<紳士服量販店各社の再活性化>
2012年9月の当コメント「150坪の王者たちの再生」でも取り上げましたが、近年の小売業界における隠れた投資テーマの一つは、大規模小売店舗法廃止以前に基盤を築き、その後停滞局面を迎えた企業の再活性化だと考えています。中でも、上位各社がそれぞれ自社の強みを見つけ、着実に業績改善を果たした業界として紳士服量販店に注目しています。
同業界で王道を歩んだのは青山商事(8219)です。最大手のスケールメリットを生かし価格・品質のバランスで他社に差をつけつつ、店舗のスクラップアンドビルドや婦人用スーツの取り込みでも先行し、業界の王者となりました。
第2位のAOKIホールディングス(8214)は本業で同社に食い下がる一方、多角化展開にも活路を見出しました。結婚式場のアニヴェルセル、カラオケルームのコート・ダジュール、複合カフェの快活CLUBはいずれも各業界の有力チェーンに育っています。また、本業周辺ではカジュアルも取り込んだショッピングセンター向け業態のORIHICA(オリヒカ)も好調です。
コナカ(7494)、はるやま商事(7416)の2社はかなり厳しい状況に追い込まれていましたが、近年はやはり新業態によって盛り返してきました。コナカはスタイリッシュな都心業態であるスーツセレクトのブランド確立に成功し、全国展開を開始しています。はるやまも大きなサイズに特化したフォーエルと若者向け・都市型のパーフェクトスーツに活路を見出しています。また、コナカが買収したフィットハウスは、他に類を見ない革製品の大型郊外店という業態を確立しており注目されます。
そして、当ファンドの投資対象であるオンリー(3376)は若者向け・都市型業態の元祖として、スーパースーツストア業態の強化を続けてきました。円安という逆風に対しても、従来より高価格帯の商品を増やすことで対応し、きちんと売上を伸ばしています。好況ムードの恩恵を受けているのは事実ですが、小売業者が自らの魅力を確立できれば需要喚起の余地は十分にあるという好例ではないでしょうか。
前からこのファンドがオンリーを持っていたことは知ってました =)
決算後、株価の反応が悪くなったものの月次を見る限り、紳士服の需要は悪くないんじゃないと思ってます。
青山は、成長意欲にやや欠ける状況っぽく、今期もさほど出店をする予定はないようです。AOKIは、今期も出店を強めで既存店の月次も100%をキープしていて状況は悪くナサゲ。成長面ならイチオシですかね。コナカの低PERはデリバティブ要因なので5割増しあたりが妥当っぽい。はるやま商事は低PBR推しになりましょうか。オンリーについては未だによく分かりません><
今の所、AOKIの1Qで前回の上値を抜けるかあたりがポイントと考えています。どこががずば抜けた決算を出せば紳士服銘柄全体のPERを押し上げることを期待していたりします =)
後は、下位を取り込むようなM&Aが出てくると、面白状態になりそうな予感はするんですが、どうなることやら。
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