2012年2月20日月曜日

'12/01の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。1月はパッケージソフト銘柄。

【担当ファンドマネジャーの見方】
<企業向けパッケージソフトは不況にも強い>
リーマン・ショックで企業のシステム投資意欲は低下しましたが、その後の景気回復期にも回復することなく現在に至っています。かつては定期的に基幹システムの刷新を行なっていた企業が、システムの完成度が向上したことやコスト意識の高まり、経営姿勢の萎縮といった要因で、「使えるものはそのまま使い続ける」という方針に転換しているためです。その結果、データ容量の拡大に対応するための機器需要などは比較的堅調ですが、システム開発を手がけるソフトウェア会社の稼働率は低水準で推移しています。
こういった状況下では、システム刷新の有無にかかわらず一定の収入を得られる企業が相対的に有利です。その点で、受託開発を中心とするソフトウェア会社よりは、優れたパッケージソフトを持ち、バージョンアップやトラブル対応の対価として保守料を徴収している会社の方が投資対象として魅力的と言えます。当ファンドでは、以下のようなソフトウェア会社に投資しています。

1stホールディングス(3644)…帳票作成ソフトで50%近い国内シェアを持つ企業。経営情報編集ソフトでも中堅企業向けに独自の展開を進めています。売上高に占める保守料の比率は44%に達しています。

ソフトウェア・サービス(3733)…電子カルテで富士通に次ぐ第2位。宮崎社長の強烈なリーダーシップのもと、多くの病院を確固たる支持者としています。ソフトウェア売上高に占める保守料の比率は34%です。

ディーバ(3836)…連結会計ソフトの大手。同社も経営情報編集ソフトに参入しています。売上高に占める保守料の比率は44%に達しています。


この分野、懐かしいですね。既にMBOしてしまったワークスAPという経営者がアレな銘柄があったのですが、私の買値を超えることなく市場から出て行き実に面白くない印象があります =)。

特徴は以下の通り。

  • フロー型とストック型が並存する業務形態
    設備投資として受注を受けて納品(フロー型)、納品後、年間メンテナンス契約を結びシステムの更新を行います(ストック型)。規模が大きくなればなるほど販売管理費の割合が減る傾向にあるので売上重視になる場合が多いようです。
  • 完全受注型と汎用パッケージ型
    完全受注型の場合、顧客の細かい要望に応えるために特注になり効率は良くありません。汎用パッケージの場合、業務の細かい部分の変更には応じにくいですが、顧客全てに対して同一サービスを提供できるため1パッケージあたりのコストは安めになります。景気が良いときは受注型や自社開発が好まれ、景気が悪くなるとパッケージ型が見直される傾向があります。
  • 受注単位が高く納期が長い
    数百万~数億と範囲が広い特徴がありますが他のサービス業と比べ、単位が高い傾向にあります。景気動向により受注取り消しなどの負い目を負いやすいです。受注を受けてから納品するまでに3ヶ月~6ヶ月、長くなると1年以上という場合もあります。納期が長くなるとその間の景気動向によって大きな損失が計上されることもあります。業績の上下が激しいところは注意が必要でしょう。
  • 会計が胡散臭いw
    売上と認識する時期がバラバラであったり、資産としては価値が望めないものがB/Sに計上される傾向があります。ソフトウェア業で信用できるものは現金位です =)。

3733ソフトウェア・サービスは結構長く持っていました。

ソフトウェア業には珍しく月次を公開しています。最近('12/02)の月次動向はあまり宜しくなく受注残を消化し売上を計上している状況にあるようです。このままですと来期あたりはかなり厳しいかもしれません(って今日(2/20)の株価爆上げじゃねえかw意味が分からん)。1stは、TLで話題に上がることがあるのですがM&A絡みは分からないことが多く私は敬遠しています。ディーバはこれから調査予定 =)。

ソフトウェア・サービスの同業他社である3794NDソフトウェアは、受注状況が良いらしくチョットした相場になっていますね。このセクターですと9746TKCあたりが好みなのですが、中小企業の景気動向を受けてかやや厳しい経営状況のようです。悪くは無いんですけどね。

景気が悪くなると真っ先に削られるのが設備投資であり、ソフトウェアはその際たるものです。また個別の受注状況は全体とシュリンクしませんので突然上昇気流に乗ったり倒産したりします。危うい点が少なくないので注意して売買した方が宜しいかと思います。

「担当ファンドマネージャーの見方」を集めてみた (2010年版)

大和住銀日本小型株ファンドの月次をネットで拾ってきた =)。まだまだ続くぜ。

<今年1年間の本欄を振り返る> ('10/12)


<今年1年間の本欄を振り返る>
2010年の小型株市場は、リーマン・ショック後の見直し第二波の動きの中で始まり、5月以降は欧州財政危機が深刻化した影響で調整に転じたものの、11月からは第三波の見直しが始まっています。上下を繰り返した市場の中で、当ファンドが注目してきた銘柄の株価動向がどうであったか今年1年を振り返ってみます。
1月  <今年最も投資したい分野は?> ネクスト(2120)…×、エス・エム・エス(2175)…××、ウェルネット(2428)…△、
SBIベリトランス(3749)…△
2月  <自動車部品を買うなら独立系> 遠藤製作所(7841)…○
3月  <セントレックスにも買うべき企業は存在する> 三栄建築設計(3228)…○
4月  <後発医薬品の投資魅力とリスク> 富士製薬工業(4554)…△
5月  <ソフトバンクの好調を支える企業> ベルパーク(9441)…△
6月  <中国でこれから起こること> 銘柄紹介なし
7月  <医療関連サービスは地域密着型が有利> トーカイ(9729)…△
8月  <価格競争は先手必勝> ゲンキー(2772)…○
9月  <政府の電子化を支える企業> ムサシ(7521)…○
10月  <データセンターにもニッチは存在する> さくらインターネット(3778)…○
11月  <アフリカ人が中古の日本車を直接買う時代> カービュー(2155)…○
※ 月表示は作成日によります
1月に発表した「インターネット関連周辺銘柄押し目買い」は結果として時期尚早でしたが、2月以降の投資アイデアはおおむね好調な結果につながり、当ファンドの運用成績に寄与しました。来年以降も、必ずしも世間の注目を集めていなくとも有望な銘柄を発掘することで、市場全体を上回る運用成績を上げていく所存です。

7841遠藤製作所とかまたビミョーなw。一斉風靡した銘柄が多いが、これ持続力がやや少ない気がするんだがどうなんだろ。


<アフリカ人が中古の日本車を直接買う時代> ('10/11)


<アフリカ人が中古の日本車を直接買う時代>
2000年代に入って、新興国の経済成長を背景に日本からの中古車輸出が大幅に増加しました。2009年は世界不況の影響に加え、最大の輸入国であるロシアが関税を引き上げたため輸出は急減しましたが、2010年に入り再び増加に転じています。この成長分野で独自の地位を築いているのがカービュー(2155)です。
同社は1999年に開設されたインターネット自動車情報サイトを運営しています。ネット上では老舗として業界トップクラスの利用者数を集めていますが、広告媒体としてはあまり高い掲載料を設定することができず、収益的には中古車買取業者への見込客誘導に頼る構造が続いていました。そこで、第二の柱として2004年に開設されたのが輸出向け中古車サイト「トレードカービュー」です。
現在、トレードカービューには約1,000社の中古車業者が自社の在庫を掲載しており、世界の買い手から月間約8万件の見積もり依頼がきています。買い手の国籍は、タンザニア、ザンビア、ウガンダなど、旧英国領で左側通行のアフリカ諸国が中心です。これまで彼らが中古の日本車を入手するには、パキスタン人やアラビア人のブローカーを経由するため、多額の中間マージンを支払う必要がありました。しかし、トレードカービューに輸出車情報が集まるようになったため、直接日本の業者から中古車を購入できるようになったのです。
これまでの収益源は中古車業者に対する月額課金だけでしたが、商談の増加に伴い、今期からは見積もり依頼に対する従量課金も開始しました。また、個々の中古車業者よりも信用力のある同社が購入代金を一時的に預かり確実に決済を行う「ペイトレード」も開始し、急激に利用者が増加しています。これらの効果で、今期トレードカービューの利益寄与は中古車買取業者への見込客誘導にほぼ並ぶ見込みです。

2155カービューは上場ゴールの印象しかないなw。確かに海外での成長は著しいものがあるけど、この規模だと低迷といって差し支えの無い状況かなあ。

パス!


<データセンターにもニッチは存在する> ('10/10)


<データセンターにもニッチは存在する>
インターネット利用の増加に伴い、顧客のコンピューターを預かりまとめて専用施設で管理するデータセンターの需要が増加しています。顧客が自社でコンピューターを保有せず、インターネットを介して他社が提供する情報サービスを利用する「クラウド・コンピューティング」の普及も、データセンターの需要拡大に拍車を掛けると予想されます。
データセンターの業務内容は、ビルを確保して電源・空調・通信回線を整備し顧客にスペースを貸し出すという単純なものであるため、企業体力や交渉力に勝る大企業に有利な事業と言えます。しかし、より付加価値が加われば、小回りの効いた新興企業が競争力を発揮することも十分可能です。そういった事業戦略を実践しているのがさくらインターネット(3778)です。
同社はインターネットの普及初期である1996年、当時高専の学生であった田中社長らによって草の根的に創業されました。インターネットの普及に伴い成長を遂げ、2005年に上場を果たしましたが、その頃から単純な場所貸し事業は価格競争が厳しくなり、収益性が低下しました。この変化に対し、同社は当初システム構築やゲームへの事業多角化による成長維持を志向しましたが、失敗に終わりました。
そこで同社は、熟練度の高い保守要員と機能を絞ってコストを引き下げた自社設計のコンピューターを武器として、単なる場所貸しだけではなく、コンピューターの提供・運用やより割安な共用サービスに注力する方向に転換しました。この戦略が奏功し、2009年3月期から業績はV字回復を示しています。
同社は現在、北海道石狩市の工業団地に低コストのデータセンターを建設中です。場所貸し用のデータセンターは顧客の保守要員が短時間で駆けつける必要があるため首都圏に集中していますが、共用サービス用のセンターであれば不動産価格の低い地方が有利です。建物が低層のため基礎工事が簡単、気温が低いため空調コストが安い、風力発電による自家発電も可能など利点は多く、同社の中期的成長に資することが期待できます。

3778さくらインターネットは、レンタルサーバーの老舗です。

創業者のオンラインゲーム事業がとてもアレで会社が傾きかけたのですが、その後、原点回帰しレンタルサーバー事業を確実に伸ばしており、双日との資本提携、石狩に新しいデータサーバーを建設などで順風満帆。現状だと割安感はあまりないかな。

同業他社だと同じくレンタルサーバー事業の3633paperboy&co.、iDC事業の3811ビットアイルあたりでしょうか。安定した成長が期待できる分、やや割高である傾向にあります。


<政府の電子化を支える企業> ('10/09)


<政府の電子化を支える企業>
社会保険庁を巡る一連の問題は、いかに紙ベースのデータが混乱を生じやすく、その処理に時間と費用がかかるかということを浮き彫りにしました。現在、政府の各方面では、事務処理の効率化と正確性の向上を目指し、様々な電子化の取り組みが行われています。その動きを支える企業の一つがムサシ(7521)です。
同社はもともと紙問屋でしたが、積極的に周辺分野へ進出した結果、現在では情報記録システム、印刷資機材、紙幣処理機器、選挙機材といった幅広い事業領域を手がけています。以前は国政選挙の有無が最大の業績変動要因となっていましたが、前期には情報記録システム事業が急拡大し、収益構造が一変しました。
同社の情報記録システム部門は、かつてはマイクロフィルムが中心的な取扱商品でしたが、近年はデジタル化されたデータベースの構築に比重が移り、膨大な人手を要するデータの移管作業についても請け負うようになっています。昨年度は、2009年6月の公文書管理法成立を契機に中央官庁が保存文書のデジタル化を開始し、同社業績に8月の衆議院選挙を上回る恩恵をもたらしました。今年度の会社予想は特需の反動減を前提としていますが、実際にはデジタル化に着手する官庁は増加しており、大幅な上方修正が期待できると判断しています。
政府が管理する文書の膨大さを考慮すると、デジタル化の動きは1~2年で峠を越すものではなく、数年間にわたって注目されるテーマになり得ると予想しています。現在、同社の株価は極めて低水準に放置されており、良好な投資タイミングと言えるのではないでしょうか。

7521ムサシは、選挙銘柄で有名。文章電子化という点で注目の様子。

当時はやや割安感があったんだけど今はどうだろう。ちょっと話を広げるのは無理っぽい。


<価格競争は先手必勝> ('10/08)


<価格競争は先手必勝>
投資家の立場からすると、小売店の価格競争は歓迎できることではありません。しかし、差別化の難しい生活必需品を扱う企業にとって、競争環境によっては安売りを避けて通れないこともあります。その場合、大事なことは競合相手に先んじて大幅な値下げを行い、消費者に安さを強く印象付けることです。他社が追随して価格を引き下げても、その引き下げが自社をはっきり上回るものでない限り新たな驚きは無く、奪ったシェアを維持できることが理由です。この鉄則を実践してみせたのが、福井県を地盤とするドラッグストアのゲンキー(2772)です。
ドラッグストア業界は、昨年秋までは新型インフルエンザに対する警戒感などにより活況を呈していましたが、年末頃からその反動で売上高が伸び悩み始めました。さらに、昨年の冷夏の影響で今年は花粉飛散量の減少が予想され花粉症関連売上も苦戦すると見られていたため、同社は競争激化が不可避と判断し、昨年12月から食品を中心とする日替わり特売のテストを一部店舗で開始、2月からは全店に拡大しました。
その結果、同社の既存店ベースの増収率は2月から急回復し、6月からは前年同月比で二桁の増収を記録しています。値引きのため粗利率は22%前後から20%台に低下し、チラシ等の販売コストも増加しましたが、仕入元からのリベートを加味した経常利益ベースでは大幅な増益となっています。
差別化の困難な業界で企業が勝ち抜くためには、こういった素早い経営判断を積み重ねることが必要と言えます。当ファンドでは、各社の経営の質を見定めるため、今後も幅広い企業取材を続けていきます。

2772ゲンキーは、地方を地盤とするドラッグストアーです。

数多くの同業他社があって、全国制覇を目指している傾向にあります。その中には大きな資本に吸収されたりしてナカナカ面白い業種であります。月次を見るとどの銘柄も上昇気味ですので、株価も徐々に上がっていくかもしれませんね。

全国制覇を目指している9989サンドラッグ7649スギHDよりも地方を地盤としたドラッグストアーの方が買収される可能性が高く、買収にあってはプレミアが付くかもしれません。面白いと思いますよ。


<医療関連サービスは地域密着型が有利> ('10/07)


<医療関連サービスは地域密着型が有利>
当ファンドは、内需型で景気の影響を受けにくい業種として医療関連サービスに注目しており、その中でも組入比率の最も高い銘柄がトーカイ(9729)です。同社は地方企業で株式の流動性も低いため注目している投資家はけっして多くはありませんが、もっと評価されるべき企業だと考えています。
同社は医療福祉・衛生関連のサービスを幅広く手がけており、利益の中心は病院寝具洗濯、介護用品レンタル、調剤薬局の3事業です。また、現時点での利益寄与はそれほど大きくありませんが、看護補助や手術着の滅菌処理、病院内の物品管理受託といった新規事業も育成しています。
同社の戦略面での特徴は、いたずらに全国展開を急がず、地元の岐阜県・愛知県を中心に地続きでの地域拡大を図っている点です。人材の円滑な採用や異動、適切な給与設定、きめ細かな指導・管理を行う上で、地域拡大を急ぐことは大きなマイナスとなる可能性があります。医療関連サービスはやるべきことがある程度決まっている分野であり、差別化のポイントは「人がすべて」と言えるため、同社の戦略は正しいものと評価しています。
地域密着のメリットを生かし、調剤薬局部門の前期の営業利益率(本社費用控除前)は約9%と、全国展開を行なっている大手を上回っています。今期会社予想では薬価差益の縮小を見込み、当部門は減益とされていますが、調剤報酬改定の内容などを考慮すると実際には増益となる公算が高いと判断しています。病院寝具洗濯部門でも、昨年稼動した新本社工場が今後収益化していくため、中期的に利益成長が続くと予想しています。

9729トーカイは、どうも優待のイメージしかないなw。売上の上昇が他の銘柄より緩やかなのは方針なんですね。

東証IRフェスタ2012に出展予定らしいので色々聞いてきますかね。


<中国でこれから起こること> ('11/06)


<中国でこれから起こること>
中国経済は約20年間にわたって急成長を続けてきましたが、ここへ来て様々なひずみが拡大してきました。不動産市場は急激なバブルと政府の引き締めによる下落を繰り返しています。生産設備に対する投資も急拡大していますが、多くの産業で生産能力は大幅な過剰になっていると推測されます。そして、かつては無尽蔵とも感じられた労働力についても、華南地域を中心に逼迫感が強まっており、ホンダやフォックスコンのように労働運動が先鋭化し大幅な賃上げを強いられる例も増えてきました。
労働者の賃金上昇については、基本的に正しい流れと考えています。これまでの中国経済は、農村における余剰労働力の存在が賃金の頭を抑えていたため労働分配率が低く、資本形成が消費を上回るいびつな構造になっていました。今後は、労働者の購買力上昇により消費主導の安定的な経済成長に移行することが期待されます。
賃金上昇に対応するため、企業は設備投資の目的を増産から自動化へシフトしていくと予想されます。今年に入って、日本の機械・重電産業の中国向け輸出は急増していますが、単なる増産設備は反動減のリスクを考慮すべき状況であるのに対し、ロボットやセンサーなどの自動化設備は中期的に成長が続く可能性があると判断しています。
ただし、自動化ラインを効率的に設計し、製品の品質を安定させる力を一般の中国企業が持っているかどうかは疑問です。これまで人海戦術による生産と海外からの技術導入に頼り、人材の定着率も低いため、現場の生産技術に精通した技能者が十分には育っていないと推測されるためです。組織的に自動化ラインの設計・組替を行い、市場に受け入れられる製品を生産し続けるノウハウを獲得するため、中国企業が日本の同業者を買収することも今後増える可能性があると考えています。


<ソフトバンク(9984)の好調を支える企業> ('11/05)


<ソフトバンク(9984)の好調を支える企業>
ここ数年、日本の携帯電話業界が元気を失った中で、業界第3位のソフトバンクモバイルが一人気を吐く状況が続いています。料金政策の透明性や通話品質の安定性、企業としての財務面に課題を抱える状態ではあるものの、iPhoneに代表される革新的な端末の導入や消費者に伝わりやすい広告、積極的な営業戦略などにより、加入者の増加幅では大半の月間で首位となっています。同社の営業戦略の中で、重要な地位を占める企業がベルパーク(9441)です。
ソフトバンク販売代理店の中で注目されがちなのは光通信(9435)ですが、同社が販売奨励金を原資として新規加入者を獲得することに長けているのに対し、ベルパークはソフトバンクショップ運営会社最大手として、顧客をソフトバンクのファンにすることが要求されています。従業員のレベルが高いため、ソフトバンクが新たな料金プランの実験を同社店舗で行うこともある模様です。
同社は昨年パナソニックテレコムのソフトバンクショップ部門を買収し、業容を大幅に拡大させました。そのタイミングにソフトバンクの販売奨励金積み増しやiPhone 3GSの発売などが重なり、2009年の営業利益は前年の2.5倍に拡大しました。2010年に関して会社側は減益予想を発表していますが、1-3月期の営業利益は前年比で倍増しており、実際には上方修正となる公算が高いと判断しています。
同社の収益がソフトバンクの営業政策次第で大きく左右されることは否定できません。中期的には、ソフトバンクが販売したiPhoneがNTTドコモでも利用できるようになる可能性があることもリスク要因と言えます。しかし一方で、iPad発売や課題である通話品質の向上に向けた設備投資の増強など、依然としてソフトバンクが最も勢いのある携帯電話会社であることも事実であり、低PER(株価収益率)であれば投資対象となり得る企業と評価しています。

9441ベルパークは携帯販売を手がける企業。iPhone特需を狙ってのことでしょうか。

確かに当時、その手のアレが結構狙い目でその時にベルパークも挙がっていた記憶は残っています。生かすも殺すもソフトバンク次第。


<後発医薬品の投資魅力とリスク> ('11/04)


<後発医薬品の投資魅力とリスク>
医療費抑制の切り札として、特許が切れた新薬と同じ成分で作られた後発医薬品が注目されています。後発医薬品は、研究開発や医師に対する情報提供の費用負担が軽く、安価に販売できることがその理由です。さまざまな政策の後押しもあり、後発医薬品市場は拡大傾向にありますが、その普及速度は一部の推進派の人たちが期待したほどではありません。
普及が進みにくい最大の理由は、後発医薬品メーカーに対する信頼感が必ずしも高くないことです。薬の種類によっては、新薬メーカーとの製造技術の違いから成分は同じでも吸収速度などが異なる場合があり、医師が処方をためらう理由となっています。また、安定供給に対する不安も払拭されていません。現行の薬価制度では、後発医薬品の方が薬価引き下げのペースが速くなりがちなこともこの不安に拍車を掛けています。
現在のところ、政府はさまざまな形で後発医薬品に対する優遇制度を打ち出し、なんとか普及を加速しようとしていますが、こういった政策がいつまで続くのかは不透明です。むしろ、単に特許切れ新薬の薬価を大幅に引き下げることで、強引に薬剤費を引き下げるという考え方も浮上しています。大手後発医薬品メーカーは株式市場で高い評価を受けていますが、後発品市場全体が抱えるリスク要因を忘れるべきではないでしょう。
当ファンドでは、大手後発医薬品メーカーよりも、ホルモン剤と造影剤というニッチ分野に特化し、豊富な利用実績を積み重ねてきた富士製薬工業(4554)に注目します。利用実績が豊富であれば、仮に後発医薬品の推進政策が後退したとしても、純粋な市場原理によってシェアを高め続けることが可能と考えるからです。


<セントレックスにも買うべき企業は存在する> ('11/03)


<セントレックスにも買うべき企業は存在する>
現在、新興市場が割安で放置されている要因としては、かつての市場活況時に質の低い企業が大量に上場し、その後の業績悪化や不祥事等で市場全体のイメージを悪くしたことが挙げられます。特に、名証セントレックスは他の新興市場よりも審査が緩かったことから、他市場での上場が困難だった企業が多く流入し、結果として多くの投資家に見放される状況に陥りました。しかし、個別に上場企業を見ていくと、投資に値する企業も存在します。そのうちの一社が三栄建築設計(3228)です。
同社は東京都西部を地盤とする戸建住宅の建売業者です。同業の上場企業としては一建設(3268)、東栄住宅(8875)、飯田産業(8880)、アーネストワン(8895)、タクトホーム(8915)といった飯田グループに属する企業が目立っていますが、彼らが規格型住宅を大量施工することによってコストを引き下げるビジネスモデルを採っているのに対し、同社は地域のニーズや地型に合わせ、一棟ごとに異なる設計をしている点が特徴です。
飯田グループ各社は90年代末から急成長を開始しましたが、2007年ごろからはグループ内や同グループを模倣した企業との用地仕入競争が激化し業績を悪化させました。その後の不動産融資規制によって用地価格が反落したため、現在は各社とも業績が回復していますが、再び仕入競争が激化する懸念は払拭できません。それに対し、同社は規格型住宅の建てられない変形地やローコスト住宅では釣り合わない高級住宅地も開発対象にできるため、仕入競争による業績悪化は小幅にとどまり、業界環境が好転した現在は飯田グループ各社よりも一歩早く用地仕入を拡大しています。
現在の株価は、知名度の低さや市場イメージの悪さから、会社予想PER(株価収益率)4倍台という低評価にとどまっています。しかし、投資家がより広く投資対象を求めるようになる、あるいは同社が他市場に上場すれば株価水準は一変するのではないでしょうか。


<自動車部品を買うなら独立系> ('10/02)


<自動車部品を買うなら独立系>
各国の需要刺激策や新興国の景気回復により、自動車産業はようやく立ち直ってきました。来年度も、一部で刺激策が縮小されるものの、まずまず堅調な需要が見込まれます。しかし、中長期的に見ると、日本の自動車産業は大きな課題を抱えていると言えます。
まず、利幅の大きい高級車に関しては、回復が限定的と見られることです。高級車の最大の市場であるアメリカでは過剰消費体質が是正されつつあります。一方、今後最も大きな成長が期待される新興国の中間層が購入するのは、利幅の薄い低価格車が中心と予想されます。また、国内生産の高コスト体質も問題です。現在の為替レートでは、低価格車の輸出で利益を上げるのは困難と見られます。さらに、労働市場に対する規制強化で雇用の柔軟性が低下することにより、各社は海外生産比率の拡大を余儀なくされるでしょう。長期的視点では、電気自動車の技術向上が産業構造を一変させるリスクもあります。
産業全体として上記のような課題を抱えているため、当ファンドの投資対象となる小型の自動車部品業界に関して言えば、特定完成車メーカーに依存している企業のリスクは大きいと判断しています。海外展開をすでに完了させている大手部品メーカーであれば新規顧客の獲得といった戦略も可能ですが、系列に依存しそこそこの利益を上げてきた企業に関しては、顧客の海外調達が進めば淘汰される事も覚悟しなくてはなりません。
むしろ、投資対象として魅力があるのは、ニッチ分野で幅広い顧客を持つ独立系企業や、海外で日系自動車メーカーとの取引に参入した他分野の企業でしょう。例えば、当ファンドの投資対象である遠藤製作所(7841)は、ゴルフクラブのヘッド製造でタイに進出しましたが、鍛造技術の高さが認められ、現在では自動車部品の売上構成比が上がっています。リスクの高い国内生産拠点を持たず、成長性の高い新興国でのみ自動車部品の生産を行なっていることは、今後高く評価される可能性があると考えています。


<今年最も投資したい分野は?> ('10/01)


 <今年最も投資したい分野は?>
インターネット関連の銘柄は、市場の雰囲気で一方向に動きやすい傾向が他の業界よりも顕著です。90年代末のITバブル期には内容の劣る企業も含めて異常なほどの高値まで買い上げられ、バブルが崩壊すると逆に確固たる成長基盤を築いていたヤフー(4689)、楽天(4755)まで将来性を全く無視した安値にまで売り込まれました。2000年代半ばには、ネット取引を介した短期売買の個人投資家が大量に株式市場へ参入したことによってライブドアを始めとする銘柄が急速に買い上げられましたが、当時の同社堀江社長が逮捕されたライブドア・ショック以降はやはり大半が急落し、一昨年のリーマン・ショックまで業界全体が市場から評価されにくい雰囲気が続いていました。
リーマン・ショック以降は、相対的に成長性が高く世界的金融危機の影響も直接的には受けない業種として、業界全体の再評価が始まりました。しかし、2009年半ばからグリー(3632)などが展開する主に携帯電話を用いた追加課金型ゲームの収益性と成長性が確かになってくると、市場の注目はこの分野で成功を収めつつある銘柄に一極集中するようになり、一方で他分野の中堅ネット企業はむしろ反落するものも多くなりました。
確かに、追加課金型ゲームの有料ユーザーは依然として急速な拡大を続けています。現在成功している企業群を見ると、お金を使わせる仕掛け作りやマーケティングの戦略などの面で、評価すべき点は数多くあります。しかし、当ファンドでは潜在的な競争者が今後次々に現れてくる中で、現在の高収益を維持できない企業も出てくるのではないかと予想しています。
そういった観点から、当ファンドではむしろ不動産情報のネクスト(2120)、看護・介護求人のエス・エム・エス(2175)、決済接続サービスのウェルネット(2428)、SBIベリトランス(3749)といった、地味ながらも専門的なサービスを提供する企業に注目しています。市場の注目がゲーム系の企業に一極集中している状態が解消されれば、これらの銘柄に資金が流入する可能性は高いと判断しています。

2012年2月12日日曜日

「担当ファンドマネージャーの見方」を集めてみた (2011年版)

大和住銀日本小型株ファンドの月次をネットで拾ってきた =)。ネットは広大なう。

<今年1年間の本欄を振り返る> ('11/12)


<今年1年間の本欄を振り返る>
2011年は大変悲しい出来事の多い年になってしまいましたが、当ファンドはこれまでのところ良好な運用成績となっています。今回は、今年本欄で取り上げた銘柄のその後の株価動向を主観的に評価してみます。
1月  <成熟分野でも成長の途はある> エレコム(6750)…◎
2月  <危機からの復活> 日本ERI(2419)…○
3月  <インドで成功した中堅企業> 日精エー・エス・ビー機械(6284)…×
4月  <震災後の投資戦略> 銘柄紹介なし
5月  <外食業界における付加価値の創造> ブロンコビリー(3091)…○
6月  <普通の小売業に近づく調剤薬局> クオール(3034)…◎
7月  <安定成長業界が評価される時> 銘柄紹介なし
8月  <系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカー> イリソ電子工業(6908)…△
9月  <成熟分野でも成長の途はある~その2> MCJ(6670)…△
10月  <日系半導体製造装置メーカーの反撃> レーザーテック(6920)…○
11月  <中古車業界の事業環境は良好> プロトコーポレーション(4298)…△、ケーユーホールディングス(9856)…△
※ 月表示は作成日によります
今年の投資環境は厳しいものでしたが、一方で小型株に関しては地道な調査活動が報われやすい年でもあったと感じています。来年以降も良好な運用成績を残せるよう、引き続き幅広い調査活動に注力する方針です。

これは全部読みたいぞ。 


<中古車業界の事業環境は良好> ('11/11)


<中古車業界の事業環境は良好>
中古車業界は上場企業が少なく、株式市場ではあまり知られていない分野です。公的な統計も移転登録台数や通関実績程度しかなく、業界実態はなかなか見えてきません。今年10月までの累計移転登録台数は前年同期比5%減で、一般的には厳しい状況が続いていると言われがちです。しかし、関連企業の業績は全般に好調であり、上場企業には業界内の勝ち組が多いことを差し引いても、業界全体の収益環境はむしろ良好だと判断しています。
今年度の中古車業界に最も大きな影響を与えた出来事は、言うまでもなく東日本大震災です。震災後はまず被災地で中古軽自動車の需要が増加し、全国の在庫から買われて行きました。また、半導体工場の被災に起因する新車生産の減少により、買い替えに伴う中古車の供給が減少する一方で需要は増加し、結果として販売価格は上昇しました。加えて、在庫の販売が好調だったため、中古車販売店の利益率は改善しました。
一方、買取業者は台数面では苦戦しましたが、消費者の想定する買取価格の上昇が緩やかだったため、低価格で買い取り高値で転売することで利幅を拡大することができました。オークション業者も、出品台数は伸び悩んだものの販売店の仕入意欲が強まったことから成約率が上昇し、業績は堅調に推移しました。また、価格上昇と円高という悪材料が重なったにもかかわらず、資源価格の高騰で潤うモンゴルや輸入規制の緩和されたスリランカ等に対する輸出も好調でした。
今後は新車生産の回復により買い替えが進み、中古車供給台数は増加するでしょう。しかし一方で、業界全体に資金状況が改善したため、販売価格の低下はしばらく緩やかなものにとどまると予想します。当ファンドでは情報媒体「goo」を手がけるプロトコーポレーション(4298)と販売店のケーユーホールディングス(9856)に投資していますが、今後良好な業界環境の恩恵を受けられると期待しています。

他に中古車関連で有名なのは有数の規模を誇る中古車オークション会場を運営している4732USS、中古バイク買取「バイク王」を経営している3377アイケイコーポあたりでしょうか。9856ケーユーHDなどの販売店ですと在庫等の問題が常にあってアレなのですが、2/9の上方修正で20%程度爆上げしている所を見ると凄い先見性にびっくりなのです。

4298プロトコーポレーションは中古車雑誌「goo」を出版している企業。ここも収益バリューの方にはとても有名な企業なのですが直近の業績が下り気味でやや評価を落としているようです。ここも近いうちに見直しが入る気がします。

こうなると7599ガリバーあたりまでありそうな予感がしますね。


<日系半導体製造装置メーカーの反撃> ('11/10)


<日系半導体製造装置メーカーの反撃>
近年、円高だけでなく技術的要因も相まった形で、日本企業の国際競争力が低下しているケースが多く報道されています。半導体製造装置業界でも、花形のステッパーではニコン(7731)が往年の優位性を失い、オランダのASMLの後塵を拝しています。そういった状況下で、ニッチ分野ながら海外の大手企業からシェアを奪っているのがレーザーテック(6920)です。
同社は光学技術を利用した検査装置のメーカーで、半導体用フォトマスク(回路の原版)の材料となる石英ガラスの欠陥検査では圧倒的なシェアを誇ります。しかし、より市場規模の大きいフォトマスク自体の検査は、設計データとの比較検証技術に優れた米国のKLAテンコールが市場の大半を押さえており、同社にとって参入困難な市場でした。
ところが、半導体の回路微細化に伴い、同社にも事業機会が巡ってきました。以前は問題にならなかったフォトマスク使用中に生じる微細な汚れが、半導体の歩留まりに大きな影響を与えるようになってきたのです。韓国の三星電子を始めとする半導体メーカーはこの問題への対策として、フォトマスクの製作時点だけでなく、使用中にも検査を行うようになりました。この用途では同社の強みが生きるため、徐々に半導体メーカーの評価を高め、市場の約1/3を奪うことに成功しました。また、長期的には、紫外線を用いた一層の微細化が可能な半導体生産技術の普及にも期待がかかります。紫外線に対応したフォトマスクは石英ガラスの上に数十層の金属膜を重ねて作られるため、欠陥検査が極めて難しく、検査装置の付加価値が大幅に高まると予想されるためです。この装置の開発は国家プロジェクトにも指定されており、国や関連企業による資金提供のもと、同社が中心となって開発を進める予定です。
日本の半導体装置の低迷については湯之上さんの「日本「半導体」敗戦」 という著書をぜひオススメしておきたい。

6920レーザーテックは開発専門で製造に関してはほぼ自社で扱わない、持たざる経営をしている企業かと思いました。直近の受注は大変好調で株価もそれに反応した動きになっているようです。やや反応が弱めなのはFPD装置も手がけており、確かに直近の状況は良いとは言えないのでそれを心配しているのかもしれません。

投資先という点では、半導体装置の売上の波が大きく一台当たり数億円という規模なので資金繰りが厳しくなる特徴を持っていてやや敬遠されがちです。バカ景気モードになったらここは面白いと思うのですが、今の状況ですと、、、どうでしょうね。

似たところで6337テセック6134富士機械製造も同じような見方をされます。いずれも財務は悪くないので即死は無いと思いますが即死の多い産業であることは加味しておいてください。


<成熟分野でも成長の途はある~その2> ('11/09)


<成熟分野でも成長の途はある~その2>
今年1月の当コメントで、「成熟分野でも成長の途はある」と題し、パソコン周辺機器業界で個性的な事業展開を進めるエレコム(6750)を紹介しました。その後同社の業績はスマートフォン関連商品の好調を背景に一層拡大し、株価も好調に推移しています。今回は、同社ほど業績が拡大しているわけではありませんが、厳しいパソコン市場の中で一定の利益を上げ続けているMCJ(6670)を取り上げます。
同社グループの中核事業は、1993年に創業されたパソコンベンチャーのマウスコンピューターです。販促をパソコン専門サイト等に絞り込んで経費を抑え、国内大手メーカーに比べ割安な価格を提示することで急成長を果たしました。同様の成長を遂げたベンチャー企業は他にも数多くありましたが、市場の低迷期における在庫管理の巧拙といった経営能力が明暗を分け、同社は同業のユニットコムなどを買収することで群を抜く企業グループとなりました。近年ではヤフーなどの一般サイトにも広告を出稿するようになり、これまで国内大手メーカーの顧客だった一般層の取り込みにも成功しています。また、ディスプレイメーカーのイーヤマのように、海外で高いブランド力を持ち収益を上げている子会社も存在します。
今後、スマートフォンやタブレット端末の性能が高まる一方、パソコン自体はOSやセキュリティソフトの負荷が大きくなったことによる使い勝手の低下が著しいため、市場は縮小傾向をたどると予想しています。しかし、大手メーカーに比べるとまだまだシェアは低く、かつ経営の機動性で優れる同社には、シェア上昇によって業績を維持・拡大させる余地は十分あります。会社予想PER(株価収益率)が5倍台で上方修正期待もある現状は、十分に魅力的と言えるのではないでしょうか。

6670MCJはアキバにあるパソコンショップ「マウスコンピューター」等の親会社になります。PC関連の企業をM&Aで多く組み入れる経営の特徴があります。

私としてはここはあまり面白みが無いというか、難しい銘柄かなと思います。ただ株価としてはやや面白い動きをする特徴があるのでそれはそれでアリな気はします。まあ色々調べてみてよ。

関連銘柄はあることはあるんだけどやっぱりアレ。アレだなあ。


<系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカー> ('11/08)


<系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカー>
日本の自動車部品業界は、基本的に完成車メーカーによる系列の下で成長してきました。系列下の部品メーカーは、主要顧客の販売台数が順調に推移している限りは少ない経営コストで投資リスクを気にせず成長できるという利点がありますが、主要顧客が変調をきたした場合にはリスクヘッジが困難という弱点もあります。それに対し、いくつかの分野で技術力を生かし系列を超えて活躍する独立系自動車部品メーカーも存在します。そういった企業の一つが当ファンドの投資先であるイリソ電子工業(6908)です。
同社は電気回路の接続に用いるコネクターの中堅メーカーですが、自動車向けに強みを持ち、売上高の7割近くをカーナビや自動車の制御回路向けが占めています。特に、電子基板同士を直接接続するタイプのコネクターでは世界的に高いシェアを占めています。
今世紀に入り、同社は日系の完成車・カーエレクトロニクスメーカーだけでなく、欧州系や米国系の顧客にも積極的に営業を行なってきました。長期的な事業戦略の成果により、今期・来期は欧州メーカー向けに相次いで大型製品への採用が決定しています。
日本の完成車メーカーは震災による痛手から急速に立ち直りつつありますが、コスト・性能・デザイン等を総合的に評価した競争力という面では、欧州メーカーや韓国メーカーにかなりの部分で逆転されつつあります。こういった状況では、自動車部品メーカーにも系列を超えて事業を行える力が求められていると言えるでしょう。

6908イリソ電子工業は、独立系自動車部品メーカーです。

元俺の主力 ^^;。電気自動車やハイブリッド車が主力になるにつれ、この手の電子部品の装着数は増えてくると思うのです。自動車関連産業にありがちなのですが、これらの企業は自動車メーカーに安定して部品を供給する契約が負わされます。その代わり安定した価格で買い取ってもらえ、また安全性の必要性により他社からの参入障壁が高い部類に入ります。

株主総会にも出てきたんだがやや愚鈍な面があってこれどうよ?と思うことがあり今は観察に徹している状況。悪くは無いと思う。顧客が自動車メーカーなので投資家に目が向いていないのは自動車部品メーカーにはありがちで投資家としては気分は良くないってのもあるかな。

似た所だと7279ハイレックスコーポレーションも面白いと思う。ここも万年バリュー臭がしないでもないのだがw


<安定成長業界が評価される時> ('11/07)


<安定成長業界が評価される時>
一口に小売業と言っても、景気変動に対する感応度という点では業種ごとに大きな開きがあります。食品スーパーやドラッグストア、ディスカウントショップなどは比較的景気の影響を受けにくいのに対し、百貨店やファッション衣料などは景気に左右されがちで、総合スーパーやホームセンターはその中間と言えるでしょう。当ファンドでは、ほぼ一貫して景気の影響を受けにくい業種を中心に組み入れを行なってきましたが、今年度に入ってそれらの銘柄の多くが大幅に上昇し、運用成果に貢献しています。
どちらかというと地味なこれらの業種が株式市場で注目を集めることは、必ずしも多くはありません。順調に業績が推移していても、他により目立つ業界が存在すれば、投資家に無視されてしまうこともしばしばあります。そうした場合、利益自体は安定的に成長しているため、株価との関係による割安度は徐々に増していきます。
最近、これらの業種が再評価されているのは、どちらかと言うと消去法的な意味合いが強いと考えています。確かに、震災後の食品スーパーにおける特売の減少、ドラッグストアの花粉症や猛暑への対策需要、100円ショップの震災と猛暑への対策需要といった短期的な業績押し上げ効果も働いていますが、それ以上に世界的な経済リスクの高まりの中で、安定的な利益成長と割安度に対する評価が高まったという側面の方が強いでしょう。
依然としてこれらの業種に割安感は残っていますが、今下半期以降はこれまでの業績押し上げ効果の剥落に伴う反動が予想されることもあり、更に組入比率を高めるのはリスクが伴うと判断しています。特に上昇率の高かった銘柄については一部利益確定も行いつつ、株価の再評価が遅れているサービス業や物流業の安定成長企業に投資対象をシフトすることも考えています。

確かのその通りだと思う。いやー見誤ったね、俺w。

今後も震災関連で成長できる内需は多いのではないか。今は外需や製造業の先が見えない状況なので資産の退避という点でも再評価が進んでいるのだと思う。

まあどの道、製造業に片足を入れた投資に大きな変更は無いのだが、ポートフォリオとしては内需に傾いているかな。何せ安定しているのに割安とか、面倒な投資アイディアを練る必要性が今は無いとも。

考えすぎイクナイ!


<普通の小売業に近づく調剤薬局> ('11/06)


<普通の小売業に近づく調剤薬局>
調剤薬局業界は、1980年代以降、国の医薬分業政策によって作られた業界です。参入業者には製薬会社の元営業マン、臨床検査会社、医療材料商社など病院関係者が多く、病院の門前に店舗を構え医師の方を向いて営業を行えば顧客は自動的に獲得できるという体質が根深くありました。しかし、近年は特定の病院に依存しないドラッグストア併設の調剤薬局が増加したことなどにより、接客の要求レベルが上がるなど、徐々に普通の小売業に近い競争環境が整いつつあります。この構造変化に対して、門前薬局の側にありながら積極的に対応をしている企業がクオール(3034)です。
同社の会社案内資料を見てまず気付くのは、同業他社とは一線を画す垢抜けたロゴや店舗内装です。また、薬剤師によるサービスの質についても、具体的な記述がより多く見られます。同社は技術面だけでなく接客面をも強化するため、コミュニケーションスキルやメイク指導などの研修メニューを積極的に取り入れています。さらに、こういった特徴を顧客や薬学生に伝えるためのイメージ戦略についても、創業当初から意識的に行なってきたと中村社長は上場時にコメントしました。
薬学部の6年制移行を見据え一昨年に先行採用した薬剤師が戦力化してきたことや、医薬品卸の競争激化により、前期・今期の業績は大幅増益が続くと予想されます。また、中長期的な視点でも、顧客が自分の価値観によって調剤薬局を選択する動きがますます進んでいけば、同社の同業他社に対する優位性はより高まっていくと考えています。

3034クオールは、調剤併設ドラッグストアということで一部の投資家にニヤニヤされていた銘柄ですね。

このハイブリッドはなかなかあざとくてですね。調剤薬局は、薬価は一定なので差別化が難しく立地取りでほぼ勝負が決まる産業なんですな。そこでグループ企業の調剤薬局を利用してくれたお客さんにポイントを上げる事で顧客の囲い込みをしたんですな。ポイント乞食がワラワラと移動していくという。

で、資本勝負になるとサービスの低下とかも考えられるわけでそれどうよ?ってことになってめでたく規制が入りましたw (【医療崩壊】調剤薬局ポイントサービス禁止 医療用医薬品の値引き禁止の原則違反で - NAVER まとめ)。

という状況なのでクオールなどの調剤併設ドラッグストアのうまみは消える訳ですが、この業界自体はまだ少しパイが残っています。薬局の分離化は完全に進んでいるわけではなく日本全体の5割程度。病院の建替え等で調剤薬局を外にするケースが多いようです。上記の文章でもあるとおり、
6年制の薬学部の学生がワラワラとやってくる状況ですので、出店速度は更に増すことになるでしょう。数年はアツい産業かなと。

私が推しているのは4775総合メディカル。DtoDとか結構お気に入りなのです =)。直近の株価はアレなんですが長い目で見ておくんなまし。


<外食業界における付加価値の創造> ('11/05)


<外食業界における付加価値の創造>
最近、激安焼肉チェーン店で発生した食中毒事件が問題となっています。事件の本質的な原因は焼肉店と卸業者の知識と倫理の欠如であると思われますが、背景として外食業界における低価格競争の過熱があることも確かです。リーマン・ショック以降、居酒屋と牛丼店を中心に低価格競争が再燃し、質的にこれといった特長を持たない店舗はこの競争にどんどん巻き込まれていきました。しかし、チェーン店でもしっかりと質と価格を維持し、消費者の支持を獲得し続けている企業も存在します。その一例が東海地区を中心に展開するステーキハウスのブロンコビリー(3091)です。
同社は1978年に創業し、90年代に牛肉輸入自由化と円高を背景に低価格路線を採って多店舗展開を果たしました。しかし、2001年の狂牛病問題で客足が遠のき原料価格も上昇したことをきっかけに、高品質路線へと転換します。まず02年にはかつて好評だった豪華なサラダバーを復活し、04年には炭焼き台と大かまどを導入、07年には米を魚沼産コシヒカリの産地契約に切り替えました。トヨタ自動車に牽引された地域経済の好調も手伝い、02年から07年の5年間で、新規出店がわずか3店であったにもかかわらず、既存店の業績改善で経常利益は0.5億円から13億円に拡大しました。
リーマン・ショック後は既存店が減収に転じ、同社もランチに関しては値下げを行いましたが、ディナーの質と価格については頑として従来通りを維持しました。その結果、ランチで獲得した新規顧客が高単価のディナーを利用するという好循環が働き、10年後半には再び売上高が新店を除いても増収に転じました。震災後の期間を含む11年3月においても、既存店ベースで前年同月比 11.4%の増収を達成しています。
ちなみに、同社正社員の平均年収は500万円(平均年令30才)で、地方の外食企業としては相対的に高水準です。高いサービス品質を保つためには、従業員に正当な分配を行うことも必要でしょう。

3091ブロンコビリーは、外食ですね。いやまんまだ。

外食は苦手の分野でしてね。あまりアドバイスが書きにくいのですが、投資するならまず自分の目で口で判断するのが重要かと思っています。そこのサービスを受けてみて、ああこれは流行るに違いないと確信出来るほどなら多分、成功します。

月次、出店速度、同業他社の状況等、加味する条件が多いのが特徴です。外食は参入障壁が低い産業なので、成長期というのが急速でありながら急激に落ちます。成長期と共に株価が上がる傾向にあるのでこれはこれで面白い投資先でしょう。居酒屋は特に景気の影響をもろに受けるのでこの点も注意です。

9936王将フードサービス7611ハイデイ日高3395サンマルクあたりが私のヲチ銘柄でしょうか。変な経営者ばかりです =)。


<震災後の投資戦略> ('11/04)


<震災後の投資戦略>
震災の影響に対する当ファンドの基本方針について、もう少し具体的にお話しします。
①いわゆる「復興特需」には乗らない
震災後、建設業を中心に復興事業関連と目される銘柄の多くが上昇しましたが、この動きについていくつもりはありません。確かに今後国費や被災者自身の負担による復興へ向けた支出の増加は見込めますが、一方で被災地以外における予算確保のための公共投資削減や経済混乱・不安心理による設備投資・住宅投資減少も予想されること、復興投資自体もいずれ反動減が確実なことを考慮すると、長期的な企業価値の上昇につながる要因ではないと判断します。建設関連であれば、むしろ節電意識の高まりが中長期的な需要拡大につながる可能性のある設備工事関連企業が有望なのではないでしょうか。
②前期・今期の業績を気にしすぎない
電機・自動車関連では、いくつかの基幹部品の供給が回復していないことにより、産業全体の生産に悪影響が出ています。今夏の電力不足の影響も大きいと予想されるため、7-9月期まで関連企業はフルに実力を発揮できないでしょう。また、生産回復後は、在庫の積み上げや不要不急の支出を抑えることによって、逆に実力以上の利益が出ることもありえます。従って、今期は目先の損益に一喜一憂せず、むしろ個々の企業が属する産業システム全体の国際競争力が失われていないかどうかを見極めることに精力を費やすべきでしょう。
一方、個人消費関連では、4月に入ってすでに自粛ムードの一巡が観測されています。回復の遅れている企業に関しては、個々の業種特性を考慮した上で、慎重な投資スタンスを採る必要があるかもしれません。

この辺はもう総括になっちゃうよね。

短期的な震災特需にはあまり反応が無かった、というか今頃になっておカネが回り始めている状況でしょうか。狙い目ではあろうとは思っていますが、長い目で見るとまあアレですな。設備工事関連となるとファンドのポートフォリオの中では1723日本電技あたりでしょうか。
 思ったより業績の悪化を引きずっていない、というのが感想かな。むしろタイ洪水の影響の方が日本の製造業に打撃を与えていたのが特徴的でした。


<インドで成功した中堅企業> ('11/03)


<インドで成功した中堅企業>
中国に続く世界の成長センターとして、インドに対する注目が高まっています。中国と違って人口増加が長期的に続くことや、民主主義が定着していることが評価される傾向にあります。しかし、この国で事業を成功させるのは、日本企業にとって容易なことではありません。電力や交通を始めとするインフラの整備が遅れており、生活環境も悪く、商慣行の面でも中国のようなスピード感がありません。大企業でも成功者はスズキ(7269)、ホンダ(7267)など一部に限られる中で、同国を生産拠点・市場の両面で開拓することに成功した中堅企業が日精エー・エス・ビー機械(6284)です。
同社はペットボトルの成形機に特化した機械メーカーです。どちらかというと小回りの効く低速機を得意としており、規模の大きな先進国の飲料工場ではなく、一般食品の工場や比較的小規模な新興国の飲料工場を主要顧客としています。
同社は創業直後の1980年から海外展開を行なってきましたが、初の海外生産拠点としてインドを選んだのは1997年のことでした。創業者の息子である現社長が自ら乗り込んで工場の立ち上げに努めましたが、操業は困難を極め、生産が軌道に乗るまでに3年以上を費やしました。しかし、同社は粘り強くインド子会社の強化を進め、2001年には同国で一貫生産した低価格機を国内や他の新興国向けに発売しました。現在では、仕様の特殊な先進国の一般食品向けを日本、低価格が求められる新興国の飲料向けをインドで生産する分業体制が確立されており、連結利益の半分を同国で上げる構造を築いています。
政治面・社会面の諸要因を考慮すると、今後もインドが中国のような商売に都合の良い国に変化することはおそらくないと思われます。同国で成功するには、同社のように強い権限を持つリーダーを送り込み、粘り強く事業を続けることが必要条件であると言えるでしょう。

6284日精エー・エス・ビー機械はPETボトルを製造する機械を開発しています。

シェアは業界の2割程度だったかと思います。高い方ではあるのですが圧倒的という程でもない、といったところでしょう。インドの工場は今の所、上手く働いており為替にも強くなっています。PETへの切り替えが進んでいる状況なので、特に新興国でのシェア争いが気になるところでしょうか。

残念ながら直近の受注状況が芳しくなく、株価もそれなりになっています。機械株は景気動向に左右されやすい傾向にあります。今の景気動向では仕方の無い状況かもしれません。受注・受注残を見ても充分間に合うので、決算を見てから判断することをオススメします。


<危機からの復活> ('11/02)


<危機からの復活>
新規公開企業の多くは好業績を背景に上場してきますが、その後しばらくして業界環境の変化などにより急激に業績が悪化するケースもしばしば見られます。しかし、事業自体がきちんとした需要に支えられたものであり、かつ危機を乗り切るだけの企業資質を有していれば、その企業は高い確率で復活できます。その一例が、当ファンドで投資している日本ERI(2419)です。
同社は1999年、それまで自治体のみが行なっていた建築確認業務が民間に開放されたことを受け、初めて設立された民間業者です。同社は業界を主導する形で陣容を整え、2002年に黒字化、2004年に株式上場を果たしました。中小型株市場の好調もあり、2005年には時価総額が 200億円を突破しました。
しかし、同年の11月に姉歯建築士による耐震性能偽装事件が発覚すると、業界は激震に見舞われました。自治体や他の民間業者だけでなく同社が建築確認を行なった物件でも偽装が発見され、業界全体で確認手法に対する疑問が広がりました。施主の発注手控えや業務の混乱により、2006年度には大幅な赤字に転落しました。
事件後、同社は確認体制をより厳格化すると共に、それによるコストアップを料金に転嫁することに注力しました。また、事業の第二の柱である住宅性能評価分野において、瑕疵担保保証・長期優良住宅・住宅版エコポイントといった性能評価を必要とする政策が次々に打たれたことも追い風となり、同社の業績はV字回復し、今期は営業段階の最高益を更新する見込みです。
新規上場時から、同社に対しては極めてまっとうな会社という印象を受けていました。偽装事件が騒がれた当時は民間への建築確認業務開放そのものの正当性を問題にする向きもありましたが、実際には多くの自治体も偽装を見抜けておらず、批判は根拠のないものでした。市場の混乱で倒産した業界第2位(当時)だった企業との対比で見ても、企業資質を見定めることは極めて重要だと感じさせられます。

2419日本ERIは、建築確認を行う企業です。

建築確認というと、姉歯事件でよく取り上げられました。今も事件絡みで訴訟が残っています。2/2に敗訴したらしく株価を大きく下げています。設計が悪意を持ったとき、確認する側がどこまで看過するべきかという難しい訴訟になっています。姉歯事件の生き残りが日本ERIしかいないって所もアレでしょうね。訴訟については、裁判所で判断するしかないでしょう。

今後の日本の建築では必要であることは確信しています。シェアも高いですし、悪くないと思いますよ。株主構成も鉄板でしょう。

日本ERIの元社長、現会長である鈴木さんはよく個人投資家への説明会をやっており私も参加したことがあります。やや体格のいい人たちに守られながら会場入りしたのを思い出しました。大変ですよね色々。

やや外れますが建設関連で2311エプコあたりも面白いと思います。


<成熟分野でも成長の途はある> ('11/01)


<成熟分野でも成長の途はある>
今世紀に入って、パソコン産業はすっかり成熟分野となってしまいました。1990年代にはOSの進歩とインターネットの出現で市場規模が大きく拡大しましたが、2001年のウィンドウズXP発売以降は幅広い層に買い替えを促すOSも現れず、単価の下落だけが続く状況となっています。しかし、周辺分野に目を拡げると、成長の途がないわけではありません。優位なポジションに加え、優れた経営戦略で成長を続けている企業として挙げられるのがエレコム(6750)です。
同社はキーボード、マウス、ラック、ケーブルなど、周辺機器の中でも比較的ローテクな分野に強い企業です。これらの分野は品揃えが重要である一方、単価が低いこともあり価格競争はさほど厳しくありません。同社は量販店の棚割りにおいて圧倒的なシェアを持ち、安定的に収益を上げ続ける基盤を有しています。
また、需要刺激策として、デザインの向上にも力を入れています。中でも、マーブルチョコレートのような外見のイヤホン「サンドリーズ」は好評で、海外でも高い評価を受けました。国内でも、携帯電話やAVといったパソコンとの融合が進む分野への進出に当たって、デザイン性の高さは大きな武器となっています。
単なる機能向上へのニーズ減退という問題は、パソコンにとどまらず情報・通信産業全体に関わる問題となってきています。実際に消費者により大きな満足を与え、市場を拡大し続けるには、こういった周辺分野こそが鍵を握っていると思います。

6750エレコムは、PC関連の小物を開発しています。 私の準主力 =)。

家電量販店でスマホの小物を買おうと思うと、エレコムかバッフォローしか選択肢がありません。本来ならI-O DATAあたりも絡んでいるはずなのですが、どうしちゃったんでしょうかね。種類が多くて無駄打ちが多いように見えますが、それ以上に粗利が高いんですアレ。


他にも比較的、粗利が高いPC小物に手を出しており、在庫リスクの高いPCメモリなどには手を出していません。開発力が高く、正直どうでもいいようなUSB機器やヘンテコ電源タップなの多種にわたって開発しています。最近はスマホのアプリなども手がけており、一体どこに向かっているのかサッパリなのですが、PC関連にリーチしているのでよしとしています。

同業他社はバッファローの親会社である6676メルコホールディングスになります。 業界最大手ですが利益が付いていけていないというか、業績がPCの売れ行きに連動しており利益もやや低いように感じています。経営が改善されればいい銘柄になりそうな予感はするだけに勿体無い。


6916アイ・オー・データ機器も本来は同業他社に挙げられてもおかしくないのですが、低迷が続いています。 2/9に上方修正をして20%程度爆上げしたようですが、上方修正の要因がHDDの高騰による値段改正とまあビミョー。持続力に欠ける。


-----

いやー結構コメントかいちゃったよ。

まあ昔持っていたり今もっていたりする銘柄だったりするので書きやすかったという =)

'11/12の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次のコメントを捨てておくのは勿体無いと思ったので毎月記録していこうかと思ってます。12月は飯田産業ネタ。

<飯田グループの中で投資するなら>
 2000年前後から、不動産業界の中で戸建住宅の建売分譲を主力事業とする企業の上場が増加してきました。東栄住宅、飯田産業、アーネストワン、タクトホーム、ファースト住建、一建設、アイディホーム……実は、これらはすべて同根の企業で、「飯田グループ」と呼ばれています。
 個別企業ごとに若干の差はありますが、同グループのビジネスモデルには全般に以下のような特徴があります。①一次取得者を対象とした低い価格設定、②現場数を増やすことで大工を囲い込み建設コストを低減、③地場不動産業者との連携による機動的な用地仕入・物件販売、④リスクの低い数戸単位の小規模開発が中心。このビジネスモデルを1980年代に確立したのは一建設(当時の社名は飯田建設工業)で、その後同社の幹部社員が創業者からの出資を受けながらのれん分けを行う形で各社が設立されました。
 このビジネスモデルは通常の粗利率が十数%と決して利幅は大きくありませんが、資金回転が速いため、支店展開のタイミングが適切であれば急速な成長が可能です。反面、地場不動産業者を中心とする無数の競合相手と差別化する要因がさほど大きくはないため、需給バランスが崩れると利益率低下に見舞われます。現在の状況も、2008年の不動産融資引き締めによる業者淘汰の影響が一巡し、各社の規模拡大でグループ内競争も激化、利益率は低下傾向となりつつあります。
 もっとも、利益率低下を前提としても割安な株価と、マンションやオフィスビルに比べリスクが低い点は魅力的と言えます。グループ各社の中で、競争激化が見込まれる局面での投資対象としては、最も保守的な経営姿勢をとる一建設が適していると判断しています。同社はバブル崩壊後に実質債務超過に陥り、上場もグループ各社に比べ遅れましたが、その反省にたった慎重な用地仕入などが奏功し2007~2008年の収益環境が悪化した時期にもしっかりと利益を確保しました。現在の競争激化についても早い段階から警戒してきており、利益率の低下は相対的に小幅にとどまるものと期待されます。

飯田産業系列はパワービルダー系の中では大手なんですが、全体的に評価が低いんですよね。この辺、市場はどう見ているのかなーとか思っていたんだけど今回ので腑に落ちました。なるほどね。

ちなみに3268一建設は上場してから間もないんですが株価はイマイチパッとせず。悪くは無いんですが、市場の見方がやや厳し目に見られているのかもしれません。見直しが入ると面白いかもしれないですね =)。

「大和住銀日本小型株ファンド」というイカしたファンド

ひふみ本「日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。」の中で興味深いファンドを推奨していたので見てみたんだが、確かに凄い。



大和住銀日本小型株ファンド」というファンドなんだがまずはポートフォリオを見ていただこう。以下は'11/12の組み入れ銘柄。
  1.  9729 トーカイ
  2.  4290 プレステージ・インターナショナル
  3.  2735 ワッツ
  4.  8876 リロ・ホールディング
  5.  2772 ゲンキー
  6.  9058 トランコム
  7.  3230 スター・マイカ
  8.  9056 ヒューテックノオリン
  9.  7856 萩原工業
  10.  9795 ステップ

個人投資家の中では小型割安株でかなり有名な銘柄です。特にステップは根強い人気があって、この銘柄を語る人はその手の博識に富んでいると思ってます。流動性の問題もあってこの手の銘柄を組み入れるファンドは殆ど見受けられないですね。

藤野さんはこのファンドを勧めるにあたって以下のコメントを書いています。

この投信のファンドマネージャー、苦瓜達郎さんは、もともと大和総研の小型株アナリストでしたが、この頃から私は優秀なアナリストだと思い一目置いていました。

苦瓜さんの運用の特徴は、とにかく圧倒的な調査量に基づいているということです。会社訪問や調査を年間300社以上と聞いたことがあります。この数はおそらく日本一ではないでしょうか。私も会社訪問の数については自信がありますが、苦瓜さんにだけはかないません。素直に脱帽です。

天才肌が見せるソレではなく、割安という基準に沿って素直に組み入れている印象を受けました。成長株が見せる「危うさ」を感じさせないが、割安株が見せる安定性を持ちつつも儲かるカヲリがほのかに香る、そんな感じ。

いやー、いいファンド見つけたわ =)。