2012年3月23日金曜日

'12/02の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。2月は7605 フジ・コーポレーション

<日本一遅れた業界の改革者>

 1990年代に起こった規制緩和などの動きにより、日本では多くの分野で流通合理化が進みました。勝ち組の小売業者が規模を拡大し交渉力を強めたことで、メーカーを頂点とする縦割りの流通構造が力を失い、流通業者の淘汰と小売価格の低下が起こったのです。しかし、現在に至っても依然として古い流通形態が残る業界もいくつか存在します。その代表的な例がタイヤ業界です。
 タイヤ業界では、オートバックスとイエローハットの2大カー用品店チェーンを除くと強力な小売業者が育たず、依然としてメーカー主導の流通構造が続いています(タイヤ館などの専門店チェーンはメーカー直営)。恣意的なリベート政策と物流・金融の丸抱えによって多くの小売業者がメーカーのコントロールを受けており、結果として自動車メーカー向けとは比較にならない高価格での流通が維持されています。嗜好性の強い製品の比率が高いこと、交換に人手を要するため多店舗展開のマネジメントが難しいこと、関連する自動車流通業界もメーカー主導の構造であること、等の要因からメーカーの力が強くなりがちな業界ではありますが、あまりにも遅れた業界という印象は受けます。
 そういった業界で、ひとり気を吐いている独立系小売業者がフジ・コーポレーション(7605)です。同社は東日本を中心に33店舗を展開するほか、マニア向け商材などのインターネットを中心とする通信販売にも力を入れています。通信販売の開始時にはメーカーからの圧力も受けた模様ですが、欧州からの直輸入などの施策により独立性の高い事業展開を継続しました。現在では、品質の向上してきた中国製タイヤの輸入も拡大しており、低価格商材として提供しています。
 日本全体で見ると、小売業者の寡占化には負の側面も目立ってきていますが、一方でこのような流通合理化が緒についたばかりの業界も存在します。当ファンドでは、今後も同社の展開に注目していきます。
9832 オートバックスセブン9882イエローハットはカー用品でダントツのシェアですね。
それが故に寡占化が進んでいて小売業側が強いのかと思ってたのですがメーカー側のほうが強いというのは意外でした。道理で利益率が低いわけです。

フジ・コーポは規模は小さいものの、関東周辺で商売を広げていて、月次によると前年同期比で10~20%増で推移していて好調を持続しています。震災特需もあろうかと思っています。利益率も上記の2社と比べてかなり良い状況なのは、良好な経営環境に加えて経営努力があったからなのでしょうね。

優待銘柄と思いきや、チョット見直しました =)。

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