2012年10月27日土曜日

'12/09の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。9月はベンチャーリンクの子孫。

 <ベンチャー・リンクが残したもの>
 
 ベンチャー・リンクという企業をご存知の方はどのくらいおいででしょうか。地域金融機関との提携によって中小企業の全国組織を構築し、その中の優良会員の事業をフランチャイズ化して他の会員に紹介するビジネスモデルで一世を風靡した企業です。しかし、成長を急ぐあまり強引な加盟営業やフランチャイズの粗製乱造が問題となり、それらへの事業投資の不良化によって2002年以降は凋落の一途をたどりました。そして、2011年に上場廃止となり、今年2月には民事再生法の適用を申請しました。
 彼らが築いたフランチャイズ網の多くは姿を消し、牛角、サンマルクなど一定の成功を収めたチェーンでもピーク時に比べると規模を縮小したところがほとんどです。しかし、自主的な営業努力により事業を活性化した企業もいくつか存在します。その例として、コシダカホールディングス(2157)が買収した女性専用フィットネスクラブ「カーブス」と、アークランドサービス(3085)の主力事業であるとんかつ店「かつや」を紹介します。
 コシダカは個人経営のカラオケ店を買収・再生することで成長してきた企業ですが、第二の柱として2008年に自らも加盟していたカーブスの本部を買収しました。同社は加盟店に会員とのコミュニケーションを密に行うよう指導を強化し、現在では中高年会員向けにプロテインを販売するなど収益源の多様化も進んでいます。
 アークランドサービスは2005年にベンチャー・リンクとの提携を解消した後、直営店中心に事業の立て直しを行いました。総花的なメニューから味・食べ応え重視に転換し、出店を優良立地に限定することで、着実な成長を続けています。また、そうした事業形態を確立したことで、今期からはフランチャイズ加盟募集も加速しています。
 ベンチャー・リンクは確かに問題の多い企業でしたが、成長事業の種を発掘することに関しては高い能力を持っていたと思います。昨今の保守化した国内消費の状況を見るにつけ、同社が堅実な事業展開できていればと残念でなりません。

なるほどコメントしようが無い =)。

2157 コシダカHDが運営しているカーブスは今や成長株の一つ。居抜きを得意とするコシダカとしても実にいい事業だと思う。

また9842 アークランドサカモト
の子会社である3085 アークランドサービスの主力事業である「かつや」 は順調な成長を遂げている。成長速度については色々言われているが、多分あのスケールの事業としては早くも無く遅くも無いと思う。ロードサイド運営の癖にこっそりビールを振舞っているあたりは気に入らないのだが、まあ社会問題に発展するほど大きい事業でもないし株価的には些細な事かも知れないけどね。

ぶっちゃけこれらがベンチャーリンクが種になっていることを今回知った。親の影がちらつかないあたり、運営の手腕が良かったんだろう。