、オレンジ色のバーグラフ)の内、数%を配当に割り当てる配当政策です。
DOEの目的は安定配当です。
純利益は、景気で黒字から赤字になることは、このセクターでは往々にしてあります。純利益をベースに配当する配当性向のみを配当政策に採用すると、赤字では無配になります。DOEは株主資本をベースに配当するので、多少の減配はあったとしても無配になることは有り得ません。
つまりDOEを採用するということは安定した配当を約束することに他ならないのです。景気敏感株の中でも強いビジネスモデルを持っている企業がDOEを採用することが多いように感じています。
減配を嫌う機関投資家にとってはポジティブな要因として取り上げられるはずです。
DOE(株主資本配当率、純資産配当率)とは
DOEは、株主資本(純資産、オレンジ色のバーグラフ)の内、数%を配当に割り当てる配当政策です。
DOEの目的は安定配当です。
純利益は、景気で黒字から赤字になることは、このセクターでは往々にしてあります。純利益をベースに配当する配当性向のみを配当政策に採用すると、赤字では無配になります。DOEは株主資本をベースに配当するので、多少の減配はあったとしても無配になることは有り得ません。
つまりDOEを採用するということは安定した配当を約束することに他ならないのです。景気敏感株の中でも強いビジネスモデルを持っている企業がDOEを採用することが多いように感じています。
減配を嫌う機関投資家にとってはポジティブな要因として取り上げられるはずです。
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いえね。
個人投資家向け説明会で初めてDOEの採用について知ったんですよ。何故にDOEを採用したか聞いてみたら「株主への安定配当を検討した結果」とのこと。この時に言ってやりましたよ、
我ながら酷い発言やな。
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話は変わるけど7月の日本政府の対韓輸出規制の強化で、東京応化工業も影響を受けるみたいね。
いえね。
個人投資家向け説明会で初めてDOEの採用について知ったんですよ。何故にDOEを採用したか聞いてみたら「株主への安定配当を検討した結果」とのこと。この時に言ってやりましたよ、
「初めて御社を投資対象としてみることができました!」
我ながら酷い発言やな。
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話は変わるけど7月の日本政府の対韓輸出規制の強化で、東京応化工業も影響を受けるみたいね。
東京応化工業も「政府への輸出申請の不備がないように必要な書類を集めている」。同社によると、レジストの(韓国外などへの)不正な転売をしないことを示す誓約書などを輸出先の韓国の半導体メーカーから取り寄せる必要があるという。
-- 対韓輸出規制、広がる影響 VAIOは代替調達検討 :日本経済新聞
リーマンショックの時は、韓国勢は契約を反故にしてきた過去から後々、嫌がらせに近い受注キャンセルとかありそうな予感がするお。こあいこわい。
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