2013年3月27日水曜日

今日のひふみ投信の基準価額は少々下駄を履いてますよって話

なに、ひふみ投信にいちゃもん付けてるねん、って事なんだけど「ひふみすげえすげえ」ってTweetを見ると茶々を入れたくなる年頃なんです(えっへん


要は今日のひふみ投信はやや下駄を履いていますよねって事を確認したかったのです。

今日は3月決算銘柄の権利落ちの日でして、投資家達らの投資行動からすると貰った配当より少しでも株価が高ければ売ってしまおう、という圧力が強い日なのです。特に3月は決算を迎える企業が多くありまして、そいうバイアスが掛かりやすい日でありました。

ここで問題になるのは、権利確定日まで保有していた投資家が権利落ちの日の株価をそのまま反映させてしまうと、 権利確定日に獲得した配当金の権利を享受できなくなってしまいます。配当金の権利が、後からやってきた投資家達にも分配されることになれば公正とは言えないでしょう。

そこで一般的な投信は、権利落ちを跨ぐ場合「貰えるであろう配当金」を権利落ち日の基準価額に織り込む作業を行います。貰ってもいない配当金を貰ったことにして価額に反映させるのです。もちろん手元に現金がないのにそんな事をやって大丈夫かって話もあろうかと思うのですが、投資信託には予め基準価額に反映されない予備金が用意されていて、このおカネがクッションとして使われます。ちなみに日々の信託報酬もこの予備から調達しているはずです。

それでは「貰えるであろう配当金」はどの位でしょうか。

分配金を出さないTOPIXファンドの基準価額は大体、前日比「+1.1%」程度でした。一方、今日のTOPIX(一般的に公開されている平均株価は配当金を含みません)は「+0.20%」でした。ということでTOPIXベースでは大体+0.9%程度の「貰えるであろう配当金」が織り込まれていると考えられます。一概にひふみ投信もそうとは言えませんが、大きく差があるとは思えません。

ということで今日のひふみ投信はTOPIXを+0.8%程度上回った成績でした、というのが実情ではないでしょうか。+0.8%というのも十分立派な成績ですよ、念の為。

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ちなみにこの「貰えるであろう配当金」は前年の会社の配当を踏まえて計算されるのですが、当然、減配・増配・無配は予想できませんので、会社の発表を元にちょくちょく微調整が行われています。トヨタ自動車等の大企業が予想外の配当になると、その前後で吸収できないと、とてもアレな基準価額になってアレです =)。

一般公開されていませんが「配当込みTOPIX」という株価指数があるのですが、 まあそんな感じでとてもバーチャル感が否めないタイミングがあったりします。

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もう少し話をするとですね。ETFというファンドがありまして。

ETFの仕組み上、配当金の分を意図的に織り込むという作業が出来ません。日々の価額は一般参加者の投資家やら機関投資家の売買の元で決まります。参加者が貰ってもいない配当金を価額に織り込むことは難しく、配当金を含まない平均株価に連動することが多いのです。

ではこの3月の配当金はいつ支払われるのか。多くのETFは8月に決算を迎えるのでそのタイミングでETFの分配金(配当金じゃないお)として清算されます。何故8月かというと、3月決算銘柄の配当金が概ね出そろうからでしょう。

ETFの配当金タダ取りの話は上記の仕組みからきてます。

で、

そこでですよ奥さん。

一般的なTOPIXファンド「買」、TOPIX ETF「売」で1.0%の利ザヤが稼げるんじゃね?と思った時がありました。まあでも億単位の資金があって初めてペイしそうなネタだし、そもそも投資信託の方で短期売買を行おうとすると若干の嫌がらせを受けたりするらしいので早々実現しそうではないのです。

で、TOPIX ETF最大の売買を誇る1306 TOPIX連動型上場投資信託の今日の前日比「+1.13%」、、、っておい、織り込まれてるぞ、、、

4ヶ月も先なのに織り込まれるとかバブルすぐるだろw

(追記:3/28)

レオス社(ひふみ投信の運用会社)から解説がありました。





2013年3月20日水曜日

3633ペパボ(paperboy&co.)の株主総会に行ってきたお

paperboy&co. 第11期定時株主総会
3633paperboy&co.(ペパボ)の株主総会に行ってきましたお。

ペパボはロリポップ!(レンタルサーバー)を主力とするホスティング事業、カラーミーショップを主力とするEC事業、JUGEMを主力とするコミュニティ事業が主な事業になってます。

概ねネットの成長と共に伸びた企業と言えましょう。

株主質問で気になったのをざっくり記載してみます。

  • 約款の変更理由
    約款の「理念」が書き替えた理由は現状のビジネス顧客である、趣味をベースとしていた顧客層からコマースを通じたビジネス展開に切り替えて行くために約款の変更を行う必要があった。

    今後のビジネス展開の変更を示唆したことになったようです。まだ伸びる余地があろうカラーミーショップの顧客発掘を狙ったものかと思われます。今まで行わなかった営業活動、電話サポート等に人を増やしたとのこと。面白いと思う反面、今までのビジネスの強みであった人手を掛けない、少数による運営によるコスト削減が厳しくなるかもしれません。
  • 役員定数を8→10名に増やした理由
    新しいネット事業への取り組みを行うため、GMOグループから1名召集した都合上。

    「脳みその強化」という表現をしていたんですが、何か新しい事業の計画でもあるんでしょうかね。ちょっとこの意図は読めませんでした。
  • 売上の伸びほど利益が伸びていない理由
    新規事業の立ち上げコスト、スマホ・タブレットへの対応コストが嵩んだ。経常で受取配当金の見通しが立っていない(よく分かりません)。

    取り敢えず新規事業で大きくコケているのが無いのでこのコストは良質でしょう。むしろ既存事業のジリ貧さをやや気にしている様子。既存事業はどちらかというとPCのネット環境を主体としてきているのでその陰りが出てきているんじゃまいか、とは思ってる。
  • 株価分割とか流動性を高める工夫は?
    現段階ではあまり考えていない。東証2部への上場は可能だがIPOと同じくらい手間がかかる作業なので、行うならもう少し成長してから一気にやりたい。当面は時価総額100億円あたりが目途になるのではないか。
  • 中計は?
    GMOグループとして55年計画を持っており、それを着実にこなしている。短期は年毎の計画を毎年発表している。

    んー、それは投資家が知りたい情報じゃないよなあ。多分、質問の意図は3~5年あたりの目標値が欲しいって事だと思うんだが、まあインターネット事業の不安定さを考えれば計画を持つこと自体がリスクとなるっていうのも分からないでもない。
  • 利益剰余金の使い道は?
    今後の投資に使っていきたいのと、前受金を預かっている関係上、前受金に似合った現金を多めに持っておく必要があるため、やや現金がだぶつくのは仕方がないと考えている。

    前受金ビジネスにありがちなので許されたし。前受金を使い込むと悪い例だとNOVAのように返金騒動になった時に対応が出来なくなる可能性があるので顧客との信頼性を高めるためにも必要だとは思う。それなら流用しないことを明記するためにも会計を別項目にしたらいいのにね、とはいつも思ってる。具体例だと3630電算システムとか2417ツヴァイあたりのBSみてみそ。まあ法令で決まっているってのもあるんだけどね。
  • 災害対策は?
    顧客のデータを止めないことに注力。バックアップ体制はしっかり取っている。GMOグループ全体で年一回防災訓練を行っている。東京でもしものことがあれば大阪に意思決定機関を設けることになっている。また創業地である福岡でのバックアップ体制もある。
  • ここ2年で新卒22名を受け入れましたがまだ退社した人はいません(キリッ
    新卒者を受け入れるだけのキャパが出来てきたと感じている。

    知らんがなw

多分、我々が思っているスピード以上にネット環境がPCからスマホ・タブレットに移行してきていると感じてます。そこにペパボが組み入れられているかどうかはすごくビミョーで、もしかして来年にもネット勢力図が変わってるかもしれない、とまで思ってます。

既存事業でスマホ・タブレットにリーチしそうな事業としてSqaleというサービスに注目してます。国内では、この手のPaaSサービスがかなり少ないのでかなりのポテンシャルを持ったサービスではないかと。株主総会ではかなりスルー気味だったんで、ちょっと心配になってしまいましたが是非頑張っていただきたく。つかお試しで値下げしてくんないかなあ(自分が使ってみたいだけww)。

後、パブーのスマホアプリはもう少し作りこんでほしい。Kindleで実現できている機能はすべて盛り込むくらいの対応が必要かと思われる。

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「(創業者である)家入さんがいればなぁ」という雰囲気は全くなくて、各自がサービスを作って楽しんでいる雰囲気が結構お気に入りなのです =)。

また来年も株主総会に出れるような業績を積み上げてもらいたいと思う次第。


株主総会の会場だったセルリアンタワー39階からの眺め

今週の藤戸レポート (3/18)

Twitterに藤戸レポートが流れてきたんで久しぶりに読んでみた。

 株式投資戦略 - 藤戸則弘 | レポート | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

去年末は葬式みたいなレポートだったんだがいつの間にかお祭り相場に合わせたレポートになってて興味深い。

  • ユニクロ株の日経平均構成比率が10%
    日経平均銘柄の値嵩株ということで相場材料になりましたよねって話。アパレルがPER40倍とかありえんっしょてのは同意。浮動株が少ないってのも。
  • 新興市場ではバイオ株フィーバー
    4571ナノキャリアが例に挙げられてた。まあすごいボラティリティだよね。他にもメタンハイドレート関連株も。相場のネタを漁ってる状態なんでしょうかね。何にしろ浮いた銭が増えてきているのは確かでしょう。
  • IPO銘柄が輝きを取り戻す
    当たらないけどな><。腹立ってIPOが外れる度に7893プロネクサスやら7921宝印刷をついばんでたらそれはそれでいい株価になってきていてそろそろ売りたい。この両者はディスクロージャー銘柄で、参入障壁が異様に高く、上場企業が増える、もしくは伸びそうだと収益が伸びる傾向にあるんで「今年IPOが増えるのなら両社の売り上げも伸びるだろうね」という思惑から株価が上がっているんだと思う。まあ俺は優待が欲しいだけなんだがw
  • 世界的な過剰流動性の成せる業
    でしょうね。債券から流れてきているのかもしれず。アベノミクス相場とは言われているが実情は単なる名目じゃないんでしょうかね。
  • 「阿波踊りの精神」
    「黒田新体制が発足し、日銀はかつてない緩和策に突き進んで行く。しかも、FRBとECBも同一歩調である。となれば、歴史に残る過去の大相場に比肩するスケールの大きな金融相場を、念頭に置く必要があろう」
    「売り場はバーナンキ FRB 議長が教えてくれます。FRB の政策スタンスが変わらない限り強気堅持。それより売り切ってしまわないようにしましょう。利喰いはイイけれど、常に不動産・電鉄・倉庫・百貨店株を手元に」

倉庫株は好みだったんだけどなんで今手元にないんだよって話orz。百貨店あたり見てみますかね。

来週も藤戸レポートみますか。タグ付けておきますね。

'13/02の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。2月は2786 サッポロドラッグストアー

<ドラッグストア投資が一番おいしい時>

 医薬品の販売許可を受けつつ、大型店舗で一般の日用品も幅広く取り扱うドラッグストア業態は、すっかり日本に定着しました。規制と規制緩和の谷間で恵まれて成長してきたという面もありますが、生鮮食品以外は日常的な買い物が一ヵ所でしかもその多くを割引価格で済ますことができるという点で合理性が高く、今後一層の規制緩和によって通信販売はじめ他業態との競合が激化しても有力な業態として生き残ることができると予想しています。当ファンドでは、ほぼ一貫してドラッグストアを主要投資対象の一つとして位置づけてきましたが、その方針は変わらず、特に大手企業よりも変化点を迎えた中堅企業の投資魅力が高いと考えています。

 ドラッグストアは店舗によって品質に差の出にくい取扱商品が多いため、利益率の格差を生む最大の要因は企業規模による仕入時の交渉力と考えられます。しかし、スーパーやコンビニに比べ多店舗展開が遅れたため、本格的な全国チェーンは存在せず、地域チェーンが群雄割拠する状況となっています。そして、大手企業の多くが地元では飽和状態に近づく一方、他地域では知名度や人材確保、経営組織の確立といった点が障害となり、十分に強みを発揮できない傾向にあります。

 一方、強力な大手企業が存在しない地域にあったり、支配的な大手企業と差別化を打ち出すことに成功している中堅企業に関しては、伸びしろは大きいと言えます。勝ちパターンを見つけることさえできれば、人材面・管理面の問題は比較的小さく、利益率を高めながら急成長することが可能です。さらに、株式市場においては割安状態に放置されている企業も多いため、PER(株価収益率)の上昇によって利益成長以上の株価上昇を期待することも可能です。

 こういった観点から当ファンドが最も注目している企業は、北海道で第2位のサッポロドラッグストアー(2786)です。首位であるツルハホールディングス(3391)との差は歴然としていますが、ツルハホールディングスが同地域で約50%のシェアを有しているため競争環境が比較的安定しているというプラス面もあります。その中で同社は加工食品の強化などによって独自色を打ち出しており、全店で自動発注を導入するなど効率性の改善に向けた先行投資も積極的に行なっています。

3/20時点で予想PER9.2倍、PBR1.31倍、シェアーズ割安度50%。

以前からサッポロドラッグストアーは何度か検討していましたが、札証上場なのがネックでした。今年に入ってから株価が評価され現段階だと流石に気軽に買える水準からはやや遠くなった感を受けています。

優待もあるようですが、近場に店舗が見当たらないというのもややマイナス材料。

近場のドラッグストアー銘柄を見てみたんですが、どこもPER10倍以上、割安度フェアバリューという状況ですので、サッポロドラッグストアーは出遅れ割安であることは変わりないかもしれません。

ただまあやっぱり成長性ともなると疑問がいろいろわきますねえ。

様子見かなやっぱり。

2013年3月5日火曜日

「ひふみアカデミー (2013/02)」雑記

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  • TOPIXをやや上回る運用ができた
    2月中間までは市況が良くなかった。米国が悪くなったのに同期して値嵩株が売られる状況だった。
  • 2/10-20はG20があった
    日本だけ円安だったので懸念があったんだが無風だったので円安に戻った。
  • 3Q決算が多く公開されてきた。出尽くしで買われる。
  • 銘柄数が70前後。ヲチ分もある。
  • アベノミクス相場の第一段階が終わった
    日銀総裁が一つのヤマだった。民主党ディスカウントが終わった。インフレ期待感が増した。成長戦略はまだ見えていない。
  • 濡れた薪に火がついてきた?
    消費が上向いているのかも。zozoやユニクロの直近の月次は悪くない。
  • 2月にゴムセクターが上がった理由
    1. ゴムの価格が下がってきていたが価格は据え置き 2. 為替レートのマージンが出てきた 3. シクリカル銘柄の中では買いやすいセクター 4. 中国は下がり気味だが北米の自動車セクターは悪くない
    → 先回りして買われた。
  • 11月の時のポートフォリオに戻しつつある
    大型株が一巡して中小型株に戻ってきているのかも。
  • 経営者側にボールが渡されているのではないか
  • 陸運の為替の影響について
    そもそも安すぎた。巻き返しがあったのではないか。

今の所、全天候型でややキャッシュを多めに持っている、という状況の様子。

後、ファンドマネージャーの一人が転職なさるそうで紹介がありました。転職自体は悪いものとは思えないですし前向きな転職のようですしよかったんじゃないでしょうかね。新天地で是非活躍していただきたく。是非運用報告書が読みたいですな =)。