7879 ノダ
<市況依存からの脱出>
合板は典型的な市況製品です。メーカー間の品質格差が小さく、流通ルートも固定的ではないため、需給バランスによって価格が大きく変動し、メーカーの業績も不安定になりがちです。そのようなリスクの高い業界で、徐々に安定性の高い事業を拡大しているのがノダ(7879)です。
同社は静岡発祥の木材業者で、戦後合板に進出し、南洋材を原料に高度経済成長に乗って成長しました。南洋材丸太の輸入が困難になってからは、工場を石巻の子会社に集約し、国産を中心とする針葉樹に原料を切り替え中堅メーカーとして生き残りました。本体はドアやクローゼットなど内装材への川下展開を進め、現在の連結売上構成は約1/3が合板、約2/3が内装材となっています。
針葉樹合板の市況は上昇・下落を繰り返しています。最近では、2014年の春に消費増税前の住宅駆け込み需要への期待が高まったことで高値をつけましたが、増税後は仮需の反動もあって下落し、同社の業績も2014年11月期までの下半期、2015年5月期までの上半期は大きく悪化しました。しかし、在庫調整が進んだことで価格は反発に転じ、大手メーカーの火災も影響して現在は増税前の高値を上回っています。
同社の業績も2015年11月期までの下半期から急回復していますが、その要因は合板市況の上昇だけではありません。内装材部門で2014年に発売した新製品「ビノイエ」シリーズが、印刷シートで加工木材以上の質感を実現したことが評価され、急速に拡大していることも寄与しています。合板市況に関しては大手メーカー復旧後の下落リスクを意識すべき状況に差し掛かっていると判断していますが、内装材部門については、比較的安定した成長を続けることを期待しています。
この銘柄は3年前にも取り上げています。
この時に記載したコメントと左程変わっていません =)。市況の左右されやすい業種ですし、業種的には本来、5%程度の利益率は出せているべきなのですが、今までが低すぎでした。決算発表で急騰しているのですが、それでもPER 5倍程度で安定してしまっているあたりがこの銘柄の今の実力値なのかなとも。
3年前と比べると資料が多くなっているのは好印象です。変な話、この手の事業はIR活動に消極的なので、大して業績に変化はないだろうと今までスルーしていました。
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大手メーカーの火災云々は上記の記事かな。
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秋田プライウッドは合板生産量が国内トップクラスで、向浜第1、第2のほか男鹿工場(秋田県男鹿市)で合板を生産している。同社の担当者は「向浜第2工場の復旧の見通しは立たず、生産に相当なダメージだ」と話している。
-- 16.04.07 : 秋田の合板工場火災、鎮火は8日か 国内トップ級生産に打撃 - 産経ニュース
大手メーカーの火災云々は上記の記事かな。
合板価格は「日本合板工業組合連合会「合板統計関連資料(東京・日経価格)」」が決算説明会資料に載っていたんだけど、フツーには見れない資料のようです。このあたりはIR担当の人に聞くしか最新情報は取れないのかも。
まあでもしばらくは需給が絞まることで価格は高止まりしそうですね。
まあでもしばらくは需給が絞まることで価格は高止まりしそうですね。
- IR情報|会社情報|建材メーカー 株式会社ノダ
IR本拠地。決算説明会資料あり。
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