2017年6月9日金曜日

【株主総会メモ】 3919 パイプド HD (17.05.30開催)

株主総会メモまとめ



3919 パイプド HDの株主総会に行ってきました。初めての参加です。

目的は、過去に何回か決算説明会(@gantky1)さんが取り上げていた銘柄で気になってました。同日にキャリアリンク[6070]の株主総会があってどっちに参加しようか悩んでいたのですが結局、IRフェアに参加してこないパイプドHDに参加することにしました。


場所は、国際新赤坂ビル東館。赤坂なめてました。千代田線の赤坂駅で降りればよかったんですが、銀座線の溜池山王駅から歩くことにしました。これが大失敗。土地勘が無いくせに歩くのは危険ですよね、反対側に出てしまい迷子。折角、30分余裕を見て出てきたのに、現地についた頃には丁度ピッタリくらいでした。赤坂、恐るべし。

参加者は、100人規模の会場で20人程度。個人投資家は半分程度で女性は1名。シニア度が高くヤング率は低め。株主総会初心者にはオススメできかねます。

質疑応答は以下の通り。

  • 純資産の増加が少ないんじゃが?
    配当性向が30%あるためと、HD化にあたり大株主から株式の買取請求があり、それに現金をあてたために純資産が減少した。買取の資金は長期借入で行った。マイナス金利政策もあり、金利はかなり低めである。
    買い取った株は自己株として保有している。流動性を増すために自己株を有効に使いたいと考えている。ストックオプション等。

    自己株の始末に困っている感じで、嫌な感じがした。M&A時に使うという手もあろうかと思ったのだが、どうも放流したがっている印象を受けた。
  • 投資有価証券の中身どうよ?
    一つは米国のスプリンクラー社(彼らの商材のひとつ)への出資に、もう一つは、スプリンクラー社が日本国内で活動するための合弁会社に投資している。
  • ネット de 会計の撤収の影響どうよ?
    規模は小さく影響は軽微。もともとはM&Aで譲り受けた事業だったが、クラウド型会計ソフトの競争が激しくなり撤退を決定した。付加価値が付けにくい。撤退のための引当金は前期に計上している。

    競合相手については明言していませんでしたが、freeeのことでしょう。かなり露出度が高かったのと、多方から資本を調達できる環境に勝ち目を感じなくなったものと推察しています。
  • 定款変更の配当金を取締役会で決められるってのは如何なものよ?
    今回の定款変更は取締役の任期を2年→1年にするのがメインで、配当金の決議はメインではない。任期を短くした理由は、新規事業を計画するには1年では短いとの判断で行っていたがHD化により、1年でも大丈夫と判断したことによる。
    配当金については、決議議案にあげられないというわけではない。

    三尊さんの真似をしてみた =)。本当になんも考えていなかった感じが受け取られた。
  • PaaSの今後はどうよ?AmazonやGoogleとかに勝てんの?
    AmazonやGoogleは、低レベルのパーツを提供しているにすぎない。我々は、アプリに近いレベルでサポートしており、短期間でソフトウェア開発を支援する体制ができている。サポートを含めたサービスであり、彼らとバッティングはしない。
    コストは競争力のある価格帯であるという認識。

    知ってた =)。サポートを含めるあたりは気がかり。サポートはコストがかかりやすく効率化しにくい。
  • PaaSの成長性どうよ?
    まだまだ高まる。既にIT業界には古いサービスが多く走っており、それらはリプレースを必要としている市場でもある。リプレースには人手が多く必要になるのだが昨今、人材不足もあってニーズが高まると見ている。特にセキュリティは常にイタチごっこにあって変化し続けているのだが、PaaSに置き換えることで対策の一部をPaaS側に任せることが出来る。またブロックチェーンなどのニーズにも対応が簡単である。モジュールを追加するだけで対応が可能になるメリットがある。

    知ってた =)。
    でもね、聞きたかったことはPaaSの技術面での優位性よりも、顧客側が優位性に気がついていないのが原因じゃないのか、と私は思ってるのね。これに気が付かせるために必要なのは技術力ではなく営業力ではないか。仮に営業力に触れたら結構推せるのだが、やっぱりこのあたりは残念。
  • 売買高が少ないんだが?
    認識済み。自己株を活用したい。適切な第三者への割当等。
  • 株主数が減っているんじゃが?
    前期は、不正アクセス事件や事業撤退などのネガティブなことが多かったがこれらは前期の決算で膿を出した。今期は積極的なPRを行いたい。
    成長意欲はある。
  • 今期の業績予想が低いんじゃが?
    今期は3ヵ年計画の1年目にあたる年で、3年目の目標を達成するための投資を行う年という位置付けになる。特に人的投資を強めたい。人の投資は1年くらいは時間がかかる。

10時開会 → 10:20質疑応答 → 11:10閉会。オミヤ、会社説明会なし。

総会の状況はUStreamでも公開していました。個人情報保護のために出席番号のみの発言で済みました。


前期は、不正アクセスへの対応で随分時間を使ったようです。株主総会でも不正アクセスの件は触れていました。事件は常に起こるものとして、それを最小限に食い止めることが重要ではないかと思っています。私は十分な対応が行えていると感じました。


株主総会では、彼らのアプリを使って議決権行使を行いました。受付で渡されたiPadにあるアプリから議決権行使をリアルタイムで行える、というのがウリのようなのですが、たった20人程度の参加者でもオタオタ感があり結局、10分くらい掛かりました。

まだ世間に出せるレベルではないようです =)。

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この企業は、PaaSと呼ばれるネットサービスを提供している企業でして、ソフトウェア開発としてはパッケージ型に近いビジネスを行っています。

ソフトウェア開発業には大きく分けてパッケージ型と下請け型があります(私のオリジナルですよ念のため)。パッケージ型は、海外ではWindowsを開発しているMicrosoft社、国内ではウィルス対策ソフトを開発しているトレンドマイクロ[4704]が有名です。下請け型は、国内大手でNTTデータ[9613]伊藤忠テクノソリューションズ[4739]あたりが有名です。

下請け型は、親会社や関連会社からの仕事がメインとなり安定した収入源になります。こなせる仕事量は、作業員に比例し利益率は頭打ちになりやすい傾向があります。私の経験則上、利益率が7%程度で落ち着きます。現状では人手不足ということもあり、作業員を確保するのは難しい状況にあります。教育するにも1年程度は必要でして、それがコストとして重くのしかかります。一方で、不況になるとソフトウェアは真っ先に削られるコストでして、一気に仕事がなくなり、人件費が嵩む傾向があります。

パッケージ型は、出来合いのソフトウェアを多くのユーザーに使ってもらう事業になります。開発が終わるまでのコストは自腹で払い続ける必要がある一方で、一度完成してしまうとソフトウェアをコピーするコストはほぼ無いので、売上の殆どが利益になります。人気のパッケージがある企業はとても強いビジネスとなるのがパッケージ型の特徴になります。

私はパッケージ型を好んでこの業種に投資しています。




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