6638 ミマキエンジニアリング
ミマキエンジニアリング [6638]17/3期上期営業利益は前年同期比31%減だが、為替の影響を除くと50%増益と、減益は円高の影響。通期予想は同42%減、52%増を見込む。通年営業利益の為替感応度は1円の変動で米ドル56百万円、ユーロ86百万円の増減。下期想定為替レートは米ドル— 決算説明会 (@gantky1) 2016年12月8日
@gantky1 100.00円、ユーロ110.00円。16/3期の用途別売上高構成比率はSG(サイングラフィックス:看板、POP)48%、IP(インダストリアルプロダクツ:メーターパネル等の工業製品、ノベルティ)31%、TA( テキスタイル & アパレル:生地へのプリント)— 決算説明会 (@gantky1) 2016年12月8日
@gantky1 11%、その他11%で、IP、TA事業をSGと並ぶ柱にして、16/3期478億円の売上高を1千億円にする長期ビジョンを掲げている。1.3m~1.6m幅のインクジェットプリンターで、SG分野での当社の国内シェア(下記シェアはいずれも推定)は60%、(続く)— 決算説明会 (@gantky1) 2016年12月8日
ミマキエンジニアリング(承前)ローランドDG(6789)30%。アジアでは当社35%、MUTOHホールディングス(7999)35%、ローランドDG十数%。欧州で当社35%、ローランド40%、HP20%超、北米では当社15%、ローランドDG35%、セイコーエプソン(6724)とHP— 決算説明会 (@gantky1) 2016年12月8日
@gantky1 が各20%前後。小型機を得意とするエプソン、HPが当分野に参入したがインクのラインアップがないのが弱点。当社は耐候性の高いもの、廉価なもの等、8種類がある。また、カット&プリントの複合機で差別化出来る。ローランドDGと比較しての課題はコストが高く、北米に弱い事。— 決算説明会 (@gantky1) 2016年12月8日
@gantky1 今後2~5m幅の機種に参入する。メーカーはEFI(米国)、Durst(伊)の2社のみ、両社のコストは高く、勝算はある。10月に伊ラ・メカニカ社を買収しTA市場でのフルラインアップ戦略が可能となり、今後の寄与が注目される。— 決算説明会 (@gantky1) 2016年12月8日
溶剤プリンターと大判プリンターとの違い
ミマキエンジ、ローランドDG、MUTOH HDの3社は、溶剤プリンター(サインプリンター)という、特殊なプリンターを製造しています。キヤノンやエプソン等が製造している家庭用プリンターとの違いは、一般的な紙に印刷するのではなく、屋外看板やステッカー等の耐水性に特化したインク・用紙と、その印刷物を切り取るカッティング機能を備えてる業務用のプリンターになります。
上記の動画は、痛車で使われています =)。
大判プリンターは、数多くの企業が出荷しています。溶剤プリンターは、特殊な用途で使われることが多く、技術的な障壁が高いからか、ボリュームゾーンである100~300万円の価格帯ではほぼ上記の3社が全体を占めている状況です。米国市場ですとHPが強いのですが、それでもミマキエンジやローランドDGのシェアもかなりあります。
寡占化した業界と思って間違いないでしょう。
- 出力業・サイン業の具体的なお仕事とは?/サインの窓口/ローランド ディー.ジー.
- 第58回サインアンドディスプレショウ2016|SIGN AND DISPLAY SHOW 2016【公式サイト】
サイン業者向けのビジネスショーでして、何回か見に行きました =)。ローランドDGとミマキエンジの強さが光ってましたね。HPは5メートル幅のサインプリンターをデモしてまして度肝を抜かれましたね。カッコイイ。
顧客はどんな人たち?
広告業を請け負っている中小企業が殆どだそうです。
これらの中小企業が設備投資を行う場合、銀行から融資してもらう必要があります。融資をしにくい環境だったサブプライムローン問題の時は、投資したくても投資できない状況だったそうです。
広告業ですので、全体の景気が上向いている状況でないと仕事が回ってきません。また設備投資を行うと数年はそのまま使うことが殆どでして、これが売上の波になります。ミマキエンジは、この売上の波を分散させるために、サイン事業(SG)以外に、IP事業やTA事業を同時に成長させる経営を行っています。
アジアは、そもそも広告業者自体がデジタル化しておらず、手動で看板等を作っているのが一般的でして、これがデジタル化に置き換わるのは時間が掛かるとの認識でした。そもそもAdobeのソフトウェアの使い方ですら難儀しているようです。時間がかかりそうですね。
為替の影響は?
海外売上比率は、ミマキエンジの75%、ローランドDGの92%、MUTOH HDの71%といずれの企業も高いです。いずれも国内で製造し、海外へ輸出する状況ですので円安が有利に働きます。
海外に工場を立ち上げられないのかローランドDGのIR担当の方に聞いてみました。この手の業務向けプリンターは、使われるパーツが多くあり地域に根付いている数多の中小工場から納入してもらうんだそうです。高価な業務用プリンターで数が多く出る製品ではないので、販売状況を見ながら製造する必要があります。海外工場へ製造を移管しても部品の輸送コストや在庫リスクより、国内で製造したほうが効率が良いとの判断でした。
よって為替の影響をモロに受けます。
同じ流れの企業で7839 SHOEIという高級ヘルメットを製造している企業があります。この企業も国内にしか製造工場がないので為替の影響をモロに受ける傾向にあるのですが、海外販売店との面倒な会計やり取りがあって変なタイミングで売上が計上されます。機会があれば説明しましょう。
折角なんでデジタル屋台について紹介してみようと思ったんですが、本家からページが削除されてしまっているようです。10年以上前からの取り組みだから今更なのかもしれませんね。
ということで
為替と景気に大きく影響されるものの、製品自体は寡占化が激しく割と安定した事業と言えます。受注生産方式ではないものの100~300万円程度の製品ですので、生産調整は比較的行いやすいでしょう。
プリンター特有の消耗品である、専用インクが定期的に売上に貢献するのである程度の売上は計画できます。3社ともなんだかんだで財務状況は良好です。
投資をするなら、円安傾向にあり対象地域の景気が良好であるタイミングを選ぶと良いかもしれません。比較的トレンドは長く継続する傾向が強いのもこれらの銘柄の特徴です。
- 株式会社ミマキエンジニアリング 企業・IRサイト
IR本拠地。決算説明会資料あり。毎回、出来がいいです。
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