今回参加したIRセミナーは、日本証券アナリスト協会が主催している個人投資家向けIRセミナーで、毎月週2回ペースで開かれています。場所は東京証券取引所、所謂東証です。今、お手伝いしている事務所が東証に割と近く、歩いてこれることが分かったので今回、積極的に参加してみよう、という企画になります =)。
今回、この銘柄を選んだのは決算説明会(@gantky1)さんのツイートで気になってまして実際、どいう経営者なのか興味を持っていました。
このセミナー、初めて参加したわけじゃなく以前からチョイチョイ参加しているのですが、いつも参加されている人たちが結構います。窓口証券でひなたぼっこしてる爺様達を彷彿とさせますな =)。部屋は200人部屋に50人くらいの参加者といった感じでした。
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少し前なのですが、NHKでチョークの会社の後継者がいなく結局、会社を清算したことが取り上げられていました。この時、同業他社へのM&Aを検討したそうなのですが、費用に2000万円掛かると言われ断念してしまったそうです。
次に、渡部さんの頭に浮かんだのは、会社を丸ごと買ってもらうM&Aでした。
しかし、病気になる1年前、偶然取り引き先の銀行から聞いたM&Aの経費は、2,000万円。
会社の2年分の利益に当たる額でした。
-- 黒字企業が消えていく ~自主廃業3万社の衝撃~ - NHK クローズアップ現代
仮にM&Aがうまく行っていれば、働いていた従業員の雇用が保たれ、今までチョークを愛用していた消費者のニーズに応えられたはずです。小さな出来事ですが日本の経済にとっては決してよくない事ではないかと考えています。
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M&Aキャピタルパートナーズは、成功報酬型の料金体系でして、初期の料金負担を必要としない経営を強みとしています。
個人投資家向け会社説明会の資料より。
何故このような価格体系にしたかというと、この企業の強みである直接提案型営業は、最初に費用がかかってしまうと話を聞いてもらえない中小企業が多いので、このような体系を選んだそうです。最初に費用が貰えない不利はありますが、キャッシュを持っていない中小企業にとっては十分、魅力的な話だと思います。このビジネスでも収益性に問題はないとのことですので、この料金体系は同業他社にない強みになるでしょう。
仮にチョークの後継者問題の時にM&Aキャピタルに出会えていれば、もしかしてM&Aにより事業を継続できていたかもしれません。
もう一つの強み、直接提案型営業があります。
これはM&A案件を待つのではなく積極的に顧客に営業し、潜在化したニーズを掘り出すことを強みとしています。一般的なM&Aビジネスは、セミナーや広告を使ってニーズを拾う反響型営業がほとんどです。
具体的にどいうことをやるかというと、高齢者が経営している企業をリストアップし、営業マンが足で稼ぐんだそうです。当然、興味が無い経営者にとっては邪魔な営業でして敬遠されることも多いんだそうです。こんなビジネスですので、断られてもめげないハートの強いする人を積極的に雇用しているんだそうです。
このスタイルにしたのは創業者の中村さんが前職でハウスメーカーの営業をやっていて、営業の重要性を認識してのことでしょう。中小企業にとってキッカケすらないM&Aを試してみることができる、というのは悪くないことだと思うんですよ。
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会社説明会での質疑応答は以下のとおり。
- 引越し先の家賃どうよ?
高いです><
一部上場のタイミングで引っ越すことを決めていた。 東京駅近くのグラントウキョウノースタワーにしたのは、地方から来た経営者の人たちが分かりやすい立地だったから。前は麹町にあったのだが道に悩むことが多かったらしい。今回の引越し先は大丸の上、というだけでわかってもらえる。今までの3倍の広さに増床したのだが既に詰まりつつある。 - 配当どうよ?一部で無配とかありえねえ
事業上、設備投資の必要は少なく配当は出しやすいのだが、現段階だとボトムの売上が立てにくい状況。どんな経営環境になってもある程度の固定費を持ちたいと考えている。
もう一つ、M&Aの業務内容を広げたいと考えており、そのためにある程度のキャッシュが手元に必要であると考えている。
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成長企業の認識なら中途半端な配当を期待するよりも投資に全部振った方がいいんじゃまいか、とは思ってる。取り敢えず優待で我慢しとけ。 - 配当はいつ頃をご予定で?
明確な基準はまだ持っていない。 - 人材集めどうよ?
泥臭い営業がキモなので素質を持っている人よりはハートの強い人が向いていると考えている。受け身な人は向いていない。今のところ、応募は多く選べる環境にある。 - 景気悪化でM&A市況に影響ある?
業績に大きく影響はしないと考えている。買い手はM&Aに慎重になるかもしれない。売り手は将来性の不安によりM&Aを検討することが多くなるだろう。金額が折り合わないことは考えられる。 - 3/8のセミナーではなんでキッコーマンの会長を呼んだの?
キッコーマンは100年以上続く企業として事業継承について話をしてもらうことにしている。その事をオファーしたら快く快諾してもらえた。 - ターゲット層はどの辺?
5~10億円程度の規模。数100億円規模はあまりない。
私も質問したかったんですが、質問時間が10分程度しか用意してなくて、しかも爺様達の長話も加わって時間切れに相成りました、残念。
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M&Aの仲介業としては案外、参入障壁が高いと感じました。
証券会社や銀行では手数料で旨味の少ない中小企業を積極的にキャッチアップし、手数料も十分魅力的で収益が成り立ってるのは強いでしょう。上場しているというのも中小企業のトップには魅力的に聞こえるはずです。
この手の使命感のある企業って好みなんですよ =)。
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