2013年4月20日土曜日

'13/03の「担当ファンドマネージャーの見方

大和住銀日本小型株ファンドの月次。3月は3644 1stホールディングス3673 ブロードリーフ
<投資ファンドとの向き合い方> 
 4月に入り、当ファンドの組入銘柄である1stホールディングス(3644)に対する、オリックス系の投資ファンドによるTOB(株式公開買付)が発表されました。買付価格は直前終値を44%上回る880円で、当ファンドの運用成績にもプラスの影響がありました。このTOBは、いろいろ示唆に富むものだと感じています。 
 同社の実質的な筆頭株主は、日系投資ファンド運営会社の老舗であるアドバンテッジパートナーズが運営するファンド群です。同社は2004年、経営危機に陥っていた自動車整備業界向けソフトウェア会社の翼システムから多角化部門の帳票作成ソフトと経営分析ソフトを買収し、1stホールディングスの原型を整えました。その後、現在の実質第2位株主であるNECとの資本提携などを経て、2010年に株式上場を果たしました。 
 上場後もファンドが筆頭株主となる形を継続しましたが、このことが需給懸念を生み、結果として株価の頭を押さえこんだように見られます。2011年のネット接続機器メーカー買収による利益拡大も市場に評価されなかったため、広範な顧客からの保守料・更新需要を基盤とした極めて安定的な収益構造を持つにもかかわらず、PER(株価収益率)は7倍前後に低迷する結果となりました。今回のTOBには、市場での売却が困難かつ価格面にも不満なアドバンテッジ側の意向が強く働いているものと見られます。いささか変則的な形ではありますが、需給懸念を過大評価せず割安銘柄に投資し続けた当ファンドの戦略が結果として奏功したと言えるでしょう。 
 なお、翼システムの本業は2006年にオリンパス傘下の投資会社であるITXに買収された後、2009年に米国系投資会社のカーライルに譲渡され、今年3月に(株)ブロードリーフとして上場を果たしました。同社の上場に際しては、カーライルは保有する全株式を売却し、結果として発行済株式の87%が市場に放出されたにもかかわらず、上場後の株価は公開価格を上回っています。市場環境に恵まれた面はありますが、今後はこういうケースが増加するかもしれません。

投資ファンドが躍進してくるという話でしょうか。

カーライルの動きについてはボキュの主力である6409 キトーが関係しているので興味はあります。カーライルは、結構長期にわたってキトーの株を保有してくれていたのですが、リーマンショック後、投資家にイグジットを迫られたのか同業の大企業コネ・クレーンズ社に株式を譲っており、今は大株主ではありませんし経営陣からも抜けています。どうもカーライルは個人投資家からは好かれていない感じは受けます。ビジネスの軸である再生屋としては経営陣の再教育やビジネスの再構築で結構うまく行っているように見えるんですが、どうなんでしょうね。

ということで特にコメントはなし、ということで =)


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