2018年9月2日日曜日

6998 日本タングステン - 日経IRフェア2018

IRフェアまとめページ

6998 日本タングステン


日本タングステンは、タングステンを使用した部材を提供する企業です。四季報の同業他社に東邦金属[5781]



  • タングステンってレアメタルやろ?貿易戦争で再熱したりせえへん?
    レアメタルの中でもタングステンは比較的多く産出されるほう。世界的には中国が50%程度の埋蔵量だが実際に流通しているのは中国で90%とほぼ独占。一時期よりは価格は安定してる。問題が再発した場合に備えて貯蔵量は数年分用意している。政府の政策備蓄の分もある。

    中国でのビジネスは難しいとの認識のようだった。レアメタルの制限はリスクの一つとして認識しておくべきだろう。
  • 利益低くね?
    中国の不採算事業が足を引っ張っていた。撤退済。
  • 今回業績が伸びたのはなんで?
    中国での不採算事業であった子会社を清算した。その後、利益の高い事業に集中したことにより収益が急速に回復した。
  • 今回IRフェアに参加したのはなんで?
    業績の回復が見えたこと、将来の資金調達を意識してIR活動を強めることにした。

    正直でよろしい =)。
    上場しているのですからエクイティ・ファイナンスも当然考慮するのは当たり前です。ですが、その前提には十分な株主との対話が必要であって、それを軽視して増資するというのは、違うのではないかと思うわけです。
    増資をするならせめてその理由を納得させるための活動はしてほしいわけです。
  • 1Q決算に合わせて2Q上方修正した理由は?
    HDDの需要が思ってたより減少していなかったのが要因。他に注力中のNTダイカッターが好調だった。通期の上方修正は様子見している状況だが状況は悪くない認識でいる。

  • HDDってヘッドの部分やろ?TDKに卸してるん?
    TDK以外の全てに卸している。TDKは京セラが卸している。ウチが唯一京セラに勝てる部材。SSDの流れによりHDDの出荷は減少気味になると見込んでいたが、データーセンターでの需要が増えたため、むしろHDDの出荷が増えている。いずれHDDの減少は避けられないがその速度は容量でのコストで優位なHDDが急速に減少するとは考えられなくなった。

    HDDメーカー各社共に設備投資を抑制している状況で、コスト面が減り利益を上げやすい環境になっています。なので需要が落ちたとしても値下げによる対応がしやすいと私は見ています。またHDDへの開発コストも減少していることから、1プラッタに対しての記録量が増えないので、容量を増やすにはディスク枚数を増やさざるを得ず、HDDヘッドの数が増える傾向にあるのではないかと。このあたりの推測は無視されたが多分、そいうことかと。
    ちなみに京セラの工場もこの会社も工場は九州にあるそうで、阿蘇山が大爆発しようものなら世界のHDD供給は一気に止まるらしい。怖い話やで。
  • NTダイカッターってなんぞ?
    不織布をカットする部材で今一押しの製品。おむつや生理用品の製造装置に使われる。タングステンを使うことで摩耗が減り、ランニングコストで有利になると営業している。ある程度、大型の装置であれば置き換える余地は高い。一方で少生産の企業にはあまり向いていない。
  • 紙おむつとか生理用品とかの機械を製造している瑞光[6279]との関係は?
    瑞光にも部材を卸している。昔から付き合いが長い。
    瑞光は機械を製造しているのだが生産ライン全般の設計も行っている。

    そうだろうね。ということで一つの指標として瑞光の受注が業績に関わりそうではああることは分かる。
  • NTダイカッターの再研磨工場が世界に点在してるんじゃが?
    摩耗は避けられないので一定時期に合わせて再研磨する必要がある。この研磨は機械と手作業で行っており、他社ではそのノウハウがない。手作業でやる理由は、色々ノウハウがありカットの効率を上げる効果がある。

    再研磨はちょっとしたストック収入になりそう。リピート率は高そうだ。どの程度数が捌けているのか聞きたかったんだが回答得られず。
  • 半導体装置の部材の調子どうよ?
    売り込み中。半導体装置のエッジング工程で使われる部材を開発した。従来のスチールより強度が高くメリットが高い。ただ各社とも慎重で採用には時間がかかりそうだ。

    多分、歩留まりを気にして積極的な採用に至らないのかと思われる。この業界は結構オカルトな面があるので運用実績が重要視されるのでちょっと先は長そうだ。ただし採用が広がれば利益率の高い業界故に、業績への影響はかなり高くなりそうだ。
  • カテーテルの部材の調子どうよ?
    売り込み中。一部で採用が始まっている。他の部材と比べてX線調査でキレイに写りやすく、照射時間を減らすことで体の負担を減らすメリットがある。

    これも高価格帯の製品になりそう。時間がかかりそうだが。

今回、初めてのIRフェア参加らしいが随分、手慣れている印象だった。

しばらくはHDDの売れ行きで業績が左右されそうですが、寡占化が進んだ業界なので極端に業績が変わることはなさそう。この間に次の製品開発を進め、柱となる商材が増えてくると面白い展開が期待できそうです。

後、自動車産業向けの溶接部材もなかなかヨサゲだ。

悪くないんじゃないかな =)。

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