2018年3月10日土曜日

8919 カチタス - '17/12ニッポン中小型株ファンド

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8919 カチタス


カチタスは、中古戸建て・中古マンションの再生事業を行っている企業です。四季報の同業他社にスター・マイカ[3230]インテリックス[8940]。戸建て再生事業ですとフジ住宅[8860]東武住販[3297]あたりが同業他社になりそうです。


<ビジネスモデル改革による復活>

ニッチ分野で独自のビジネスモデルを切り開いた企業が、競合の増加などによる手法の陳腐化で伸び悩みに転じるケースはしばしば見られます。そういった企業がビジネスモデルを改革しようとしても、往年の「おいしい」状況から発想を切り替えることが困難なため、なかなか成功することはありません。今回取り上げるカチタス(8919)は、創業者の放逐という過程を経て、困難なビジネスモデル改革を成功させ、よりスケールの大きい企業として復活した数少ない例です。

同社の前身は、かつて名証セントレックスに上場していた株式会社やすらぎです。同社は1996年の民事執行法改正で不動産に対する占有権が制限されたことに注目し、全国各地の裁判所で行われる競売に機械的に入札を行って割安な中古住宅を仕入れるビジネスモデルを編み出しました。それ以前は不法占有者の立ち退きを求めるには訴訟が必要でしたが、法改正によって裁判所が引き渡し命令を出すようになったため、占有者の細かな事情を知らなくても大きなリスクを負わずに競売に参加できるようになったことがポイントです。同社は急成長し、2004年に1回目の株式公開を果たしました。

しかし、上場後しばらくすると他社も競売に参加するようになり、全国展開を急いだことによる組織の弱体化もあって業績は悪化に転じました。業績低迷期には創業者らが関与するガバナンス上の問題も発生し、2012年には投資ファンドに買収される形で上場を廃止しました。

同社は投資ファンドの傘下でビジネスモデルの改革に取り組みました。最大のポイントは、仕入の中心を競売から空家に切り替えたことです。近年、地方では都会に住む子供が相続したものの誰も住まない空家が増加しています。同社はそれらの住宅を買い取り、リフォームを加えた上で、従来は良質な住宅の取得が難しかった世帯年収300万円台の若年世帯でも購入可能な価格で売却する形にビジネスモデルを転換しました。支店網を活用して地場の不動産会社との情報連携を強化する一方、大都市圏に比べると安価なテレビCMを大量投入することで、不動産に関する知識が乏しい層にも訴求できるだけの知名度をすでに獲得しています。このビジネスモデルは社会的な意義も大きいと考えており、今後数年間は快進撃が続くことを期待しています。

※ラッセル野村小型インデックス(配当込み)は当ファンドのベンチマークではありません。

先日のガイアの夜明けで取り上げられてました。


苦瓜さんは、大和住銀日本小型株ファンドの他にニッポン中小型株ファンドのファンドマネージャーをやっているのですが、コメントはほとんど重複しています。たまに違う銘柄を取り上げることがあるので気になった銘柄は取り上げていこうと思ってます。



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