2012年2月20日月曜日

'12/01の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。1月はパッケージソフト銘柄。

【担当ファンドマネジャーの見方】
<企業向けパッケージソフトは不況にも強い>
リーマン・ショックで企業のシステム投資意欲は低下しましたが、その後の景気回復期にも回復することなく現在に至っています。かつては定期的に基幹システムの刷新を行なっていた企業が、システムの完成度が向上したことやコスト意識の高まり、経営姿勢の萎縮といった要因で、「使えるものはそのまま使い続ける」という方針に転換しているためです。その結果、データ容量の拡大に対応するための機器需要などは比較的堅調ですが、システム開発を手がけるソフトウェア会社の稼働率は低水準で推移しています。
こういった状況下では、システム刷新の有無にかかわらず一定の収入を得られる企業が相対的に有利です。その点で、受託開発を中心とするソフトウェア会社よりは、優れたパッケージソフトを持ち、バージョンアップやトラブル対応の対価として保守料を徴収している会社の方が投資対象として魅力的と言えます。当ファンドでは、以下のようなソフトウェア会社に投資しています。

1stホールディングス(3644)…帳票作成ソフトで50%近い国内シェアを持つ企業。経営情報編集ソフトでも中堅企業向けに独自の展開を進めています。売上高に占める保守料の比率は44%に達しています。

ソフトウェア・サービス(3733)…電子カルテで富士通に次ぐ第2位。宮崎社長の強烈なリーダーシップのもと、多くの病院を確固たる支持者としています。ソフトウェア売上高に占める保守料の比率は34%です。

ディーバ(3836)…連結会計ソフトの大手。同社も経営情報編集ソフトに参入しています。売上高に占める保守料の比率は44%に達しています。


この分野、懐かしいですね。既にMBOしてしまったワークスAPという経営者がアレな銘柄があったのですが、私の買値を超えることなく市場から出て行き実に面白くない印象があります =)。

特徴は以下の通り。

  • フロー型とストック型が並存する業務形態
    設備投資として受注を受けて納品(フロー型)、納品後、年間メンテナンス契約を結びシステムの更新を行います(ストック型)。規模が大きくなればなるほど販売管理費の割合が減る傾向にあるので売上重視になる場合が多いようです。
  • 完全受注型と汎用パッケージ型
    完全受注型の場合、顧客の細かい要望に応えるために特注になり効率は良くありません。汎用パッケージの場合、業務の細かい部分の変更には応じにくいですが、顧客全てに対して同一サービスを提供できるため1パッケージあたりのコストは安めになります。景気が良いときは受注型や自社開発が好まれ、景気が悪くなるとパッケージ型が見直される傾向があります。
  • 受注単位が高く納期が長い
    数百万~数億と範囲が広い特徴がありますが他のサービス業と比べ、単位が高い傾向にあります。景気動向により受注取り消しなどの負い目を負いやすいです。受注を受けてから納品するまでに3ヶ月~6ヶ月、長くなると1年以上という場合もあります。納期が長くなるとその間の景気動向によって大きな損失が計上されることもあります。業績の上下が激しいところは注意が必要でしょう。
  • 会計が胡散臭いw
    売上と認識する時期がバラバラであったり、資産としては価値が望めないものがB/Sに計上される傾向があります。ソフトウェア業で信用できるものは現金位です =)。

3733ソフトウェア・サービスは結構長く持っていました。

ソフトウェア業には珍しく月次を公開しています。最近('12/02)の月次動向はあまり宜しくなく受注残を消化し売上を計上している状況にあるようです。このままですと来期あたりはかなり厳しいかもしれません(って今日(2/20)の株価爆上げじゃねえかw意味が分からん)。1stは、TLで話題に上がることがあるのですがM&A絡みは分からないことが多く私は敬遠しています。ディーバはこれから調査予定 =)。

ソフトウェア・サービスの同業他社である3794NDソフトウェアは、受注状況が良いらしくチョットした相場になっていますね。このセクターですと9746TKCあたりが好みなのですが、中小企業の景気動向を受けてかやや厳しい経営状況のようです。悪くは無いんですけどね。

景気が悪くなると真っ先に削られるのが設備投資であり、ソフトウェアはその際たるものです。また個別の受注状況は全体とシュリンクしませんので突然上昇気流に乗ったり倒産したりします。危うい点が少なくないので注意して売買した方が宜しいかと思います。

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