2016年7月20日水曜日

9039 サカイ引越センター - ジェイリバイブ (16.07.15週次)

ジェイリバイブ(SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ) まとめページ

9039 サカイ引越センター


サカイ引越センターは、引っ越しビジネスを行っている企業です。四季報の同業他社に9062 日本通運9064 ヤマト HD

 今週は、日本の引越業界では売上高・引越件数ともにトップ企業の「サカイ引越センター」をご紹介します。同社は引越専業としてサービスの品質を向上させると同時に、強固な財務力を活かして積極的に地域展開を進めています。

 良質なサービスを支えているのは、同社の採用戦略と教育体制にあります。まず、毎年継続的に正社員を採用しており、2016年3月末の従業員数は5,379名と5年前の1.7倍になりました。さらに、1998年には各種知識や実技を認定する「サカイマイスター制度」を制定し、2004年以降、大阪本社、静岡、埼玉に研修センターを開設しました。ここではマナーの徹底に加えて、実際の住宅を再現したセンターで安全・安心な運搬方法を研修しており、サービスの質を高めることで顧客満足度を引き上げています。

 地域展開については、2016年3月末で全国に140拠点を展開しており、年間6拠点を開設しました。拠点を開設するにあたっては、トラックの駐車スペースも必要になるため資金負担を伴いますが、前2016年3月期も約25億円の設備投資を実施しており、強い財務体質が積極的な展開を支えています。こうして着々と拠点を設けることで、周辺顧客の都合に合わせたサービス提供が可能になります。実際、前2016年3月期は平均の引越単価が上昇しており、品質での差別化が進んでいることの証左といえましょう。今2017年3月期についても新たに9拠点が候補地として挙がっており、積極的な展開を進めていく方針です。さらに関東、関西、北陸に大型のターミナル拠点を設けて、長距離の移転や保管といった需要に応える体制強化も進めています。

 昨今の人手不足感が強まる中で、良質のスタッフで信頼できるサービスを提供できる同社の競争力はますます高まっています。引越を兼業で展開している企業の場合は、人繰りが限られる中で他の事業に注力する傾向もみられるため、今後もシェアを引き上げながら着実な成長を目指しています。

引っ越し業界というとどうも体育会系の流れを汲んでいるのかブラックな方向に行きやすい傾向があるようです。卑近な例ですと「アリさんマークの引越社」でしょうか。


数多の企業が競合する業界であることは注意が必要でしょう。


いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


有形固定資産と株主資本の伸びが目に付きます。

固定資産の6割は土地が占めています。これは上記の通り、駐車スペースの確保でしょう。業務上、駐車スペースが必要な事業の場合、賃貸するより保有することが多いようです。急に契約を外されるリスクを嫌っている模様。これは仕方がないかも。

株主資本は、2006年、2007年、2014年と増資をしているようです。借入より増資を選択している当たりは経営方針なのかもしれません。収益は安定しているようなので、土地を担保に借入したほうが経営的に有利だと思うんですけどね。

続いてFCF。


安定して現金を稼いでいるようで何より。

  • http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/weekly/2006073104_W_20160715.pdf

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