2012年2月12日日曜日

'11/12の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次のコメントを捨てておくのは勿体無いと思ったので毎月記録していこうかと思ってます。12月は飯田産業ネタ。

<飯田グループの中で投資するなら>
 2000年前後から、不動産業界の中で戸建住宅の建売分譲を主力事業とする企業の上場が増加してきました。東栄住宅、飯田産業、アーネストワン、タクトホーム、ファースト住建、一建設、アイディホーム……実は、これらはすべて同根の企業で、「飯田グループ」と呼ばれています。
 個別企業ごとに若干の差はありますが、同グループのビジネスモデルには全般に以下のような特徴があります。①一次取得者を対象とした低い価格設定、②現場数を増やすことで大工を囲い込み建設コストを低減、③地場不動産業者との連携による機動的な用地仕入・物件販売、④リスクの低い数戸単位の小規模開発が中心。このビジネスモデルを1980年代に確立したのは一建設(当時の社名は飯田建設工業)で、その後同社の幹部社員が創業者からの出資を受けながらのれん分けを行う形で各社が設立されました。
 このビジネスモデルは通常の粗利率が十数%と決して利幅は大きくありませんが、資金回転が速いため、支店展開のタイミングが適切であれば急速な成長が可能です。反面、地場不動産業者を中心とする無数の競合相手と差別化する要因がさほど大きくはないため、需給バランスが崩れると利益率低下に見舞われます。現在の状況も、2008年の不動産融資引き締めによる業者淘汰の影響が一巡し、各社の規模拡大でグループ内競争も激化、利益率は低下傾向となりつつあります。
 もっとも、利益率低下を前提としても割安な株価と、マンションやオフィスビルに比べリスクが低い点は魅力的と言えます。グループ各社の中で、競争激化が見込まれる局面での投資対象としては、最も保守的な経営姿勢をとる一建設が適していると判断しています。同社はバブル崩壊後に実質債務超過に陥り、上場もグループ各社に比べ遅れましたが、その反省にたった慎重な用地仕入などが奏功し2007~2008年の収益環境が悪化した時期にもしっかりと利益を確保しました。現在の競争激化についても早い段階から警戒してきており、利益率の低下は相対的に小幅にとどまるものと期待されます。

飯田産業系列はパワービルダー系の中では大手なんですが、全体的に評価が低いんですよね。この辺、市場はどう見ているのかなーとか思っていたんだけど今回ので腑に落ちました。なるほどね。

ちなみに3268一建設は上場してから間もないんですが株価はイマイチパッとせず。悪くは無いんですが、市場の見方がやや厳し目に見られているのかもしれません。見直しが入ると面白いかもしれないですね =)。

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