Q. 「成長株ってどうやって見つけたらいいんですか?」
A. まずは調子の良いセクターを選びましょう
- 優れた経営者手腕
ソフトバンクG[9984]の孫さん、日本電産[6594]の永守さん、ファーストリテイリング[9983]の柳井さんは既に多くのメディアが取り上げていますし、その手腕で企業を大きく成長させてきました。
最終的には経営者の手腕が会社の運営に大きく影響されますが、初動で気がつくのは容易ではありません。 - ブルーオーシャンな経営環境
日本たばこ産業[2914]や日本取引所G[8697]は、規制により他の企業から参入されにくく価格競争に巻き込まれることがありません。このような環境の企業は安定して成長することができるので成長株の一角にあると考えて良いでしょう。
成熟産業で新たに新規参入されにくい企業もブルーオーシャンと言えましょう。例えばプロネクサス[7893]と宝印刷[7921]はディスクロージャー業で市場を独占しており、多大な設備投資と社会規制により新規参入は難しいとされています。
このような事業モデルを見つけるには、事業内容を深く知っている必要があります。 - 社会の変化や政府の規制緩和による新たな市場形成
アインHD[9627]や総合メディカル[4775]のような調剤薬局は、政府の方針で新たな事業が生まれました。今まで社会になかった事業でしたが、病院の門前に店を構えるだけである程度の収入が確保できる事業でしたので、資本が集まりやすく、成長株として注目されました。今現在、大体7割方、分業化が進んだことより大きな資本からのM&Aが成長の軸に変わりつつあります。一気に成熟化が始まったんですね。
このような社会変化を見極めるには、絶えずニュースに敏感にならなければなりません。 - 新商品・新製品の開発
ガンホー・オンライン・エンターテイメント[3765]のパズドラは、革命的な課金ゲームでした。後にこのビジネスモデルを真似る企業が続出しました。このような社会を覆すような商品を開発し続け、社会に送り込める企業は成長株と言っていいでしょう。
ただしゲームやアパレルは、個人の好みが激しく飽きられやすい傾向が強いので、常に顧客が望む商品を提供する開発力とその持続力が問われることになります。
そこでまずオススメしているのは、伸びているセクター・産業に注目する方法です。この方法は経営や財務に注目するより簡単に見つけることができます。逆に、縮小しているセクターは、どんなに優れた経営者でも業績を伸ばすのは困難です。
例えば、セクター全体が年10%成長している電子書籍はどの企業も大方、10%以上の売上成長が期待できます。今の所、Kindleを使っている人はKindleを使い続けますし、他の電子書籍アプリも同様の傾向のようです。一時期、多くのメーカーが電子書籍に参入してきましたが、勝ち組・負け組が分かれてまして現状では均衡している状況のようです。
電子書籍の成長が止まるまでこの状況は変わらないと見ています。経営者の手腕が問われるのはもう少し先でしょう。
電子書籍の成長が止まるまでこの状況は変わらないと見ています。経営者の手腕が問われるのはもう少し先でしょう。
産業天気図(主要30業種の天気図)を活用しよう
では、どのセクターが伸びているのかどうやって調べるん?と聞かれるんですな。様々な指標や統計があるのでそれを利用してほしい、というのが一般回答かと思われるのですが、それでは簡単とはいえませんよね。
手っ取り早いのを教えましょう。
日経新聞が3ヶ月に1回、公表している産業天気図を参考にしましょう。1、4、7、10月の3日に公開される日経独自の産業判断で、セクターをざっくり判断するのには丁度いいサイズです。
ちなみに日経電子版のWeb版ではこの産業天気図がみれません。日経電子版の朝刊か紙面で確認してください。日経電子版は1週間前の新聞しか遡れませんので、うっかり取り忘れると3ヶ月先までお預けになります。注意しましょう。
産業天気図は、雨~晴れの5段階でセクターを評価しています。見るべきコツは以下の通り。
一方、産業・工作機械は曇り → 薄日に1段階改善しました。
記事によると、中国の人件費高騰によって設備投資の需要が高まっているとのこと。この景況感は少なくとも秋口まで続くと見ています。中国へ積極的に出荷していて、労働集約型の自動車産業で積極的に使われる工作機械を製造しているメーカーなどは、期待していた以上に業績が伸びる可能性があります。
こんな感じでざっくりセクターを把握し、成長するセクターを狙ってみてください。個別で絞り込むよりずっとやりやすいはずです。
ちなみに日経電子版のWeb版ではこの産業天気図がみれません。日経電子版の朝刊か紙面で確認してください。日経電子版は1週間前の新聞しか遡れませんので、うっかり取り忘れると3ヶ月先までお預けになります。注意しましょう。
産業天気図は、雨~晴れの5段階でセクターを評価しています。見るべきコツは以下の通り。
- 「晴れマーク」のセクターに注目する
投資先としては安定していると言えます。
今後3ヶ月は、良い経営環境にあることを意味しています。このようなセクターは、
誰が経営しても一定数の売上を確保できる状況にあります。このような環境では、売上を上昇させることが容易であることが多いです。 - 天候の変化に注目する
例えば「雨マーク」から「曇りマーク」に変化したセクターは、セクター全体の景況感が良くなりそうであることを意味します。株式投資は、企業の変化で株価が動くことが多いですので、このような変化があるセクターは大きなキャピタルゲインが期待できます。
7~9月の産業天気図 (2017年)
ざっくり見ていきます。
まず目に付くのは毎回、経営環境の良い人材派遣です。
これは人手不足が長期化し、働き方改革によって、非正規労働者の賃金が上昇したのは良かったのですが「103万円の壁」によって労働時間が縮小し、さらに労働力不足に陥っているという悪循環(?)が要因の一つにあろうかと思われます。
記事によると、働き方改革が原因で一般事務でも人手が足りなくなっており、引き合いが強くなっていることが記載されてました。
既に人材派遣関連の銘柄は高く評価されており、上値余地は伺えない状況にあろう一方で、ネットを活用した人材紹介は、更に売上を伸ばしており、想定以上の成長が期待できるかもしれません。経営環境が良いと、それに関連する企業もまた業績を伸ばしやすい事例と言えましょう。
記事によると、中国の人件費高騰によって設備投資の需要が高まっているとのこと。この景況感は少なくとも秋口まで続くと見ています。中国へ積極的に出荷していて、労働集約型の自動車産業で積極的に使われる工作機械を製造しているメーカーなどは、期待していた以上に業績が伸びる可能性があります。
こんな感じでざっくりセクターを把握し、成長するセクターを狙ってみてください。個別で絞り込むよりずっとやりやすいはずです。
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