今回、この銘柄を選んだのは今期業績予想が悪くない割には評価されてなく、どんなリスクを織り込んでいないのか興味があって参加しました。特に経営者が直接説明会に来るケースというのは貴重でして、どのような見通しを持っているのかも聞いてみたいと思ってました。
場所は日本取引所、参加者は、相変わらず200人程度の会場で50人程度。前日の6080 M&AキャピタルパートナーズのIRセミナーと比べるとヤングは少なめでした。ソフトウェア業なのであまり興味が沸かないのかもしれません。
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システム ディは、ソフトウェア開発業で、パッケージ化したパーツを顧客に合わせてカスタマイズするビジネスを行っています(イージーオーダーパッケージ)。
2016年01月29日 34期業績と中期計画 (PDF)より。
パッケージの方が数が捌けて利益を確保しやすいのですが、システムディが手掛けている業種は、公共事業向けや教育次長向けや施設設備向けと特定事業向けです。パッケージ化しにくい傾向が強いのでしょう。仕方ないかもしれませんね。
前期は売上こそ伸びたものの、利益は業績予想より大きく下回ることになり、期中に下方修正を開示しています。これは前期に予定されていた「自治体向け地方公会計ソフト」の売上が、政府側の期ズレにより1年先延ばしになったのが理由とのこと。今期、強めなのはこの期ズレ分の取り込みが期待できるとのことで、要は前期の利益が今期にずれ込んだ、という認識のようです。
総務省の通達により自治体会計が単式簿記から複式簿記に変更されることになりまして本来、前期の内に運用を開始しなければならなかったとのことなのですが、今年に入って1年先延ばしが認められ、その影響を受けたとのこと。
これが本当だとすると、総務省が更に1年先延ばしをする可能性が気になるところでしょう。
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質疑応答の内容は以下のとおり。
- 配当性向低くね?
頑張る。 - 優待どうよ?
考えていない。 - 同業他社と比べて利益率低くね?
ストック型ビジネスに変えていく過程で利益率が落ちている。移行がうまく行けば利益率も回復していくと考えている。
以前のパッケージ販売中心だった頃は利益率は20%はあった。その後、景気悪化、少子化の影響、難しい学費引き上げ等のマーケットの理由により低迷した。このような環境変化に耐え安定したビジネスに切り替えるため、ストック型ビジネスに切り替えている最中。ユーザーを増やす過程で初期投資が嵩んでいるが、いずれ収益が戻ると見ている。
ストック型ビジネスとしてクラウドを活用した製品も開発している。 - 今期、2Q決算が前期よりマイナスなのは何故?
前期の特需要因による。
今期は通常的な売上になるために前期より利益が減っているように見えているが、低迷しているわけではない。 - 前期の下方修正の原因であった自治体会計が更に1年ズレることは考えられないか?
総務省から通達が行き渡っているので更に1年延期は考えていない。
既に多くの自治体に使ってもらっている製品で、NEC、内田洋行、東芝、ジャパンシステム等を介して販売してもらっている。日立だけが独自に開発しているようだ。
社長の話が長くなり、質疑応答の時間が殆ど残っていない状況でしたので、今回は積極的に手を上げました。前日の二の舞いにはなりたくないですからね。質疑応答で2名質問し、その内の一人が私です =)。質問の質からどっちが私か分かっていただけると幸い。
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今回の業績予想は、強い手応えを感じているようでした。
質疑応答の後も現状、不安要素は見当たらないと言い切っていましたし、多少の自信家であろうと割り引いたとしても、悪い結果にはなりにくい、と考えています。
2Q決算予想のままの業績ですと、前期から利益が落ちていると投資家が勘違いするのではないかという懸念は未だに持っています。この辺は、決算短信、決算説明会資料などを通じてキチンとフォローして欲しいという気持ちがあり、暗に分かるように質問したつもりです。
縮小均衡していく事業が多いのですがその分、効率化に向けた投資が増えてくるのではないかと考えています。この企業がその中で活用されるのか、判断しかねるのですが立ち位置は悪く無いのではないでしょうか。
- システム ディ Research Memo(1):公共分野ビジネスの本格離陸で、成長路線回帰への期待が高まる /日本株 | ロイター
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