2016年12月28日水曜日

6638 ミマキエンジニアリング - 今日の決算説明会さん

決算説明会(@gantky1)さん、まとめページ

6638 ミマキエンジニアリング


ミマキエンジは、業務用プリンターを製造・販売を行っている企業です。四季報の同業他社に6416 桂川電機6789 ローランドDG7999 MUTOH HD








溶剤プリンターと大判プリンターとの違い


ミマキエンジ、ローランドDG、MUTOH HDの3社は、溶剤プリンター(サインプリンター)という、特殊なプリンターを製造しています。キヤノンやエプソン等が製造している家庭用プリンターとの違いは、一般的な紙に印刷するのではなく、屋外看板やステッカー等の耐水性に特化したインク・用紙と、その印刷物を切り取るカッティング機能を備えてる業務用のプリンターになります。



上記の動画は、痛車で使われています =)。

大判プリンターは、数多くの企業が出荷しています。溶剤プリンターは、特殊な用途で使われることが多く、技術的な障壁が高いからか、ボリュームゾーンである100~300万円の価格帯ではほぼ上記の3社が全体を占めている状況です。米国市場ですとHPが強いのですが、それでもミマキエンジやローランドDGのシェアもかなりあります。

寡占化した業界と思って間違いないでしょう。



顧客はどんな人たち?


広告業を請け負っている中小企業が殆どだそうです。

これらの中小企業が設備投資を行う場合、銀行から融資してもらう必要があります。融資をしにくい環境だったサブプライムローン問題の時は、投資したくても投資できない状況だったそうです。

広告業ですので、全体の景気が上向いている状況でないと仕事が回ってきません。また設備投資を行うと数年はそのまま使うことが殆どでして、これが売上の波になります。ミマキエンジは、この売上の波を分散させるために、サイン事業(SG)以外に、IP事業やTA事業を同時に成長させる経営を行っています。

アジアは、そもそも広告業者自体がデジタル化しておらず、手動で看板等を作っているのが一般的でして、これがデジタル化に置き換わるのは時間が掛かるとの認識でした。そもそもAdobeのソフトウェアの使い方ですら難儀しているようです。時間がかかりそうですね。


為替の影響は?


海外売上比率は、ミマキエンジの75%、ローランドDGの92%、MUTOH HDの71%といずれの企業も高いです。いずれも国内で製造し、海外へ輸出する状況ですので円安が有利に働きます。

海外に工場を立ち上げられないのかローランドDGのIR担当の方に聞いてみました。この手の業務向けプリンターは、使われるパーツが多くあり地域に根付いている数多の中小工場から納入してもらうんだそうです。高価な業務用プリンターで数が多く出る製品ではないので、販売状況を見ながら製造する必要があります。海外工場へ製造を移管しても部品の輸送コストや在庫リスクより、国内で製造したほうが効率が良いとの判断でした。

よって為替の影響をモロに受けます。

同じ流れの企業で7839 SHOEIという高級ヘルメットを製造している企業があります。この企業も国内にしか製造工場がないので為替の影響をモロに受ける傾向にあるのですが、海外販売店との面倒な会計やり取りがあって変なタイミングで売上が計上されます。機会があれば説明しましょう。

折角なんでデジタル屋台について紹介してみようと思ったんですが、本家からページが削除されてしまっているようです。10年以上前からの取り組みだから今更なのかもしれませんね。


ということで


為替と景気に大きく影響されるものの、製品自体は寡占化が激しく割と安定した事業と言えます。受注生産方式ではないものの100~300万円程度の製品ですので、生産調整は比較的行いやすいでしょう。

プリンター特有の消耗品である、専用インクが定期的に売上に貢献するのである程度の売上は計画できます。3社ともなんだかんだで財務状況は良好です。


投資をするなら、円安傾向にあり対象地域の景気が良好であるタイミングを選ぶと良いかもしれません。比較的トレンドは長く継続する傾向が強いのもこれらの銘柄の特徴です。


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