2016年7月4日月曜日

6405 鈴茂器工 - '16/05の「担当ファンドマネージャーの見方」

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6405 鈴茂器工


鈴茂器工は、寿司ロボットを製造している企業です。四季報の同業他社に5941 中西製作所5982 マルゼン9930 北沢産業

<米飯は奥が深い>
食品の取り扱いは、必ずしも機械化が簡単な分野ではありません。物性的に軟らかかったり粘り気があったりすることが 多く、金属を中心に作られた機械とはなじみが悪いうえ、味覚という極めて繊細な感覚によって検証されることから、粗雑な 取り扱いが許されないことが理由です。従って、機械化を進めるには現場に密着したノウハウの蓄積が必要で、産業的に はニッチ分野となりやすく、高収益企業が生まれやすい領域と言えます。その一例が今回紹介する鈴茂器工(6405)です。

同社は小型米飯加工機のトップ企業で、外食向けなどに強みを持っています。1981年にはにぎり寿司用のシャリ玉ロ ボットを開発し、回転寿司の産業化に大きく寄与しました。その後、自動包装・軍艦巻き・巻き寿司・いなり寿司など細かな ニーズに一つ一つ対応し、優越的な地位を守っています。ちなみに、皿盛りや持ち帰り容器への詰め込みは同社にとっ ても依然として課題であり、奥の深い分野であることが伺えます。

同社が活躍する場所は、国内の回転寿司に限りません。海外でもにぎり寿司は人気メニューであり、同社の輸出比率は 2割を超えます。また、国内ではスーパーの鮮魚・惣菜部門で寿司の内製化が進んでおり、前期は量販店向けの売上高 が回転寿司向けを逆転しました。寿司以外では、白飯の盛り付けも需要が拡大しています。 販売台数や顧客層の拡大に対応し、同社は現在メンテナンス部門や管理部門の強化を進めています。従来はワンマン 色の強かった同社ですが、外部人材の採用などにより一層の成長を支えられる体制が整備されてきました。2014年3月期 以降、利益的には踊り場となっていますが、来期以降は再び利益率の上昇も期待できると考えています。

鈴茂器工の製品は、外食や中食産業で多く使用されています。

例えば、ガストとかで器にご飯を盛る機械や、コンビニとかで販売されているおにぎりを成形する機械や、勿論、お寿司を握る機械も鈴茂器工が製造しています。お米を取り扱う機械というのはナカナカシビアらしく、ふっくらでありつつ形がしっかり保たれている状態に成形するのはかなり難しいんだそうです。

同業他社ですと意外なセクターなのですが、オーディオテクニカが有名でしょうか。


参入障壁は高め、と言いたい所なのですが、やはりアジアともなるとコピー品が出まわるらしく苦労しているという話はあがってました。サブビジネスとして消毒剤を製造する企業をM&Aしているのですが、こちらもビミョーな感じでしょうか。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


株主資本(右側)と現金(左側)の伸びが素晴らしい。

つか80%を超える自己資本比率と25%程度の配当性向と、製造業にありがちなケチケチ経営でして、株主の方向を見ているかというとややビミョーな感じは受けます。

続いてFCF。


うーん素晴らしい。

特に製造業は、見た目のP/LよりFCF経営ができているかで判断した方が宜しいかと思います。FCF経営を重要視してもなおFCFがマイナスである企業は、お宝銘柄かもしれません。調査してみることをオススメしたい。

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纏めると、やはり一族経営のカヲリがしないでもないんですよここは。なので「外部人材の採用などにより一層の成長を支えられる体制が整備されてきました」という苦瓜さんのコメントは結構興味深いところでして、注目したいところでもあります。

取り敢えずIR資料に注視しましょうかね。

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