<今年1年間の本欄を振り返る> ('11/12)
<今年1年間の本欄を振り返る>
2011年は大変悲しい出来事の多い年になってしまいましたが、当ファンドはこれまでのところ良好な運用成績となっています。今回は、今年本欄で取り上げた銘柄のその後の株価動向を主観的に評価してみます。
1月 <成熟分野でも成長の途はある> エレコム(6750)…◎
2月 <危機からの復活> 日本ERI(2419)…○
3月 <インドで成功した中堅企業> 日精エー・エス・ビー機械(6284)…×
4月 <震災後の投資戦略> 銘柄紹介なし
5月 <外食業界における付加価値の創造> ブロンコビリー(3091)…○
6月 <普通の小売業に近づく調剤薬局> クオール(3034)…◎
7月 <安定成長業界が評価される時> 銘柄紹介なし
8月 <系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカー> イリソ電子工業(6908)…△
9月 <成熟分野でも成長の途はある~その2> MCJ(6670)…△
10月 <日系半導体製造装置メーカーの反撃> レーザーテック(6920)…○
11月 <中古車業界の事業環境は良好> プロトコーポレーション(4298)…△、ケーユーホールディングス(9856)…△
※ 月表示は作成日によります
今年の投資環境は厳しいものでしたが、一方で小型株に関しては地道な調査活動が報われやすい年でもあったと感じています。来年以降も良好な運用成績を残せるよう、引き続き幅広い調査活動に注力する方針です。
これは全部読みたいぞ。
<中古車業界の事業環境は良好> ('11/11)
<中古車業界の事業環境は良好>
中古車業界は上場企業が少なく、株式市場ではあまり知られていない分野です。公的な統計も移転登録台数や通関実績程度しかなく、業界実態はなかなか見えてきません。今年10月までの累計移転登録台数は前年同期比5%減で、一般的には厳しい状況が続いていると言われがちです。しかし、関連企業の業績は全般に好調であり、上場企業には業界内の勝ち組が多いことを差し引いても、業界全体の収益環境はむしろ良好だと判断しています。
今年度の中古車業界に最も大きな影響を与えた出来事は、言うまでもなく東日本大震災です。震災後はまず被災地で中古軽自動車の需要が増加し、全国の在庫から買われて行きました。また、半導体工場の被災に起因する新車生産の減少により、買い替えに伴う中古車の供給が減少する一方で需要は増加し、結果として販売価格は上昇しました。加えて、在庫の販売が好調だったため、中古車販売店の利益率は改善しました。
一方、買取業者は台数面では苦戦しましたが、消費者の想定する買取価格の上昇が緩やかだったため、低価格で買い取り高値で転売することで利幅を拡大することができました。オークション業者も、出品台数は伸び悩んだものの販売店の仕入意欲が強まったことから成約率が上昇し、業績は堅調に推移しました。また、価格上昇と円高という悪材料が重なったにもかかわらず、資源価格の高騰で潤うモンゴルや輸入規制の緩和されたスリランカ等に対する輸出も好調でした。
今後は新車生産の回復により買い替えが進み、中古車供給台数は増加するでしょう。しかし一方で、業界全体に資金状況が改善したため、販売価格の低下はしばらく緩やかなものにとどまると予想します。当ファンドでは情報媒体「goo」を手がけるプロトコーポレーション(4298)と販売店のケーユーホールディングス(9856)に投資していますが、今後良好な業界環境の恩恵を受けられると期待しています。
他に中古車関連で有名なのは有数の規模を誇る中古車オークション会場を運営している4732USS、中古バイク買取「バイク王」を経営している3377アイケイコーポあたりでしょうか。9856ケーユーHDなどの販売店ですと在庫等の問題が常にあってアレなのですが、2/9の上方修正で20%程度爆上げしている所を見ると凄い先見性にびっくりなのです。
4298プロトコーポレーションは中古車雑誌「goo」を出版している企業。ここも収益バリューの方にはとても有名な企業なのですが直近の業績が下り気味でやや評価を落としているようです。ここも近いうちに見直しが入る気がします。
こうなると7599ガリバーあたりまでありそうな予感がしますね。
<日系半導体製造装置メーカーの反撃> ('11/10)
<日系半導体製造装置メーカーの反撃>日本の半導体装置の低迷については湯之上さんの「日本「半導体」敗戦」 という著書をぜひオススメしておきたい。
近年、円高だけでなく技術的要因も相まった形で、日本企業の国際競争力が低下しているケースが多く報道されています。半導体製造装置業界でも、花形のステッパーではニコン(7731)が往年の優位性を失い、オランダのASMLの後塵を拝しています。そういった状況下で、ニッチ分野ながら海外の大手企業からシェアを奪っているのがレーザーテック(6920)です。
同社は光学技術を利用した検査装置のメーカーで、半導体用フォトマスク(回路の原版)の材料となる石英ガラスの欠陥検査では圧倒的なシェアを誇ります。しかし、より市場規模の大きいフォトマスク自体の検査は、設計データとの比較検証技術に優れた米国のKLAテンコールが市場の大半を押さえており、同社にとって参入困難な市場でした。
ところが、半導体の回路微細化に伴い、同社にも事業機会が巡ってきました。以前は問題にならなかったフォトマスク使用中に生じる微細な汚れが、半導体の歩留まりに大きな影響を与えるようになってきたのです。韓国の三星電子を始めとする半導体メーカーはこの問題への対策として、フォトマスクの製作時点だけでなく、使用中にも検査を行うようになりました。この用途では同社の強みが生きるため、徐々に半導体メーカーの評価を高め、市場の約1/3を奪うことに成功しました。また、長期的には、紫外線を用いた一層の微細化が可能な半導体生産技術の普及にも期待がかかります。紫外線に対応したフォトマスクは石英ガラスの上に数十層の金属膜を重ねて作られるため、欠陥検査が極めて難しく、検査装置の付加価値が大幅に高まると予想されるためです。この装置の開発は国家プロジェクトにも指定されており、国や関連企業による資金提供のもと、同社が中心となって開発を進める予定です。
6920レーザーテックは開発専門で製造に関してはほぼ自社で扱わない、持たざる経営をしている企業かと思いました。直近の受注は大変好調で株価もそれに反応した動きになっているようです。やや反応が弱めなのはFPD装置も手がけており、確かに直近の状況は良いとは言えないのでそれを心配しているのかもしれません。
投資先という点では、半導体装置の売上の波が大きく一台当たり数億円という規模なので資金繰りが厳しくなる特徴を持っていてやや敬遠されがちです。バカ景気モードになったらここは面白いと思うのですが、今の状況ですと、、、どうでしょうね。
似たところで6337テセック、6134富士機械製造も同じような見方をされます。いずれも財務は悪くないので即死は無いと思いますが即死の多い産業であることは加味しておいてください。
<成熟分野でも成長の途はある~その2> ('11/09)
<成熟分野でも成長の途はある~その2>
今年1月の当コメントで、「成熟分野でも成長の途はある」と題し、パソコン周辺機器業界で個性的な事業展開を進めるエレコム(6750)を紹介しました。その後同社の業績はスマートフォン関連商品の好調を背景に一層拡大し、株価も好調に推移しています。今回は、同社ほど業績が拡大しているわけではありませんが、厳しいパソコン市場の中で一定の利益を上げ続けているMCJ(6670)を取り上げます。
同社グループの中核事業は、1993年に創業されたパソコンベンチャーのマウスコンピューターです。販促をパソコン専門サイト等に絞り込んで経費を抑え、国内大手メーカーに比べ割安な価格を提示することで急成長を果たしました。同様の成長を遂げたベンチャー企業は他にも数多くありましたが、市場の低迷期における在庫管理の巧拙といった経営能力が明暗を分け、同社は同業のユニットコムなどを買収することで群を抜く企業グループとなりました。近年ではヤフーなどの一般サイトにも広告を出稿するようになり、これまで国内大手メーカーの顧客だった一般層の取り込みにも成功しています。また、ディスプレイメーカーのイーヤマのように、海外で高いブランド力を持ち収益を上げている子会社も存在します。
今後、スマートフォンやタブレット端末の性能が高まる一方、パソコン自体はOSやセキュリティソフトの負荷が大きくなったことによる使い勝手の低下が著しいため、市場は縮小傾向をたどると予想しています。しかし、大手メーカーに比べるとまだまだシェアは低く、かつ経営の機動性で優れる同社には、シェア上昇によって業績を維持・拡大させる余地は十分あります。会社予想PER(株価収益率)が5倍台で上方修正期待もある現状は、十分に魅力的と言えるのではないでしょうか。
6670MCJはアキバにあるパソコンショップ「マウスコンピューター」等の親会社になります。PC関連の企業をM&Aで多く組み入れる経営の特徴があります。
私としてはここはあまり面白みが無いというか、難しい銘柄かなと思います。ただ株価としてはやや面白い動きをする特徴があるのでそれはそれでアリな気はします。まあ色々調べてみてよ。
関連銘柄はあることはあるんだけどやっぱりアレ。アレだなあ。
<系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカー> ('11/08)
<系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカー>
日本の自動車部品業界は、基本的に完成車メーカーによる系列の下で成長してきました。系列下の部品メーカーは、主要顧客の販売台数が順調に推移している限りは少ない経営コストで投資リスクを気にせず成長できるという利点がありますが、主要顧客が変調をきたした場合にはリスクヘッジが困難という弱点もあります。それに対し、いくつかの分野で技術力を生かし系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカーも存在します。そういった企業の一つが当ファンドの投資先であるイリソ電子工業(6908)です。
同社は電気回路の接続に用いるコネクターの中堅メーカーですが、自動車向けに強みを持ち、売上高の7割近くをカーナビや自動車の制御回路向けが占めています。特に、電子基板同士を直接接続するタイプのコネクターでは世界的に高いシェアを占めています。
今世紀に入り、同社は日系の完成車・カーエレクトロニクスメーカーだけでなく、欧州系や米国系の顧客にも積極的に営業を行なってきました。長期的な事業戦略の成果により、今期・来期は欧州メーカー向けに相次いで大型製品への採用が決定しています。
日本の完成車メーカーは震災による痛手から急速に立ち直りつつありますが、コスト・性能・デザイン等を総合的に評価した競争力という面では、欧州メーカーや韓国メーカーにかなりの部分で逆転されつつあります。こういった状況では、自動車部品メーカーにも系列を超えて事業を行える力が求められていると言えるでしょう。
6908イリソ電子工業は、独立系自動車部品メーカーです。
元俺の主力 ^^;。電気自動車やハイブリッド車が主力になるにつれ、この手の電子部品の装着数は増えてくると思うのです。自動車関連産業にありがちなのですが、これらの企業は自動車メーカーに安定して部品を供給する契約が負わされます。その代わり安定した価格で買い取ってもらえ、また安全性の必要性により他社からの参入障壁が高い部類に入ります。
株主総会にも出てきたんだがやや愚鈍な面があってこれどうよ?と思うことがあり今は観察に徹している状況。悪くは無いと思う。顧客が自動車メーカーなので投資家に目が向いていないのは自動車部品メーカーにはありがちで投資家としては気分は良くないってのもあるかな。
似た所だと7279ハイレックスコーポレーションも面白いと思う。ここも万年バリュー臭がしないでもないのだがw
<安定成長業界が評価される時> ('11/07)
<安定成長業界が評価される時>
一口に小売業と言っても、景気変動に対する感応度という点では業種ごとに大きな開きがあります。食品スーパーやドラッグストア、ディスカウントショップなどは比較的景気の影響を受けにくいのに対し、百貨店やファッション衣料などは景気に左右されがちで、総合スーパーやホームセンターはその中間と言えるでしょう。当ファンドでは、ほぼ一貫して景気の影響を受けにくい業種を中心に組み入れを行なってきましたが、今年度に入ってそれらの銘柄の多くが大幅に上昇し、運用成果に貢献しています。
どちらかというと地味なこれらの業種が株式市場で注目を集めることは、必ずしも多くはありません。順調に業績が推移していても、他により目立つ業界が存在すれば、投資家に無視されてしまうこともしばしばあります。そうした場合、利益自体は安定的に成長しているため、株価との関係による割安度は徐々に増していきます。
最近、これらの業種が再評価されているのは、どちらかと言うと消去法的な意味合いが強いと考えています。確かに、震災後の食品スーパーにおける特売の減少、ドラッグストアの花粉症や猛暑への対策需要、100円ショップの震災と猛暑への対策需要といった短期的な業績押し上げ効果も働いていますが、それ以上に世界的な経済リスクの高まりの中で、安定的な利益成長と割安度に対する評価が高まったという側面の方が強いでしょう。
依然としてこれらの業種に割安感は残っていますが、今下半期以降はこれまでの業績押し上げ効果の剥落に伴う反動が予想されることもあり、更に組入比率を高めるのはリスクが伴うと判断しています。特に上昇率の高かった銘柄については一部利益確定も行いつつ、株価の再評価が遅れているサービス業や物流業の安定成長企業に投資対象をシフトすることも考えています。
確かのその通りだと思う。いやー見誤ったね、俺w。
今後も震災関連で成長できる内需は多いのではないか。今は外需や製造業の先が見えない状況なので資産の退避という点でも再評価が進んでいるのだと思う。
まあどの道、製造業に片足を入れた投資に大きな変更は無いのだが、ポートフォリオとしては内需に傾いているかな。何せ安定しているのに割安とか、面倒な投資アイディアを練る必要性が今は無いとも。
考えすぎイクナイ!
<普通の小売業に近づく調剤薬局> ('11/06)
<普通の小売業に近づく調剤薬局>
調剤薬局業界は、1980年代以降、国の医薬分業政策によって作られた業界です。参入業者には製薬会社の元営業マン、臨床検査会社、医療材料商社など病院関係者が多く、病院の門前に店舗を構え医師の方を向いて営業を行えば顧客は自動的に獲得できるという体質が根深くありました。しかし、近年は特定の病院に依存しないドラッグストア併設の調剤薬局が増加したことなどにより、接客の要求レベルが上がるなど、徐々に普通の小売業に近い競争環境が整いつつあります。この構造変化に対して、門前薬局の側にありながら積極的に対応をしている企業がクオール(3034)です。
同社の会社案内資料を見てまず気付くのは、同業他社とは一線を画す垢抜けたロゴや店舗内装です。また、薬剤師によるサービスの質についても、具体的な記述がより多く見られます。同社は技術面だけでなく接客面をも強化するため、コミュニケーションスキルやメイク指導などの研修メニューを積極的に取り入れています。さらに、こういった特徴を顧客や薬学生に伝えるためのイメージ戦略についても、創業当初から意識的に行なってきたと中村社長は上場時にコメントしました。
薬学部の6年制移行を見据え一昨年に先行採用した薬剤師が戦力化してきたことや、医薬品卸の競争激化により、前期・今期の業績は大幅増益が続くと予想されます。また、中長期的な視点でも、顧客が自分の価値観によって調剤薬局を選択する動きがますます進んでいけば、同社の同業他社に対する優位性はより高まっていくと考えています。
3034クオールは、調剤併設ドラッグストアということで一部の投資家にニヤニヤされていた銘柄ですね。
このハイブリッドはなかなかあざとくてですね。調剤薬局は、薬価は一定なので差別化が難しく立地取りでほぼ勝負が決まる産業なんですな。そこでグループ企業の調剤薬局を利用してくれたお客さんにポイントを上げる事で顧客の囲い込みをしたんですな。ポイント乞食がワラワラと移動していくという。
で、資本勝負になるとサービスの低下とかも考えられるわけでそれどうよ?ってことになってめでたく規制が入りましたw (【医療崩壊】調剤薬局ポイントサービス禁止 医療用医薬品の値引き禁止の原則違反で - NAVER まとめ)。
という状況なのでクオールなどの調剤併設ドラッグストアのうまみは消える訳ですが、この業界自体はまだ少しパイが残っています。薬局の分離化は完全に進んでいるわけではなく日本全体の5割程度。病院の建替え等で調剤薬局を外にするケースが多いようです。上記の文章でもあるとおり、
6年制の薬学部の学生がワラワラとやってくる状況ですので、出店速度は更に増すことになるでしょう。数年はアツい産業かなと。
私が推しているのは4775総合メディカル。DtoDとか結構お気に入りなのです =)。直近の株価はアレなんですが長い目で見ておくんなまし。
<外食業界における付加価値の創造> ('11/05)
<外食業界における付加価値の創造>
最近、激安焼肉チェーン店で発生した食中毒事件が問題となっています。事件の本質的な原因は焼肉店と卸業者の知識と倫理の欠如であると思われますが、背景として外食業界における低価格競争の過熱があることも確かです。リーマン・ショック以降、居酒屋と牛丼店を中心に低価格競争が再燃し、質的にこれといった特長を持たない店舗はこの競争にどんどん巻き込まれていきました。しかし、チェーン店でもしっかりと質と価格を維持し、消費者の支持を獲得し続けている企業も存在します。その一例が東海地区を中心に展開するステーキハウスのブロンコビリー(3091)です。
同社は1978年に創業し、90年代に牛肉輸入自由化と円高を背景に低価格路線を採って多店舗展開を果たしました。しかし、2001年の狂牛病問題で客足が遠のき原料価格も上昇したことをきっかけに、高品質路線へと転換します。まず02年にはかつて好評だった豪華なサラダバーを復活し、04年には炭焼き台と大かまどを導入、07年には米を魚沼産コシヒカリの産地契約に切り替えました。トヨタ自動車に牽引された地域経済の好調も手伝い、02年から07年の5年間で、新規出店がわずか3店であったにもかかわらず、既存店の業績改善で経常利益は0.5億円から13億円に拡大しました。
リーマン・ショック後は既存店が減収に転じ、同社もランチに関しては値下げを行いましたが、ディナーの質と価格については頑として従来通りを維持しました。その結果、ランチで獲得した新規顧客が高単価のディナーを利用するという好循環が働き、10年後半には再び売上高が新店を除いても増収に転じました。震災後の期間を含む11年3月においても、既存店ベースで前年同月比 11.4%の増収を達成しています。
ちなみに、同社正社員の平均年収は500万円(平均年令30才)で、地方の外食企業としては相対的に高水準です。高いサービス品質を保つためには、従業員に正当な分配を行うことも必要でしょう。
3091ブロンコビリーは、外食ですね。いやまんまだ。
外食は苦手の分野でしてね。あまりアドバイスが書きにくいのですが、投資するならまず自分の目で口で判断するのが重要かと思っています。そこのサービスを受けてみて、ああこれは流行るに違いないと確信出来るほどなら多分、成功します。
月次、出店速度、同業他社の状況等、加味する条件が多いのが特徴です。外食は参入障壁が低い産業なので、成長期というのが急速でありながら急激に落ちます。成長期と共に株価が上がる傾向にあるのでこれはこれで面白い投資先でしょう。居酒屋は特に景気の影響をもろに受けるのでこの点も注意です。
9936王将フードサービス、7611ハイデイ日高、3395サンマルクあたりが私のヲチ銘柄でしょうか。変な経営者ばかりです =)。
<震災後の投資戦略> ('11/04)
<震災後の投資戦略>
震災の影響に対する当ファンドの基本方針について、もう少し具体的にお話しします。
①いわゆる「復興特需」には乗らない
震災後、建設業を中心に復興事業関連と目される銘柄の多くが上昇しましたが、この動きについていくつもりはありません。確かに今後国費や被災者自身の負担による復興へ向けた支出の増加は見込めますが、一方で被災地以外における予算確保のための公共投資削減や経済混乱・不安心理による設備投資・住宅投資減少も予想されること、復興投資自体もいずれ反動減が確実なことを考慮すると、長期的な企業価値の上昇につながる要因ではないと判断します。建設関連であれば、むしろ節電意識の高まりが中長期的な需要拡大につながる可能性のある設備工事関連企業が有望なのではないでしょうか。
②前期・今期の業績を気にしすぎない
電機・自動車関連では、いくつかの基幹部品の供給が回復していないことにより、産業全体の生産に悪影響が出ています。今夏の電力不足の影響も大きいと予想されるため、7-9月期まで関連企業はフルに実力を発揮できないでしょう。また、生産回復後は、在庫の積み上げや不要不急の支出を抑えることによって、逆に実力以上の利益が出ることもありえます。従って、今期は目先の損益に一喜一憂せず、むしろ個々の企業が属する産業システム全体の国際競争力が失われていないかどうかを見極めることに精力を費やすべきでしょう。
一方、個人消費関連では、4月に入ってすでに自粛ムードの一巡が観測されています。回復の遅れている企業に関しては、個々の業種特性を考慮した上で、慎重な投資スタンスを採る必要があるかもしれません。
この辺はもう総括になっちゃうよね。
短期的な震災特需にはあまり反応が無かった、というか今頃になっておカネが回り始めている状況でしょうか。狙い目ではあろうとは思っていますが、長い目で見るとまあアレですな。設備工事関連となるとファンドのポートフォリオの中では1723日本電技あたりでしょうか。
思ったより業績の悪化を引きずっていない、というのが感想かな。むしろタイ洪水の影響の方が日本の製造業に打撃を与えていたのが特徴的でした。
<インドで成功した中堅企業> ('11/03)
<インドで成功した中堅企業>
中国に続く世界の成長センターとして、インドに対する注目が高まっています。中国と違って人口増加が長期的に続くことや、民主主義が定着していることが評価される傾向にあります。しかし、この国で事業を成功させるのは、日本企業にとって容易なことではありません。電力や交通を始めとするインフラの整備が遅れており、生活環境も悪く、商慣行の面でも中国のようなスピード感がありません。大企業でも成功者はスズキ(7269)、ホンダ(7267)など一部に限られる中で、同国を生産拠点・市場の両面で開拓することに成功した中堅企業が日精エー・エス・ビー機械(6284)です。
同社はペットボトルの成形機に特化した機械メーカーです。どちらかというと小回りの効く低速機を得意としており、規模の大きな先進国の飲料工場ではなく、一般食品の工場や比較的小規模な新興国の飲料工場を主要顧客としています。
同社は創業直後の1980年から海外展開を行なってきましたが、初の海外生産拠点としてインドを選んだのは1997年のことでした。創業者の息子である現社長が自ら乗り込んで工場の立ち上げに努めましたが、操業は困難を極め、生産が軌道に乗るまでに3年以上を費やしました。しかし、同社は粘り強くインド子会社の強化を進め、2001年には同国で一貫生産した低価格機を国内や他の新興国向けに発売しました。現在では、仕様の特殊な先進国の一般食品向けを日本、低価格が求められる新興国の飲料向けをインドで生産する分業体制が確立されており、連結利益の半分を同国で上げる構造を築いています。
政治面・社会面の諸要因を考慮すると、今後もインドが中国のような商売に都合の良い国に変化することはおそらくないと思われます。同国で成功するには、同社のように強い権限を持つリーダーを送り込み、粘り強く事業を続けることが必要条件であると言えるでしょう。
6284日精エー・エス・ビー機械はPETボトルを製造する機械を開発しています。
シェアは業界の2割程度だったかと思います。高い方ではあるのですが圧倒的という程でもない、といったところでしょう。インドの工場は今の所、上手く働いており為替にも強くなっています。PETへの切り替えが進んでいる状況なので、特に新興国でのシェア争いが気になるところでしょうか。
残念ながら直近の受注状況が芳しくなく、株価もそれなりになっています。機械株は景気動向に左右されやすい傾向にあります。今の景気動向では仕方の無い状況かもしれません。受注・受注残を見ても充分間に合うので、決算を見てから判断することをオススメします。
<危機からの復活> ('11/02)
<危機からの復活>
新規公開企業の多くは好業績を背景に上場してきますが、その後しばらくして業界環境の変化などにより急激に業績が悪化するケースもしばしば見られます。しかし、事業自体がきちんとした需要に支えられたものであり、かつ危機を乗り切るだけの企業資質を有していれば、その企業は高い確率で復活できます。その一例が、当ファンドで投資している日本ERI(2419)です。
同社は1999年、それまで自治体のみが行なっていた建築確認業務が民間に開放されたことを受け、初めて設立された民間業者です。同社は業界を主導する形で陣容を整え、2002年に黒字化、2004年に株式上場を果たしました。中小型株市場の好調もあり、2005年には時価総額が 200億円を突破しました。
しかし、同年の11月に姉歯建築士による耐震性能偽装事件が発覚すると、業界は激震に見舞われました。自治体や他の民間業者だけでなく同社が建築確認を行なった物件でも偽装が発見され、業界全体で確認手法に対する疑問が広がりました。施主の発注手控えや業務の混乱により、2006年度には大幅な赤字に転落しました。
事件後、同社は確認体制をより厳格化すると共に、それによるコストアップを料金に転嫁することに注力しました。また、事業の第二の柱である住宅性能評価分野において、瑕疵担保保証・長期優良住宅・住宅版エコポイントといった性能評価を必要とする政策が次々に打たれたことも追い風となり、同社の業績はV字回復し、今期は営業段階の最高益を更新する見込みです。
新規上場時から、同社に対しては極めてまっとうな会社という印象を受けていました。偽装事件が騒がれた当時は民間への建築確認業務開放そのものの正当性を問題にする向きもありましたが、実際には多くの自治体も偽装を見抜けておらず、批判は根拠のないものでした。市場の混乱で倒産した業界第2位(当時)だった企業との対比で見ても、企業資質を見定めることは極めて重要だと感じさせられます。
2419日本ERIは、建築確認を行う企業です。
建築確認というと、姉歯事件でよく取り上げられました。今も事件絡みで訴訟が残っています。2/2に敗訴したらしく株価を大きく下げています。設計が悪意を持ったとき、確認する側がどこまで看過するべきかという難しい訴訟になっています。姉歯事件の生き残りが日本ERIしかいないって所もアレでしょうね。訴訟については、裁判所で判断するしかないでしょう。
今後の日本の建築では必要であることは確信しています。シェアも高いですし、悪くないと思いますよ。株主構成も鉄板でしょう。
日本ERIの元社長、現会長である鈴木さんはよく個人投資家への説明会をやっており私も参加したことがあります。やや体格のいい人たちに守られながら会場入りしたのを思い出しました。大変ですよね色々。
やや外れますが建設関連で2311エプコあたりも面白いと思います。
<成熟分野でも成長の途はある> ('11/01)
<成熟分野でも成長の途はある>
今世紀に入って、パソコン産業はすっかり成熟分野となってしまいました。1990年代にはOSの進歩とインターネットの出現で市場規模が大きく拡大しましたが、2001年のウィンドウズXP発売以降は幅広い層に買い替えを促すOSも現れず、単価の下落だけが続く状況となっています。しかし、周辺分野に目を拡げると、成長の途がないわけではありません。優位なポジションに加え、優れた経営戦略で成長を続けている企業として挙げられるのがエレコム(6750)です。
同社はキーボード、マウス、ラック、ケーブルなど、周辺機器の中でも比較的ローテクな分野に強い企業です。これらの分野は品揃えが重要である一方、単価が低いこともあり価格競争はさほど厳しくありません。同社は量販店の棚割りにおいて圧倒的なシェアを持ち、安定的に収益を上げ続ける基盤を有しています。
また、需要刺激策として、デザインの向上にも力を入れています。中でも、マーブルチョコレートのような外見のイヤホン「サンドリーズ」は好評で、海外でも高い評価を受けました。国内でも、携帯電話やAVといったパソコンとの融合が進む分野への進出に当たって、デザイン性の高さは大きな武器となっています。
単なる機能向上へのニーズ減退という問題は、パソコンにとどまらず情報・通信産業全体に関わる問題となってきています。実際に消費者により大きな満足を与え、市場を拡大し続けるには、こういった周辺分野こそが鍵を握っていると思います。
6750エレコムは、PC関連の小物を開発しています。 私の準主力 =)。
家電量販店でスマホの小物を買おうと思うと、エレコムかバッフォローしか選択肢がありません。本来ならI-O DATAあたりも絡んでいるはずなのですが、どうしちゃったんでしょうかね。種類が多くて無駄打ちが多いように見えますが、それ以上に粗利が高いんですアレ。
他にも比較的、粗利が高いPC小物に手を出しており、在庫リスクの高いPCメモリなどには手を出していません。開発力が高く、正直どうでもいいようなUSB機器やヘンテコ電源タップなの多種にわたって開発しています。最近はスマホのアプリなども手がけており、一体どこに向かっているのかサッパリなのですが、PC関連にリーチしているのでよしとしています。
同業他社はバッファローの親会社である6676メルコホールディングスになります。 業界最大手ですが利益が付いていけていないというか、業績がPCの売れ行きに連動しており利益もやや低いように感じています。経営が改善されればいい銘柄になりそうな予感はするだけに勿体無い。
6916アイ・オー・データ機器も本来は同業他社に挙げられてもおかしくないのですが、低迷が続いています。 2/9に上方修正をして20%程度爆上げしたようですが、上方修正の要因がHDDの高騰による値段改正とまあビミョー。持続力に欠ける。
-----
いやー結構コメントかいちゃったよ。
まあ昔持っていたり今もっていたりする銘柄だったりするので書きやすかったという =)
0 件のコメント:
コメントを投稿