IFRS特需あるでぇって話。
M&Aで生じる「のれん」という項目。今までの会計だとこののれんに対して一定額の償却が義務付けられてて結構利益を圧迫するんだわ。で、今回のIFRSという会計基準だとこののれんを償却しなくて宜しいってことになるそうな。製造業の減価償却に近いのかな。
で、のれん代を多く計上していた銘柄は、のれんを償却せずに済むので見栄えの利益が増えて投資家からちやほやされるんじゃね?って話になってる。
なぜ見栄えか、というと「のれん代」が計上されている時点ではもう、現金の動きがあるわけではなく会計処理だけの問題になる。まあ既に買収した金額は支払った後の処理な訳で、例えるなら既になくなっている現金が年賦で利益を削っているって形になるんだろうか。
で、のれんは償却するべきか否か、は一概には判断が難しいのでよくもめる。製造業なら機械の寿命を逆算すれば減価償却の額が決められるけど、のれんはそうは行かない。のれんに本当に価値があるかどうかは経営者の目利きに掛かっていると思っていい。機械的に償却するか、経営者の判断で減損するか、どっちが正しいともいえないけど、経営者に財務の裁量が増えることは間違いないだろう。
M&Aで高い買い物をしても表面上に現れにくくなったので、業績低迷を隠すためにM&Aが積極的になるかも知れんね?って話も出ているが多分、それは海外相手だと思う。日本だと従業員という資産(負の資産?)が付きまとうので難しいだろう。パイが有り余っているのなら貴重な資源だが、パイの食い合いならパイにあった規模に縮小せざるを得ない、というパターン。
で本題。 会社四季報CD-ROMでのれん代が多い銘柄を抽出したい。
([DL・のれん(資産)(-1)]/[DL・総資産(-1)])*100
上記の条件で10%以上の銘柄を抽出してみた。89銘柄出てきた。JT(30.27%)ののれん代はやっぱり大きいだろうね。のれん代の評価が難しいのは、去年の7733 オリンパスの案件を見れば明らかかなと。結局の所、経営者を信じるか否かに掛かるわけでして。
気になる所だと3644 1stホールディングスの46.53%でこうなるともう別会社だよなw。2170 リンクアンドモチベーション(23.79%)は本業のモチベーション事業の低迷より今までの事業を生かせる事業へのM&Aを積極的に行っている最中。まあ大変だよね。 2185 シイエム・シイ(10.41%)は昨年の同業他社ののれん代だろうね。傍から見るとこのM&Aは成功しているように思えるんだが本当にそうかどうかはもう少し先で判断するべきことなんだろう。
ざっくり、のれん代の利益寄与を見る場合、営業CFの「のれん償却代」「のれん償却額」がオススメ。あの数値が利益・純利益共にプラスされるインパクトは大きいと思うよ。
#のれん代償却に税務効果ってあったっけ?