2017年9月7日木曜日

6890 フェローテック HD - '17/04の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドまとめページ

6890 フェローテック HD


フェローテックHDは、電子部品と太陽光パネルを製造している企業です。四季報の同業他社にレーザーテック[6920]ハーモニック・ドライブ・システムズ[6324]アルバック[6728]

<たまにはリスキー・グロースも>

当ファンドの運用方針はどちらかというと安定志向で、比較的競争の緩い業界に属し安定的に利益を稼ぎ続ける企業を 好む傾向にあります。しかし、リスクを取りつつ高成長を求める企業に関しても、株価が成長性とリスクの両面から評価して 割安と判断した場合にはきちんと投資を行います。数少ないそういった企業の1社がフェローテック(6890)です。

同社は半導体製造装置向けの真空保持部材から始まった企業で、電熱変換セラミックも古くから手がけています。近年では電熱変換セラミックを応用した温度調節装置が米国向け高級車の革張りシートへの採用が進んでおり、安定成長事業となっています。また、半導体製造装置向け部材は振幅の激しい事業でしたが、最近は顧客である半導体業界の安定によって大きく落ち込むことはなくなりました。

それに対し、今でも同社の業績を大きく左右しているのはシリコンウェハー事業です。約10年前はドイツの太陽光発電買取制度により太陽電池向けウェハーの需要が急増し、同社の結晶製造装置が大きく伸びましたが、同制度の縮小により大量の在庫を抱える結果となりました。同社は売れ残った装置を電気料金の安い中国北西部の自社工場に設置し、ドイツ以外の需要を頼りに自らウェハーの生産を拡大しましたが、太陽電池の需要が各国の制度依存である点は変わらず、収益は不安定な状況が続いています。

しかし、同社はウェハー事業もあきらめていません。現在はより安定した需要の見込める半導体向けに重点を移し、前世 代製品である直径8インチのウェハーへの新規参入を進めています。8インチウェハーは中国の半導体産業育成などにより 需要が拡大しているのに対し、大手ウェハーメーカーは増設の意思に乏しく、品不足の状況が続いています。投資規模も大きくリスクの高い事業ではあるものの、需要の伸びる国において低コストで生産するのは理にかなった行為でもあり、勝算は十分に見込めると評価しています。

17.08.05のIRフォーラム 2017東京でフェローテックHDのセミナーを聞いてきました。その時の模様をざっくり書いてますので参考にどうぞ。


彼らは中国の積極的な半導体設備投資に期待しているらしい。今後も多くの工場が建つらしく設備投資は始まったばかり、という認識でした。その需要に応じて8インチウェハー(200mm)を製造する工場を新設しています。シリコンウェハー製造で2大巨頭であるSUMCOと信越化学は、一番広い12インチ(300mm)が主力で、8インチはやや小さめでして、小ロット向けと思われます。450mmウェハーはしばらく無理そうなので8インチで勝負になると見ているのかもしれません。立ち上げ当初なので歩留まりが気になるところでしょうか。

半導体用シリコンウエハー大手のSUMCOは8日、伊万里市の九州事業所で、直径300ミリのシリコンウエハーの生産能力を月産で現在より11万枚増強すると発表した。投資金額は436億円。2019年上期の稼働を予定している。
-- SUMCO、生産能力増強 伊万里事業所436億円投資へ|佐賀新聞LiVE

8月にSUMCOが設備投資を計画しているとのニュースが出てましたので、もう少ししたら供給不足も解決するかもしれません。

中国の設備投資意欲次第で、面白い展開が期待できるかもしれません。課題は、太陽光パネルの後始末ですかね。

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