【担当ファンドマネジャーの見方】
<150坪の王者たちの再生>
1980年代から90年代にかけて、ロードサイド小売店は大規模小売店舗法による規制の下に発展を遂げました。多くの企業は同法の適用下限ギリギリの売場面積150坪の店舗を大量に出店し、チェーンとしての基礎を築きました。
90年代に入って規制緩和の流れが強まると、同法は段階的に緩和され、2000年には廃止されました。この流れに合わせ、家電量販店、カジュアル衣料、ドラッグストアといった市場規模の大きな分野では、店舗の大型化とそれに伴う企業の優勝劣敗が進みました。しかし、紳士服専門店、靴小売店、自動車用品など比較的ニッチな分野では、市場構造の大きな変化は起こらず、従来の勝ち組がそのままで存在し続けるという状況が多く見られました。これらの企業は株式市場からはどちらかと言えば退屈な存在と見られがちで、積極的な投資機会もあまりありませんでした。
しかし、2010年代に入って、それらの企業で経営の活性化により業績や株価を急速に改善させる現象がしばしば見られるようになってきました。商品製造への関与を強めたり、惰性で続いてきた販売促進活動や不採算店の見直しを図るといったことに本腰を入れて取り組み、成果を出すケースが増えてきたのです。背景には、リーマン・ショックなどによる危機感の醸成、経営者の世代交代、外部からの人材登用、就職氷河期に入社した優秀な中堅社員の経営関与といった人的な面が大きいと考えられます。
株式市場やマスコミでは、どうしても新しい成長企業に目が行きがちですが、成熟国家でかつ雇用の固定的な日本にとってより必要なのは、成長の可能性があるにもかかわらず停滞してしまっている企業の再生であると思います。そうした意味から今後期待できる分野として、当ファンドではニッチ分野の専門店に注目しています。
強調してみた。
これは私も感じているところで、ポジションが悪くないにも拘らず成長意欲に欠ける企業が結構あるってことかと。ブルーオーシャンな割に消極的な経営方針から脱却できるような、脱却する意志があるような企業を見つけ、投資していきたいですな。
0 件のコメント:
コメントを投稿