SyncHack.com絵空事: 【株主総会メモ】 4921 ファンケル (17.06.17 土曜日午後1時開催)

株主総会なう pic.twitter.com/GaKnqYB8jV
— Mc.N＠お手伝い的な何か (@SyncHack) 2017年6月17日

4921 ファンケルの株主総会に参加してきました。今回で3回目です。

【株主総会メモ】 4921 ファンケル (15.06.20 土曜日開催)

目的は、中期経営計画の進捗の確認です。前期は中計の2年目で今期は中計の最終年度になります。前期の決算はどうやら未達になりそうな時期に創業者である池森さんが社長から会長になる人事を発表したのでもう一年、広告戦略を続けるのかなと思っていたのですが業績予想を見る限り、中計の進捗に合わせているようなので気になっていました。

新製品であるシニア市場向けの化粧品「ビューティブーケ」の状況、銀座スクエアのインバウンド需要、機能性食品の進捗を聞く予定にしていました。

場所は、横浜アリーナ。新横浜駅から若干歩くので早めに現地に向かうことをおすすめします。当日はかなりの人手になりますので迷うことにはならないと思います。早めに現地に向かって株主懇親会に参加するというのもアリ。商品に詳しいスタッフが色々説明してくれます。

参加者は、1500人規模の会場で800人程度。公式情報では2000人をゆうに超えていたとのことですが、株主総会でもらえるオミヤ目的の人も多かったかと。化粧品メーカーなので女性ばっかりかと思いきや結構、男性の方が目立った感じなのでこの辺はボッチ感もなく参加することができるかと思います。ここ数年、土日に株主総会を開催していますので平日に働いている人でも参加しやすいです。株主総会の初心者でもオススメできます。

興味深かったのは、耳の不自由の方のために手話のサービスを提供していたところでしょうか。パッと見たところでは手話サービスを必要としている株主さんは数名程度だったようでした。その人達のためにコストを割けるのは素晴らしいと感じました。

質疑応答は以下の通り。

事業を再度統合したようだが分割は失敗だったん？
分割は事業の意思決定を早めるために行い、効果はあった。今回、事業を統合するのは、重複している顧客が多く、販売チャネルを統一するために一社体制に戻すことにした。
前期の減損の中身は？
発芽米事業の減損が大半（長野工場の施設と土地で8億円）。
前期は広告の効果が悪かったのでは？
認識済み。中計の初年度は上手く成果が出たのだが2年目の前期は思ったより広告効果が得られなかった。今期は紙面の広告からネット広告を増やす政策を打つことにした。通信販売はネット広告に集中。SNSに注力し、ヤングにもリーチするようにした。
今期は投資有価証券の特益あんの？
予定していない。前期は44億円程度の利益があり、配当の原資にした。
ファンケル大学の役割どうよ？
ファンケルの理念の継承、経営層の育成、販売力向上を目的にしている。
店舗間で顧客情報の共有に問題はないのか？
ない。
美容液から美容汁の名称変更どうよ？
商品名は法で決められており変えられない。
配送運賃の値上げの影響どうよ？
すべての配送業者と契約したわけではないので確定していない。前期は40,7億円。置き場所指定サービスを徹底したい。
爆買いの影響どうよ？
中国・香港の代理店の売上が少し減少した。しかし爆買いで買っていった顧客はファンケルを初めて利用する場合が多く、現地でリピーターになるケースが考えられるので不利に感じていない。現地のニーズに合った商品を開発している。
アジアは成長地域として認識。
中国の健康食品は、輸入による参入障壁が高い。現地企業と協業することで解決。直営店があるので越境ECはやらない。

池森さん（創業者会長）→島田さん（現社長）へのメッセージ
納得できる後継者。会社全体でモノを考えられる人材。数値に厳しい。
島田さんメッセージ
会社のトップの近くで働くことが多くこの会社で７社目。無理難題を前向きに解決した。マーケット本部を兼務し、ものづくりと広告に注力したい。
池森さんメッセージ
そろそろ引退したい。長居はしない。
5年前に成長性鈍化による知名度低下、モチベーションの低下が見られたので復帰した。積極的な広告戦略を打ち出し、売上は成長に向けて上がったが利益を犠牲にしてしまった。前期は前前期より広告戦略が働かなかった。ヤングにもリーチするために今期はネット広告を重視する。
化粧品は無添加を重要視し30ccによる販売を続けていたが時代に合わなくなってきた。技術の進歩で100ccの化粧瓶でも品質を保つことに成功した。今後、新製品として出荷していきたい。健康食品は、成分が多ければいいものではなく、消化しやすいタイミングを重視した製品作りをしている。

13時開会 → 13:30質疑応答 → 14:40閉会後、懇親会場で色々聞くことに。ちなみに懇親会場に餌はありません。自社商品の割引セールをやっていました。

懇親会からが本番 =)

機能性食品の状況どうよ？
機能性食品が始まってからまだ2年。今後も機能性食品を開発したい。今期は10種類程度出荷予定。米国では7割が機能性食品。日本でも徐々に増えていくのではないか。
ちなみに売れ筋商品である「大人のカロリミット」が機能性食品として新しく出荷する。中身は変わっていない。
→
まだ2年と考えるか、もう2年と考えるのかで違うかな。
同業他社が機能性食品に追従してこないのが気になっているんだよね。こいうのは多くの企業が参加して広告を打ち始めると全体にメリットがでてくるってのが多いんだけど、参戦してくる企業が増えていないのが気になってる。そもそも機能性食品に記載されている警告文が印象良くないよね。本来ならチェックしていないサプリメントよりちゃんと統計を取った商品の方が評価されるべきかと思うんですが残念ですね。
そもそも健康食品はインチキがまかり通ってます。効能を言ってはいけないはずなのに何故か目がスッキリしているキャラクターが記載されているブルーベリーのサプリとかね。これをみて悟れ、と。駄目でしょこんなの。こんなのがまかり通ればいずれ100均のサプリに負けてしまうだろと。
後、機能性食品を増やすのはいいんだけど、コンビニの棚の面積は限られているわけで、売れ筋のカロリミットとえんきんが置かれると、入り込む余地は僅かでして商品を多く開発するメリットが少ないかもしれないなと。勿論、えんきんのような売れっ子が出れば別なんですけどね。このあたりは棚の面積を増やす以外対応できない様子。
シニア向け化粧品どうよ？
自信作。今後、営業を強めたい。
→
シニア向け化粧品は、最近各社が躍起になって掘り出している事業。シニアになるとお化粧をする機会が減るんだそうな。そんな世代に向けてお化粧の悩みを解決するような商品を提供し市場を開拓しようという試みが始まってるのよ。考えによってはかなりのブルーオーシャンなのです。資生堂やポーラやアイビー化粧品のしわ取りクリームもその一環になります。で、ファンケルはどうなのよと。
どうも角質層を柔らかくする効果をウリにしているらしい。しわ取りとか効能中心の化粧品ではなく、角質層を柔らかくすることで新陳代謝を促し美しい肌を取り戻す的なコンセプト。角質層が柔らかくならなければしわ取りだって上手くいかない。展示員の人も製品を毎日使っていて、自分でも気に入っているとのこと。本当に良い製品なのかもしれんが地味で売れそうな気がしない。化粧品はよくわからない。
ちなみにこの製品は、発芽米の研究を続けていたときに偶然に発見したらしい。この性能を見たとき、化粧品に流用することで売れる商品になると直感したんだそうな。他社が真似るのは難しいとみていた。
話してる内にこの商品の開発者であることが判明。当方のdis芸に付き合わせてしまい申し訳ない。市場に受け入れられるといいね。
銀座スクエア（ファンケル直営店）のインバウンド需要どうよ？
落ち着いている。今は大阪や札幌の方がインバウンド需要が好調。銀座は旅行客に飽きられているのかも。
→
これね、去年がすごかったのよ。1階が訪日客に溢れてて、キャッシュレジスタを増やさんと捌ききれない状況だったのよ。実際、見に行ってるので間違いない。
流石に去年ほどの需要はなくなったようなのですが、銀座スクエアは立地が素晴らしく銀座のど真ん中、銀座シックスの横にあるんですよ。銀座シックスからバス観光客が流れてくることも想定されるわけで再度、インバウンド需要が期待できるわけ。そう思って聞いたんだけど、まあ流石にあのときほどは酷くないみたいだ。
ちなみに銀座スクエアは、池森さんがバブル崩壊直後に買い取ったらしい。含み益はかなりの模様。これを賃貸で利用すれば確実に儲かるが、そうしてしまうと自社の自由度が減ってしまうことを懸念して直営店を続けているとのこと。
話を聞いたのは銀座スクエアの店長さんらしく、この他にも色々聞けたんだけどまあ利益に直結する話ではないので省略します。

今回、やはり池森さんが辞めたがってるのが気になりました。なんだかんだこの銘柄は池森さんの企業ですよ。役員数も多いですし辞めた後、「船頭多くして船山に登る」になりはしないか、気がかりです。

社風なのですが今回、掲げている「正直品質。」は、いかにもこの銘柄らしいと思いました。特に健康食品はエロい広告やギリギリの広告が受け入れられることが多いので、社風には合わないセクターなのではないかと気にしています。

この企業は、良くも悪くも正直なんだと思います。株価についてはさっぱり分からないのですが、長続きしてほしい企業ではありますね。