この中で注目されたのは議決権行使の個別開示です。今までは種類ごとに公開することで済ましていたのですが、今回から個別議案の賛否についても開示を求められています。
この改正には以下の理由があると見ています。
- インデックス運用の放置プレイ防止
日本株のインデックスファンドでよく使われるTOPIXは、銘柄数が2000社以上と膨大な銘柄を組み入れています。インデックスファンドの運用コストが安価である理由の一つに、投資判断を行わず機械的に組み入れることによる人件費の削減があります。なので議決権行使ともなれば2000社ですからね、相当数になります。それを真摯に対応できているのか疑問は多いでしょう。今回の個別公開を実施することで多少の監視には役立つかもしれません。 - 運用者と経営者のズブズブ防止
特に社歴が長い企業に多いのですが、大株主に生保が加わっている銘柄が多いのです。これは生保に株式を買ってもらう代わりに従業員に生保を融通するということが行われてきました。株式持ち合いに近い状況でして、生保側としても顧客に手心を加えたと思われたくないでしょうし、さりとて、スチュワードシップコードの建前もあって、公開したくない情報のようで過去、何回か潰されたようです。
生保もインデックス運用を行っている関係上、運用でも該当企業を保有しており、大株主としての立場と運用の立場で相異なる結果がでるのも不味いのでしょう。
日銀のETF買付けにより運用会社の議決権行使が重要になってきました。最近はその額が無視できないくらい膨大になっています。一方で、日銀は議決権行使の指図をしたくないからETFを購入しているわけです。
ETFを運用する運用会社の責任は重いのです。日本の資本社会を指示するような役割になってしまいました。
一方で、アクティブファンドのみの運用会社は大して問題ないでしょう。そもそも議決権行使に反対する銘柄は組み入れなければいいだけのことです。株主提案も頭を悩ますのは、今のところ多くありません。
個別開示リスト
- 野村AM
- 大和AM
- 日興AM
- 三井住友トラストAM
- 三井住友DS AM
- アセットマネジメントOne
- りそなAM
- SBI AM
- いちよしAM
- インベスコAM
- 農林中金全共連AM
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- 野村信託銀行
- 三菱UFJ信託銀行
- みずほ信託銀行
- MU投資顧問
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- ニッセイAM
- 東京海上AM
- 第一生命保険
- スチュワードシップ活動:スチュワードシップ活動(対話・議決権行使)|機関投資家として|第一生命保険株式会社
- スチュワードシップ活動:スチュワードシップ活動の取組方針|機関投資家として|第一生命保険株式会社
- 住友生命
- 資産運用 | 住友生命グループのCSR経営 | 住友生命保険
下の方のスチュワードシップ活動にリストがある。 - SOMPO AM
- 明示安田AM
- T&D HD
- 朝日ライフAM
- PGIM
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- フィディリティ投信
- ブラックロック
- ドイチェAM
- 議決権行使に関する基本方針 (会社情報) ドイチェ・アセット・マネジメント
議決権行使助言会社のページに飛ばされるんだが、助言会社に丸投げなんだろうか、、、 - BNPパリバAM
- BNPパリバ・アセットマネジメント株式会社 - 議決権行使の考え方
2019年以降更新が途絶えているのだが、日本株から撤退でもしたのかな、、、 - アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン
- ゴールドマン・サックスAM
- ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
- BNYメロンAM
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- レオス・キャピタルAM
- 議決権の行使について | レオス・キャピタルワークス
個別リストはないがほぼ全てに賛成し、反対したのを個別に開示するスタイルのようだ。 - さわかみ投信
- 議決権の行使|さわかみ投信株式会社
反対理由がオリジナリティ溢れてて興味深い。つかそこまで反対するなら対話するなり撤収するなりすればいいのにね、、、 - 鎌倉投信
- コモンズ投信
関連記事
- 会員のスチュワードシップ活動等の状況 (PDF) - 日本投資顧問協会
議決権行使の個別開示リストがある。
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