異論は多々あろうかと思うのですが今の私の結論です。投機については大幅に改定しました。まあ投資と投機を分ける必要性は殆ど無いですし、マイノリティが何をやっても投機にしかならないんじゃないでしょうかね。
投資はマジョリティになってから。
長期投資とか短期投資とか言われるけど、実際、どのくらいの期間を指すのよ?という疑問について考えてみた。
投機と投資の運用期間
投機は、機を見て買い、機を見て売った利ざやで利益を得る方法と定義します。
投資は、資産を保有する事によって利益を得る方法と定義します。
個人投資家が出来る事と言えば、資金を資産に変換し、頃合いを見て資産を資金に戻して利益を得ること位でしょう。これに関しては株とFXに大きな差は無いんじゃないかと思ってます。例えばFXの場合、時間軸を長めに取る利点が殆ど無い、云わばゼロサムゲームですので投機の代表格に扱われますが、株式投資だって似たようなモノではないでしょうかね。
長く保有すれば投資で、短く保有すれば投機、という考えには行きつかないんですよ。
私は投資に必要なのは期間ではなくコミットにあるのではないかと考えています。創業者がその代表例で、自分の会社に資金を投じ、会社を大きくし、株式公開して資金調達の幅を広げる。これは投機ではなく投資でしょう。個人投資家が出来るレベルなんて、せいぜいIRに問い合わせる程度のコミットでしかないでしょう。
どんなに長く持っても投機は投機です。
長期保有こそ投資とか、あれは金融業者やら政府機関やらオーナーやらの寝言です。そんな雲をつかむようなことを気にするから長期投資とか短期投資とかの言葉尻に拘ってしまうんです。
「儲かるなら投資でも投機でもどうでもいいわ」程度の気構えで丁度いいんじゃないんでしょうか。
資産運用の運用期間
資産運用は、株と債券の比率を重視した運用で利益を得る方法と定義します。
「株と債券の比率」としたのは公的年金や保険がそのような運用を行っているからです。株や債券は長期で保有することでプラスのインセンティブが働く金融商品です。これらの金融商品をバランスよく保有することで複利効果を得やすいという研究結果が出ています。年金や保険はこの研究を踏まえて資産運用を行っているのです。
バランス良く、とはどの程度か。
国内の最大大手、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産比率は、
国内債券60%、国内株式12%、海外債券11%、外国株式12%
となっています(GPIFが年金運用見直し、国債低下・内外株増やす | Reuters)。
かなり堅実なポートフォリオになっていますが、20代のヤングから60代の爺様まで幅広く資産運用しなければならないのでこういうポートフォリオになっているのでしょう。若い内は収入もあることですし、もう少しリスクテイクしても大丈夫な気はしますけどね。
資産運用の運用期間は「10年単位」
ここで着目したいのは債券です。
一般的に長期債券は10年国債のことを指しま す。売れ筋ですね =)。
なぜ10年国債が基準になっているのかは分かりませんが、国としては物価調整の関係もあって10年以上の債券には将来的なリスクがあると考えているのかもしれません。10年以上の超長期国債は流通量が少ないようです。
よって長期運用の区切りとしては10年が適当と考えます。
このタイミングで10年国債の利回りとインフレ指数を加味し、ポートフォリオを再構築するのが適切でしょう。
短期での資産運用は向いていない
特に株を組み合わせた資産運用の場合、資産の価値が大きく変化します。株と債券のリバランスにて安定した安定した資産運用を目指しますが、一定の運用益を得るにはそれなりの期間が必要です。
長期に渡って資金をリスクに晒す事で、平均的なリスクプレミアムを獲得するのが資産運用の基本的な考えです。10年程度の運用が考えにくいのなら資産運用向きではないでしょう。
他の運用方法を検討する事をお勧めします。
株式投資の運用期間
株式投資は、企業価値よりその差分から利益を得る方法と定義します。
株式投資の場合、原資である企業価値を判断する期間が投資期間と直結すると考えます。企業価値を判断するための事業計画がそのまま投資期間に直結すると考えました。
株式投資での長期運用は「3年単位」
企業経営で指針となる中期事業計画(中計)の期間はおよそ3~5年の所が多いようです。これ以上長い中計となると、目標数値の無い経営責任を問うにもビミョーな目標でしかない場合が多く、投資の参考にはならないでしょう。自社の経営者ですら予想が困難なのですから個人投資家なら尚更無理でしょう。
よって株式投資での長期運用は「3年単位」と定義します。
もちろん3年後に売却しろ、という訳ではなく、3年後に出てくるであろうその次の中期計画より更に投資を継続することも可能でしょう。3年というのは云わば投資を続けるかどうかのチェックポイントとして考えるのが妥当と考えてます。
逆に言うと、中計も出さない企業に長期運用とかあり得ないです。
株式投資での短期運用は「3ヶ月単位」
事業内容によっては3年後の見通しがまったく立たない企業もあります。
例えば、需要 に大きく左右される鉄鋼業や原料価格に大きく左右される総合化学等の市況(シクリカル)株もあります。このような企業の場合に投資する場合、長期運用には 向いていません。短期間の相場、為替、物価等を加味し、同業他社と比べ優位性が劣っていないか毎回確認する必要があるでしょう。確認するタイミングとして は企業の四半期決算が適しています。
よって株式投資での短期運用は「3ヶ月単位」と定義します。
もちろん、3ヶ月後に売却しろ、という訳ではないことは上記と同様です。株価が落ちても状況が変わっていないのなら保有するべきでしょう。
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要は当初考えていた目論見と異なった時にどう手仕舞いするか、その判断するチェックポイントが運用期間なんじゃないでしょうかね。
買った動機が重要だと言われるのはそこでしょう。
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