2021年1月14日木曜日

【読書感想文】株は社長で選べ! (藤本誠之)



藤本さんの新書を買ってみました =)。


書名の通り、社長をみて投資先を選びましょうよって話です。ひふみ投信のファンドマネージャーである藤野さんの著書「スリッパの法則」に似た印象を持ちました。

後半は、藤本さんならではの売買のコツについて説明があります。簡単なルールですが特に上げ相場ではワークしそうな感じがします。失敗することで経験値を稼ぐという点で、一週間程度の期間を設けて売買をする話は同意でして、最初から長期投資を目的とすると概ね塩漬けになりがちです。売買に慣れてから徐々に運用期間を伸ばしていく方が、イザという時に判断が遅れずに済みます。

短期で慣らしつつ、長期投資へという流れが自然かと思います。


藤本さんのビジネスモデル


藤本さんは、経営者と直接会うことで値踏みをしています。

値踏みと言っても会ってくれる経営者は皆いい人で、そうでない人は知らんと至って分かりやすい判断のようです。昔、SBI証券の肩書があった頃は、こぞって会ってくれたのに今の肩書では会ってくれない経営者が多いんだそうな。とは言っても、株式番組のラジヲ出演やIR活動支援をしていることもあり、経営者が会う理由はあります。

肩書を気にせず、株価を上げたい、企業価値を上げたいと考えている経営者が会ってくれるということを考えれば、この値踏みの仕方はアリだと思います。意気込みって重要よね。


私の投資法との類似点


投資家さんとの会話になるとよく「どのような投資法なのですか?」と聞かれると「低PBR投資法です」と返答しています。今も投資判断の軸は財務分析なのですが、今の保有銘柄をみるにほとんど低PBR銘柄は残ってないんですよね。

「株主総会に参加して投資に自身が持てる企業に投資しています」と返答することが多くなりました。これも嘘じゃない。

  • 財務やビジネスに「エッジ」を持っている企業をお試し保有
    エッジとはなんぞやって話ですよね。例えば参入障壁の高さだったり、ビジネス全体が成長著しい分野だったり、強い志と行動力に優れていたり、保有資産が明らかに時価総額より下回っていたりと様々です。
    「~さえ解決すれば素晴らしい企業になるのになー」という問題意識を経営者と共有でき、それが近いうちに解決しそうな企業は特にお気に入りです。問題意識がずれていたり、業績に影響しないような認識ですとお試し保有で終わるケースがほとんどです。
  • 株主総会に参加してから投資期間と本玉を入れるか検討
    直接、株主として個人投資家が経営者と対話できる場は株主総会しかないと思っています。当たり前の話ですが株主総会には議決権を持っていなければ参加できませんし、発言もできません。企業を値踏みする唯一の機会と思って間違いないでしょう。
    最近はコロナ禍ということもあって、株主質問を絞り込む必要が出てきたのですが、それでもこの機会を活用したいと思ってます。
    気に入ればその日の内に買い増しも辞さないですよ =)
  • タイミング待ちなら数単元程度の保有で留めておく
    株式投資というのはなかなか難しいものでして、どんなに優れた企業でもタイミングが悪ければ儲かりにくいんですよ。なのでタイミングを見計らう必要があるのですが、一単元も持っていないと記憶に留めておくのが難しかったりします。
    もちろんメモ書きは必ず残しておくのですが、株価まではずっと追い続けるのは難しいと考えてます。なので気に入った銘柄は取り敢えず一単元は持っておくことにしています。欠点は保有銘柄数が増え続けることでしょうか。

藤本さんは、経営者に年に数回会おうと思えば会える立場ですが、会ってくれない経営者は値踏みが出来ないのは欠点かと思われます。株主総会は強制的に会わざるを得ない会議ですのでこの点では私に理がある、よね?

まあ3000社以上あるので会わない企業は捨てておけばいいという割り切りはアリでしょう。タイミング次第でなんとでもなりますし。


客観性が欠けるのが欠点


ビジネスモデル諸々が経営者の主観性に基づくのが多いのが気になりました。

ぶっちゃけ経営者のポジショントークのまま企業が語られることが多いです。弁の立つ経営者の発言をそのまま伝えているんですよね。短期のカタリストを作ろうとしている感は分かるんですよ、ええ。関係する企業は全て好評価であってほしいというのも分からんでもない。

でもなあ。

例えば、成長産業ですって言っても統計を見ると徐々に衰退気味のビジネスだったり、唯一のサービスと印象付けるも同業他社と比較するとトップではなく3番手あたりで競争激化気味だったり、立ち上げは10年以上先になりそうな事業を注目事業としてみたりと、無理がないかこれと思うことがシバシバ。

無料と有料との差がこのあたりで出るんだろうなと思わんでもないです(´・ω・`)

やっぱり最後のキーワードは、経営者ではなく藤本さんでもなく自分で見つけるしかないでしょう。そのキーワード探しのヒントの一環として藤本さんのラジヲや著書を確認する分には、エッジのある貴重な情報だと感じてます。なにせ唯一無二ですからね。


ということで


藤本さん関連情報など。


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