2012年2月20日月曜日

「担当ファンドマネージャーの見方」を集めてみた (2010年版)

大和住銀日本小型株ファンドの月次をネットで拾ってきた =)。まだまだ続くぜ。

<今年1年間の本欄を振り返る> ('10/12)


<今年1年間の本欄を振り返る>
2010年の小型株市場は、リーマン・ショック後の見直し第二波の動きの中で始まり、5月以降は欧州財政危機が深刻化した影響で調整に転じたものの、11月からは第三波の見直しが始まっています。上下を繰り返した市場の中で、当ファンドが注目してきた銘柄の株価動向がどうであったか今年1年を振り返ってみます。
1月  <今年最も投資したい分野は?> ネクスト(2120)…×、エス・エム・エス(2175)…××、ウェルネット(2428)…△、
SBIベリトランス(3749)…△
2月  <自動車部品を買うなら独立系> 遠藤製作所(7841)…○
3月  <セントレックスにも買うべき企業は存在する> 三栄建築設計(3228)…○
4月  <後発医薬品の投資魅力とリスク> 富士製薬工業(4554)…△
5月  <ソフトバンクの好調を支える企業> ベルパーク(9441)…△
6月  <中国でこれから起こること> 銘柄紹介なし
7月  <医療関連サービスは地域密着型が有利> トーカイ(9729)…△
8月  <価格競争は先手必勝> ゲンキー(2772)…○
9月  <政府の電子化を支える企業> ムサシ(7521)…○
10月  <データセンターにもニッチは存在する> さくらインターネット(3778)…○
11月  <アフリカ人が中古の日本車を直接買う時代> カービュー(2155)…○
※ 月表示は作成日によります
1月に発表した「インターネット関連周辺銘柄押し目買い」は結果として時期尚早でしたが、2月以降の投資アイデアはおおむね好調な結果につながり、当ファンドの運用成績に寄与しました。来年以降も、必ずしも世間の注目を集めていなくとも有望な銘柄を発掘することで、市場全体を上回る運用成績を上げていく所存です。

7841遠藤製作所とかまたビミョーなw。一斉風靡した銘柄が多いが、これ持続力がやや少ない気がするんだがどうなんだろ。


<アフリカ人が中古の日本車を直接買う時代> ('10/11)


<アフリカ人が中古の日本車を直接買う時代>
2000年代に入って、新興国の経済成長を背景に日本からの中古車輸出が大幅に増加しました。2009年は世界不況の影響に加え、最大の輸入国であるロシアが関税を引き上げたため輸出は急減しましたが、2010年に入り再び増加に転じています。この成長分野で独自の地位を築いているのがカービュー(2155)です。
同社は1999年に開設されたインターネット自動車情報サイトを運営しています。ネット上では老舗として業界トップクラスの利用者数を集めていますが、広告媒体としてはあまり高い掲載料を設定することができず、収益的には中古車買取業者への見込客誘導に頼る構造が続いていました。そこで、第二の柱として2004年に開設されたのが輸出向け中古車サイト「トレードカービュー」です。
現在、トレードカービューには約1,000社の中古車業者が自社の在庫を掲載しており、世界の買い手から月間約8万件の見積もり依頼がきています。買い手の国籍は、タンザニア、ザンビア、ウガンダなど、旧英国領で左側通行のアフリカ諸国が中心です。これまで彼らが中古の日本車を入手するには、パキスタン人やアラビア人のブローカーを経由するため、多額の中間マージンを支払う必要がありました。しかし、トレードカービューに輸出車情報が集まるようになったため、直接日本の業者から中古車を購入できるようになったのです。
これまでの収益源は中古車業者に対する月額課金だけでしたが、商談の増加に伴い、今期からは見積もり依頼に対する従量課金も開始しました。また、個々の中古車業者よりも信用力のある同社が購入代金を一時的に預かり確実に決済を行う「ペイトレード」も開始し、急激に利用者が増加しています。これらの効果で、今期トレードカービューの利益寄与は中古車買取業者への見込客誘導にほぼ並ぶ見込みです。

2155カービューは上場ゴールの印象しかないなw。確かに海外での成長は著しいものがあるけど、この規模だと低迷といって差し支えの無い状況かなあ。

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<データセンターにもニッチは存在する> ('10/10)


<データセンターにもニッチは存在する>
インターネット利用の増加に伴い、顧客のコンピューターを預かりまとめて専用施設で管理するデータセンターの需要が増加しています。顧客が自社でコンピューターを保有せず、インターネットを介して他社が提供する情報サービスを利用する「クラウド・コンピューティング」の普及も、データセンターの需要拡大に拍車を掛けると予想されます。
データセンターの業務内容は、ビルを確保して電源・空調・通信回線を整備し顧客にスペースを貸し出すという単純なものであるため、企業体力や交渉力に勝る大企業に有利な事業と言えます。しかし、より付加価値が加われば、小回りの効いた新興企業が競争力を発揮することも十分可能です。そういった事業戦略を実践しているのがさくらインターネット(3778)です。
同社はインターネットの普及初期である1996年、当時高専の学生であった田中社長らによって草の根的に創業されました。インターネットの普及に伴い成長を遂げ、2005年に上場を果たしましたが、その頃から単純な場所貸し事業は価格競争が厳しくなり、収益性が低下しました。この変化に対し、同社は当初システム構築やゲームへの事業多角化による成長維持を志向しましたが、失敗に終わりました。
そこで同社は、熟練度の高い保守要員と機能を絞ってコストを引き下げた自社設計のコンピューターを武器として、単なる場所貸しだけではなく、コンピューターの提供・運用やより割安な共用サービスに注力する方向に転換しました。この戦略が奏功し、2009年3月期から業績はV字回復を示しています。
同社は現在、北海道石狩市の工業団地に低コストのデータセンターを建設中です。場所貸し用のデータセンターは顧客の保守要員が短時間で駆けつける必要があるため首都圏に集中していますが、共用サービス用のセンターであれば不動産価格の低い地方が有利です。建物が低層のため基礎工事が簡単、気温が低いため空調コストが安い、風力発電による自家発電も可能など利点は多く、同社の中期的成長に資することが期待できます。

3778さくらインターネットは、レンタルサーバーの老舗です。

創業者のオンラインゲーム事業がとてもアレで会社が傾きかけたのですが、その後、原点回帰しレンタルサーバー事業を確実に伸ばしており、双日との資本提携、石狩に新しいデータサーバーを建設などで順風満帆。現状だと割安感はあまりないかな。

同業他社だと同じくレンタルサーバー事業の3633paperboy&co.、iDC事業の3811ビットアイルあたりでしょうか。安定した成長が期待できる分、やや割高である傾向にあります。


<政府の電子化を支える企業> ('10/09)


<政府の電子化を支える企業>
社会保険庁を巡る一連の問題は、いかに紙ベースのデータが混乱を生じやすく、その処理に時間と費用がかかるかということを浮き彫りにしました。現在、政府の各方面では、事務処理の効率化と正確性の向上を目指し、様々な電子化の取り組みが行われています。その動きを支える企業の一つがムサシ(7521)です。
同社はもともと紙問屋でしたが、積極的に周辺分野へ進出した結果、現在では情報記録システム、印刷資機材、紙幣処理機器、選挙機材といった幅広い事業領域を手がけています。以前は国政選挙の有無が最大の業績変動要因となっていましたが、前期には情報記録システム事業が急拡大し、収益構造が一変しました。
同社の情報記録システム部門は、かつてはマイクロフィルムが中心的な取扱商品でしたが、近年はデジタル化されたデータベースの構築に比重が移り、膨大な人手を要するデータの移管作業についても請け負うようになっています。昨年度は、2009年6月の公文書管理法成立を契機に中央官庁が保存文書のデジタル化を開始し、同社業績に8月の衆議院選挙を上回る恩恵をもたらしました。今年度の会社予想は特需の反動減を前提としていますが、実際にはデジタル化に着手する官庁は増加しており、大幅な上方修正が期待できると判断しています。
政府が管理する文書の膨大さを考慮すると、デジタル化の動きは1~2年で峠を越すものではなく、数年間にわたって注目されるテーマになり得ると予想しています。現在、同社の株価は極めて低水準に放置されており、良好な投資タイミングと言えるのではないでしょうか。

7521ムサシは、選挙銘柄で有名。文章電子化という点で注目の様子。

当時はやや割安感があったんだけど今はどうだろう。ちょっと話を広げるのは無理っぽい。


<価格競争は先手必勝> ('10/08)


<価格競争は先手必勝>
投資家の立場からすると、小売店の価格競争は歓迎できることではありません。しかし、差別化の難しい生活必需品を扱う企業にとって、競争環境によっては安売りを避けて通れないこともあります。その場合、大事なことは競合相手に先んじて大幅な値下げを行い、消費者に安さを強く印象付けることです。他社が追随して価格を引き下げても、その引き下げが自社をはっきり上回るものでない限り新たな驚きは無く、奪ったシェアを維持できることが理由です。この鉄則を実践してみせたのが、福井県を地盤とするドラッグストアのゲンキー(2772)です。
ドラッグストア業界は、昨年秋までは新型インフルエンザに対する警戒感などにより活況を呈していましたが、年末頃からその反動で売上高が伸び悩み始めました。さらに、昨年の冷夏の影響で今年は花粉飛散量の減少が予想され花粉症関連売上も苦戦すると見られていたため、同社は競争激化が不可避と判断し、昨年12月から食品を中心とする日替わり特売のテストを一部店舗で開始、2月からは全店に拡大しました。
その結果、同社の既存店ベースの増収率は2月から急回復し、6月からは前年同月比で二桁の増収を記録しています。値引きのため粗利率は22%前後から20%台に低下し、チラシ等の販売コストも増加しましたが、仕入元からのリベートを加味した経常利益ベースでは大幅な増益となっています。
差別化の困難な業界で企業が勝ち抜くためには、こういった素早い経営判断を積み重ねることが必要と言えます。当ファンドでは、各社の経営の質を見定めるため、今後も幅広い企業取材を続けていきます。

2772ゲンキーは、地方を地盤とするドラッグストアーです。

数多くの同業他社があって、全国制覇を目指している傾向にあります。その中には大きな資本に吸収されたりしてナカナカ面白い業種であります。月次を見るとどの銘柄も上昇気味ですので、株価も徐々に上がっていくかもしれませんね。

全国制覇を目指している9989サンドラッグ7649スギHDよりも地方を地盤としたドラッグストアーの方が買収される可能性が高く、買収にあってはプレミアが付くかもしれません。面白いと思いますよ。


<医療関連サービスは地域密着型が有利> ('10/07)


<医療関連サービスは地域密着型が有利>
当ファンドは、内需型で景気の影響を受けにくい業種として医療関連サービスに注目しており、その中でも組入比率の最も高い銘柄がトーカイ(9729)です。同社は地方企業で株式の流動性も低いため注目している投資家はけっして多くはありませんが、もっと評価されるべき企業だと考えています。
同社は医療福祉・衛生関連のサービスを幅広く手がけており、利益の中心は病院寝具洗濯、介護用品レンタル、調剤薬局の3事業です。また、現時点での利益寄与はそれほど大きくありませんが、看護補助や手術着の滅菌処理、病院内の物品管理受託といった新規事業も育成しています。
同社の戦略面での特徴は、いたずらに全国展開を急がず、地元の岐阜県・愛知県を中心に地続きでの地域拡大を図っている点です。人材の円滑な採用や異動、適切な給与設定、きめ細かな指導・管理を行う上で、地域拡大を急ぐことは大きなマイナスとなる可能性があります。医療関連サービスはやるべきことがある程度決まっている分野であり、差別化のポイントは「人がすべて」と言えるため、同社の戦略は正しいものと評価しています。
地域密着のメリットを生かし、調剤薬局部門の前期の営業利益率(本社費用控除前)は約9%と、全国展開を行なっている大手を上回っています。今期会社予想では薬価差益の縮小を見込み、当部門は減益とされていますが、調剤報酬改定の内容などを考慮すると実際には増益となる公算が高いと判断しています。病院寝具洗濯部門でも、昨年稼動した新本社工場が今後収益化していくため、中期的に利益成長が続くと予想しています。

9729トーカイは、どうも優待のイメージしかないなw。売上の上昇が他の銘柄より緩やかなのは方針なんですね。

東証IRフェスタ2012に出展予定らしいので色々聞いてきますかね。


<中国でこれから起こること> ('11/06)


<中国でこれから起こること>
中国経済は約20年間にわたって急成長を続けてきましたが、ここへ来て様々なひずみが拡大してきました。不動産市場は急激なバブルと政府の引き締めによる下落を繰り返しています。生産設備に対する投資も急拡大していますが、多くの産業で生産能力は大幅な過剰になっていると推測されます。そして、かつては無尽蔵とも感じられた労働力についても、華南地域を中心に逼迫感が強まっており、ホンダやフォックスコンのように労働運動が先鋭化し大幅な賃上げを強いられる例も増えてきました。
労働者の賃金上昇については、基本的に正しい流れと考えています。これまでの中国経済は、農村における余剰労働力の存在が賃金の頭を抑えていたため労働分配率が低く、資本形成が消費を上回るいびつな構造になっていました。今後は、労働者の購買力上昇により消費主導の安定的な経済成長に移行することが期待されます。
賃金上昇に対応するため、企業は設備投資の目的を増産から自動化へシフトしていくと予想されます。今年に入って、日本の機械・重電産業の中国向け輸出は急増していますが、単なる増産設備は反動減のリスクを考慮すべき状況であるのに対し、ロボットやセンサーなどの自動化設備は中期的に成長が続く可能性があると判断しています。
ただし、自動化ラインを効率的に設計し、製品の品質を安定させる力を一般の中国企業が持っているかどうかは疑問です。これまで人海戦術による生産と海外からの技術導入に頼り、人材の定着率も低いため、現場の生産技術に精通した技能者が十分には育っていないと推測されるためです。組織的に自動化ラインの設計・組替を行い、市場に受け入れられる製品を生産し続けるノウハウを獲得するため、中国企業が日本の同業者を買収することも今後増える可能性があると考えています。


<ソフトバンク(9984)の好調を支える企業> ('11/05)


<ソフトバンク(9984)の好調を支える企業>
ここ数年、日本の携帯電話業界が元気を失った中で、業界第3位のソフトバンクモバイルが一人気を吐く状況が続いています。料金政策の透明性や通話品質の安定性、企業としての財務面に課題を抱える状態ではあるものの、iPhoneに代表される革新的な端末の導入や消費者に伝わりやすい広告、積極的な営業戦略などにより、加入者の増加幅では大半の月間で首位となっています。同社の営業戦略の中で、重要な地位を占める企業がベルパーク(9441)です。
ソフトバンク販売代理店の中で注目されがちなのは光通信(9435)ですが、同社が販売奨励金を原資として新規加入者を獲得することに長けているのに対し、ベルパークはソフトバンクショップ運営会社最大手として、顧客をソフトバンクのファンにすることが要求されています。従業員のレベルが高いため、ソフトバンクが新たな料金プランの実験を同社店舗で行うこともある模様です。
同社は昨年パナソニックテレコムのソフトバンクショップ部門を買収し、業容を大幅に拡大させました。そのタイミングにソフトバンクの販売奨励金積み増しやiPhone 3GSの発売などが重なり、2009年の営業利益は前年の2.5倍に拡大しました。2010年に関して会社側は減益予想を発表していますが、1-3月期の営業利益は前年比で倍増しており、実際には上方修正となる公算が高いと判断しています。
同社の収益がソフトバンクの営業政策次第で大きく左右されることは否定できません。中期的には、ソフトバンクが販売したiPhoneがNTTドコモでも利用できるようになる可能性があることもリスク要因と言えます。しかし一方で、iPad発売や課題である通話品質の向上に向けた設備投資の増強など、依然としてソフトバンクが最も勢いのある携帯電話会社であることも事実であり、低PER(株価収益率)であれば投資対象となり得る企業と評価しています。

9441ベルパークは携帯販売を手がける企業。iPhone特需を狙ってのことでしょうか。

確かに当時、その手のアレが結構狙い目でその時にベルパークも挙がっていた記憶は残っています。生かすも殺すもソフトバンク次第。


<後発医薬品の投資魅力とリスク> ('11/04)


<後発医薬品の投資魅力とリスク>
医療費抑制の切り札として、特許が切れた新薬と同じ成分で作られた後発医薬品が注目されています。後発医薬品は、研究開発や医師に対する情報提供の費用負担が軽く、安価に販売できることがその理由です。さまざまな政策の後押しもあり、後発医薬品市場は拡大傾向にありますが、その普及速度は一部の推進派の人たちが期待したほどではありません。
普及が進みにくい最大の理由は、後発医薬品メーカーに対する信頼感が必ずしも高くないことです。薬の種類によっては、新薬メーカーとの製造技術の違いから成分は同じでも吸収速度などが異なる場合があり、医師が処方をためらう理由となっています。また、安定供給に対する不安も払拭されていません。現行の薬価制度では、後発医薬品の方が薬価引き下げのペースが速くなりがちなこともこの不安に拍車を掛けています。
現在のところ、政府はさまざまな形で後発医薬品に対する優遇制度を打ち出し、なんとか普及を加速しようとしていますが、こういった政策がいつまで続くのかは不透明です。むしろ、単に特許切れ新薬の薬価を大幅に引き下げることで、強引に薬剤費を引き下げるという考え方も浮上しています。大手後発医薬品メーカーは株式市場で高い評価を受けていますが、後発品市場全体が抱えるリスク要因を忘れるべきではないでしょう。
当ファンドでは、大手後発医薬品メーカーよりも、ホルモン剤と造影剤というニッチ分野に特化し、豊富な利用実績を積み重ねてきた富士製薬工業(4554)に注目します。利用実績が豊富であれば、仮に後発医薬品の推進政策が後退したとしても、純粋な市場原理によってシェアを高め続けることが可能と考えるからです。


<セントレックスにも買うべき企業は存在する> ('11/03)


<セントレックスにも買うべき企業は存在する>
現在、新興市場が割安で放置されている要因としては、かつての市場活況時に質の低い企業が大量に上場し、その後の業績悪化や不祥事等で市場全体のイメージを悪くしたことが挙げられます。特に、名証セントレックスは他の新興市場よりも審査が緩かったことから、他市場での上場が困難だった企業が多く流入し、結果として多くの投資家に見放される状況に陥りました。しかし、個別に上場企業を見ていくと、投資に値する企業も存在します。そのうちの一社が三栄建築設計(3228)です。
同社は東京都西部を地盤とする戸建住宅の建売業者です。同業の上場企業としては一建設(3268)、東栄住宅(8875)、飯田産業(8880)、アーネストワン(8895)、タクトホーム(8915)といった飯田グループに属する企業が目立っていますが、彼らが規格型住宅を大量施工することによってコストを引き下げるビジネスモデルを採っているのに対し、同社は地域のニーズや地型に合わせ、一棟ごとに異なる設計をしている点が特徴です。
飯田グループ各社は90年代末から急成長を開始しましたが、2007年ごろからはグループ内や同グループを模倣した企業との用地仕入競争が激化し業績を悪化させました。その後の不動産融資規制によって用地価格が反落したため、現在は各社とも業績が回復していますが、再び仕入競争が激化する懸念は払拭できません。それに対し、同社は規格型住宅の建てられない変形地やローコスト住宅では釣り合わない高級住宅地も開発対象にできるため、仕入競争による業績悪化は小幅にとどまり、業界環境が好転した現在は飯田グループ各社よりも一歩早く用地仕入を拡大しています。
現在の株価は、知名度の低さや市場イメージの悪さから、会社予想PER(株価収益率)4倍台という低評価にとどまっています。しかし、投資家がより広く投資対象を求めるようになる、あるいは同社が他市場に上場すれば株価水準は一変するのではないでしょうか。


<自動車部品を買うなら独立系> ('10/02)


<自動車部品を買うなら独立系>
各国の需要刺激策や新興国の景気回復により、自動車産業はようやく立ち直ってきました。来年度も、一部で刺激策が縮小されるものの、まずまず堅調な需要が見込まれます。しかし、中長期的に見ると、日本の自動車産業は大きな課題を抱えていると言えます。
まず、利幅の大きい高級車に関しては、回復が限定的と見られることです。高級車の最大の市場であるアメリカでは過剰消費体質が是正されつつあります。一方、今後最も大きな成長が期待される新興国の中間層が購入するのは、利幅の薄い低価格車が中心と予想されます。また、国内生産の高コスト体質も問題です。現在の為替レートでは、低価格車の輸出で利益を上げるのは困難と見られます。さらに、労働市場に対する規制強化で雇用の柔軟性が低下することにより、各社は海外生産比率の拡大を余儀なくされるでしょう。長期的視点では、電気自動車の技術向上が産業構造を一変させるリスクもあります。
産業全体として上記のような課題を抱えているため、当ファンドの投資対象となる小型の自動車部品業界に関して言えば、特定完成車メーカーに依存している企業のリスクは大きいと判断しています。海外展開をすでに完了させている大手部品メーカーであれば新規顧客の獲得といった戦略も可能ですが、系列に依存しそこそこの利益を上げてきた企業に関しては、顧客の海外調達が進めば淘汰される事も覚悟しなくてはなりません。
むしろ、投資対象として魅力があるのは、ニッチ分野で幅広い顧客を持つ独立系企業や、海外で日系自動車メーカーとの取引に参入した他分野の企業でしょう。例えば、当ファンドの投資対象である遠藤製作所(7841)は、ゴルフクラブのヘッド製造でタイに進出しましたが、鍛造技術の高さが認められ、現在では自動車部品の売上構成比が上がっています。リスクの高い国内生産拠点を持たず、成長性の高い新興国でのみ自動車部品の生産を行なっていることは、今後高く評価される可能性があると考えています。


<今年最も投資したい分野は?> ('10/01)


 <今年最も投資したい分野は?>
インターネット関連の銘柄は、市場の雰囲気で一方向に動きやすい傾向が他の業界よりも顕著です。90年代末のITバブル期には内容の劣る企業も含めて異常なほどの高値まで買い上げられ、バブルが崩壊すると逆に確固たる成長基盤を築いていたヤフー(4689)、楽天(4755)まで将来性を全く無視した安値にまで売り込まれました。2000年代半ばには、ネット取引を介した短期売買の個人投資家が大量に株式市場へ参入したことによってライブドアを始めとする銘柄が急速に買い上げられましたが、当時の同社堀江社長が逮捕されたライブドア・ショック以降はやはり大半が急落し、一昨年のリーマン・ショックまで業界全体が市場から評価されにくい雰囲気が続いていました。
リーマン・ショック以降は、相対的に成長性が高く世界的金融危機の影響も直接的には受けない業種として、業界全体の再評価が始まりました。しかし、2009年半ばからグリー(3632)などが展開する主に携帯電話を用いた追加課金型ゲームの収益性と成長性が確かになってくると、市場の注目はこの分野で成功を収めつつある銘柄に一極集中するようになり、一方で他分野の中堅ネット企業はむしろ反落するものも多くなりました。
確かに、追加課金型ゲームの有料ユーザーは依然として急速な拡大を続けています。現在成功している企業群を見ると、お金を使わせる仕掛け作りやマーケティングの戦略などの面で、評価すべき点は数多くあります。しかし、当ファンドでは潜在的な競争者が今後次々に現れてくる中で、現在の高収益を維持できない企業も出てくるのではないかと予想しています。
そういった観点から、当ファンドではむしろ不動産情報のネクスト(2120)、看護・介護求人のエス・エム・エス(2175)、決済接続サービスのウェルネット(2428)、SBIベリトランス(3749)といった、地味ながらも専門的なサービスを提供する企業に注目しています。市場の注目がゲーム系の企業に一極集中している状態が解消されれば、これらの銘柄に資金が流入する可能性は高いと判断しています。

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