2016年9月10日土曜日

マネックス「第1回 「銘柄選び、基礎の基礎」 」メモ

マネックスで始まってるオンラインセミナーが思ってた以上に出来が良かったのでコメントしてみる。


今回は、銘柄選びの基礎について。




8871 ゴールドクレスト


新興マンデベ。四季報の同業他社に8840 大京8881 日神不動産8869 明和地所

PERの低さ、最近の収益の向上で割安かもね、という話をしてた。違和感がある。

  • PERは安定した事業で比較するべき
    PERの考え方からすると毎年、一定の利益を積み重ねることが前提となっています。小売業やサービス業などは収益の安定性が高いので長年、利益を積み重ねることが期待できます。株券の価値で重要な配当は、利益の一部から支払われます。
    安定した配当は安定した利益から、なのです。
  • マンデベの収益は水物
    マンション開発は、単価が異様に高いのが特徴です。つまり売れる時は物凄い売上と利益になる一方で、市況が悪化すると在庫に支払われるコストと税金で収益が大きく削られます。最近はアベノミクスの影響からか不動産市況は悪くありません。なので売上が大きく伸びている事業ではあるのですが、この状況が続くとは限りません。特にマンションの需給は、過多になっている統計も出てきています。
    株価が割安に見えるのは、多くの投資家が警戒しているのかもしれません。

ここの特徴は、少数先鋭で人件費がかからないのと、保有資産の安売りをせず保有し続けることができる財務体質からでしょう。

好財務、増配でもイマイチぱっとしない株価なのは、不動産業全般に対しての不安感からかと思われます。不動産株が買われるタイミングで買うのなら面白いと思うのですが、今のところ、そのような景況感ではない気がします。

低PERといって買うには安定性が足りない、というのが私の感想。


3366 一六堂


居酒屋チェーン店。四季報の同業他社に3073 ダイヤモンドダイニング、3082 きちり、3175 APC。


同業他社比較で割安であることに注目。この切り口にやや違和感あり。

  • 居酒屋チェーン店の売上は水物
    また出ましたね、水物 =)。
    居酒屋チェーン店というのは、誰でも参入することが出来る事業でして、チェーン店以外でも個人商店でも生き残れている事業の一つです。ちょっとしたヒット商品が出れば収益が急激に上がる一方で、誰でもそのヒット商品をパクれる状況ですので、余程のアイディアでなければその売上は急速にしぼみます。APカンパニーの塚田農場然り、鳥貴族然り。
    ダイヤモンドダイニングのように常に新しい事業を模索しつつ突っ走り続けなければならないのがこの事業の特徴です。
  • 一六堂は月次を公開していない
    外食で月次を出さない所は投資判断に適していない、と私は思っています。
  • 増益の罠
    1Q決算の売上は伸びなかったものの利益が伸びたこと、自己株式購入を開示したことで株価を上げています。自己株式購入の影響でしょうね、株価は。
    居酒屋チェーン店で増益というのは実はやりやすいんです。出店や改築をしなければその分のコストが削減できますので当然、利益は伸びます。ただしずっと利益が伸び続けるものかというとそうでもなく、徐々に売上が減り、不景気ともなれば一気に売上が減ります。
    増益に甘んじていることが許されないのが居酒屋チェーン。廃れる速度は他の事業より早いです。

居酒屋チェーン店に投資するなら、割安株より成長株のほうが面白いでしょう。事業が好転し始めると飛躍的に売上が伸びていく様は圧巻です。月次を公開している企業が多いので、月次を見ながら成長性に応じて資金をぶっ込めることが出来ます。

優待新設期待には同意しますが、配当利回りの高さに期待するのは如何なものでしょう。居酒屋チェーン店は走り続けないとすぐに事業が腐ります。割安であり続けているということは、成長性に疑問視されている証左で、長期に保有することはおすすめしにくいです。

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いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


株主資本の積み上げは素晴らしいですね。無借金で現金をやや持ちすぎている感はあります。

優秀な割安株の特徴です =)。

固定資産がこの10年で伸びていないのは、新規出店を積極的に行わなかったからと想像します。成長期から成熟期に達しているのかもしれません。

続いてFCF。


2012年からは投資らしい投資をしてこなかったのが見て取れます。FCFは安定していますが、その幅は小さく、今後も維持できるのかはビミョーかもしれません。


8818 京阪神ビルディング


京阪神ビルは、不動産賃貸業です。四季報の同業他社に8803 平和不動産8806 ダイビル8933 NTT都市開発

ようやくボキュ好みな割安株キタ =)。


事業内容はぼほREITに近いことをしてます。

不動産を保有し賃貸することで収益を得る事業です。ここで重要なのは保有資産の利回りの良さと立地です。京阪神ビルディングは、梅田のWINS等、良質の物件を多く持っていて安定した収入が期待できます。

この前、IRセミナーに京阪神ビルディングが来てたんで色々質問したんよ。

  • 梅田のWINS改築のときは、よくもやりやがったなー ٩(๑òωó๑)۶
    梅田のWINSは、耐震基準に沿ってない状況で、継ぎ足しで増築を重ねたツケで補強でも無理という判断に至った。

    いえね、あの時結構持ってたんですよ。WINS改築でWINSが1年くらい運営できなくなって、その時の収益が大きく落ち込んだのよ。今後、あんなことをすることはあるんか聞いたんだけど、不動産賃貸業なのでそれは止むを得ないやね。
    まあ、仕方ないよねw
  • REITしないの?
    その質問はすごく多い。予定なし。
    長く収益を持続することをメインに経営している。REITだと収益の9割は分配せざるを得なくなり、持続するためのコストは増資しかなくなる。手元の資金で持続コストを捻出する経営が向いていると考えている。

    REITというゴミ箱ビジネスは日銀の後押しがあるからいいじゃん!って思うんだけどねw。不動産を回転させるビジネスは向いていないとの考えなのでしょう。万年バリューっぽい考え方だけど嫌いじゃないぞ。
  • データセンターとかクラウド時代に反したクソ事業じゃね?
    クラウドによる影響はある。が、現時点でも国内でサーバーセンターを持ちたい企業も多くあるのも事実。需給を見極めつつ設備投資していきたい。

    クラウドは革命でしたね。多くの事業が潰れ、それ以上に事業が生まれました。データセンターは山奥に作るわけにも行かないらしく、都心からの交通の便が良くないと好まれないらしい。

1Q決算のP/Lの印象が悪く、株価を落としている。理由は賃貸不動産を売却。そりゃ売上が減るのは仕方ないことでしょう。

こいう銘柄を撃ちぬくのは好みなんだけど、もう少し株価が下がらないと、ねえw。

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