2016年7月9日土曜日

今日の雑談 (7/9)

「ETFの2000億円の売り圧力」という記事の意味分からん


日経平均は上値重い展開。市場ではETFの分配金支払いのために大引けで2000億円程度の売りが出ると観測されている。日経225連動型上場投資信託 など主力のETFにおける分配金の支払い基準日が7月8日となっており、「例年出る話。昨年も株価の押し下げ要因となった」(国内投信)との声が出ている。
-- 〔マーケットアイ〕株式:日経平均は上値重い、ETF分配金支払いで2000億円の売り観測 | ロイター

SNS方面から流れてきた情報なんだが胡散臭い。以前、ひふみ投信のネタにしたんだが、説明してみたい。


ETFの決算期の多くは7月上旬に集まっており、7/8は流動性の高いETFである日経225連動型上場投資信託(1321)の権利確定日でした。

  • 日本株は3月決算銘柄が多い
    なぜ7月上旬にETFの決算が集まっているかというと、日本株の多くは3月決算の銘柄が多く、配当日は6月下旬に集中します。ETFを運用している側からすると7月上旬が一番余剰資金が集まりやすい時期なのでこの時期に集中します。
  • ETFの価額は投資家同士が決める
    ETFの仕組み上、投資家同士の日々の売買によってのみ価額が決められます。教科書的には、3月末から権利確定日に向けてETFの分配金の額を織り込んで徐々に価額が上がるのですが、最近の傾向としては3月末からとっとと配当分まで織り込むケースが多くなっています。
  • 権利落ち日には分配金分だけ下がる傾向が強い
    3ヶ月間も分配金を織り込んだ状態で価額が決められているのが結構不思議です。ボスが言うにはヘッジを掛けてると言うんですが、それでもねえ。

ETFの運用は、株式の他に現金(コールローン)を保有しています。この現金は、運用における費用や日々の信託報酬を差っ引くために予め余剰に保有しています。現金収入の殆どは株式から得られる配当金です。

配当金は、費用を差し引いた分の全てを分配する決まりになっています。7月上旬は、もっとも現金が貯まりやすい時期なので分配に適しているのです。

日経225連動型上場投資信託(1321)のH27年7月期の決算短信からB/Sをみてみましょう。


中身の殆どは、株式と純資産です。当たり前ですね =)。

それ以外にも現金同等物も結構保有しており、投資家に支払われるべき分配金は負債として計上されています。

ということで分配金に充てがう現金は既に十分保有しているのはお分かりいただけるだろうか。少なくとも分配金のために機関投資家から売り圧力が出る、というのは実に怪しいと思うわけですよ。

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次にベンチマークとの乖離をみてみよう。


日経平均の配当利回りは、7/8現在、2.01%。

3月期の決算落ち日の乖離率と7/8の乖離率を合わせると目算で2%。計算上は、7/11の乖離率はほとんど無いはず。

売り圧力に合わせてETFの買い玉を作るともしかして1%程度抜けそうな感じはあるんだが、この辺りは申し合わせでもあるんかいな。取り敢えず、大手の期間投資家がヘッジを掛けてるのは確かっぽい。

何とかこの乖離を抜く方法はないものか、、、


ファンダメンタルの話ってどう書けばよいのやら


たまに書いて欲しいと要望を受けるんだが、折角書いても食いつきが悪くて困るんだよね。結局、有名な書籍をなぞることになるし。

悩みどころ。


今日の米国株の上げはショートカバー説


同意。

ダウ平均の銘柄をみると上昇に寄与したのは株価が下落していた金融関連。今回の雇用統計で中央銀行の方針が大きく変わったとも決まったとも思えないんだよね。

多分、月曜日の東京市場も同様にある程度のショートカバーが入るのではないかとみてる。業種別ランキングで株価が下落していた金融、不動産、機械あたりが急騰するようだと気をつけたほうがいいかもしれない。ショートカバーは長く続かない。

寄付きの銀行セクターに注目したい。







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