<瀬戸際からの復活>
液晶業界は往年のような成長性を失い、投資家に注目されることも少なくなっています。特に、完成品のパネルではシャープが海外勢との競合に敗れたこともあり、日本企業の存在感は小さくなっています。材料に関してはまだまだ日本勢が強いものの、内外での競争激化は予断を許しません。そういった状況下で収益回復を果たした関連企業の一つが、今回取り上げるエスケーエレクトロニクス(6677)です。
同社は液晶画面上に回路やカラーフィルターを形成するのに用いるフォトマスク(原版)のメーカーで、主な競合企業はHOYAです。フォトマスクは高価な石英基板の上に電子銃で精密な回路を書き込んだもので、最新鋭の大型マスクは一枚が数千万円、それを描画する製造設備は一式数十億円もします。
同社はガラスサイズで世界一となるシャープ堺工場の新設に対応し、2009年に100億円を上回る設備投資を行いました。しかし、海外勢がガラスサイズの大型化に追随しなかったこと、シャープが海外勢との競合に敗れたことによって、同社の最新設備は低稼働にとどまり、12月9月期は大幅な赤字に転落しました。
しかし、13年9月期は期中から業績が急回復し、下半期は半期ベースでは史上最高益を更新しました。最大の要因は堺工場のスポンサーとなった台湾の鴻海が立て直しのためフォトマスクを大量発注したことですが、その他にもシャープ以外の日本企業を糾合したジャパンディスプレイの業績回復・タッチパネル機能の液晶への取り込み・韓国勢の有機ELへの注力・主として中国市場での4Kテレビの普及・中国での液晶工場新設などフォトマスクの需要拡大につながる動きは多く存在します。足元14年9月期の業績について会社側は保守的に予想していますが、減価償却費が急減することもあり、利益は上げやすい環境にあると判断しています。
これはまた面白い所をツモってきましたね。
FPD関連の設備投資意欲なのですが直近ではかなり厳しいようです。主要顧客のシャープとサムソンがあんな感じですのでしばらくはこの状況が続くような気はします。
直近の新規テーマとしては4Kテレビの普及でしょうか。まあ3Dテレビのコケ方を見ていると今回は広告費を小出しにしている感が否めませんし、国内だと消費税増税もあって盛り上がる前に国内全体の消費意欲が減退している可能性は高いでしょう。消費者がテレビという媒体に大きな期待をしていない、と言う状況も大きいかもしれません。
PC用のディスプレイとしての4Kはどうでしょうか。
高級志向が強いAppleなら近い将来、4K対応のiMacやMacbookを出荷してくるでしょう。WinXP系のノートパソコンが終焉することでWin8系の高画面に適応できるOSが普及することで4Kディスプレイが盛り上がるかもしれません。少なくとも4Kテレビよりは筋が良いと思ってはいます。
つか私は欲しいです =)
- 2014 International CES:Dell、699ドルの28インチ4Kディスプレイを1月23日に発売 - ITmedia ニュース
- Lenovo、Android搭載4Kディスプレイ「ThinkVision 28」を発表 - ITmedia ニュース
- 4Kディスプレイ、デジタルサイネージ市場で昨年比590%の伸び予測 - PRONEWS
ということで米国あたりでまずヒットしてですね、日本に格安で渡来してくるようなことがあれば、投資先として面白いかもしれません。6737 EIZOとかにもチャンスがあるかも。
とはいえ、時間が掛かりそうな案件のような気がしないでもないです =)
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