2019年10月18日金曜日

IRフェアの参加・不参加リストの使い道 (19.10.17)


IRフェアまとめページでIRフェアの参加・不参加リストを纏めているんですが、このリストを纏めている理由が分かってない人がいるらしいということに気がついたんで、使い道について書いてみます。


新規の参加企業は好調のサイン!


日頃、IRフェアに参加してこなかった企業が参加している場合、以下の理由が考えられます。

  • 経営環境が良くなったから
    経営環境が悪い状態では、真っ先にコストカットされる活動ですのでIR活動費用を捻出することはできません。経営状況やビジネス環境が良くなっている状況だから企業アピールが効きやすいんです。株価がぶっ下がってる状況ではIR担当者もアピールしにくいですからね。
  • 株価が低いと感じたから
    事業価値と比べて市場の評価が低いと本気で思ってる経営者もいます。経営者自らが説明会に立ち、株価について触れてる場合は大体このケースです。経営者のプレゼンも気合が入ってるのでオススメです。
  • 中期経営計画(中計)に自信があるから
    中計初年度での参加のケースですね。概ね中計初年度の計画は投資重視になるので増収減益になりやすいのですが、その先の2年目、3年目に期待してほしいとIRを強めて、その間、株価を下げないようIR活動を強めます。前向きな計画なのでIR活動しやすいし、新規の投資家が一番良いポジションで買えることもあって効果的です。
  • 経営者が変わって方針が変わったから
    急にIR活動が積極的になった場合によくあるパターンです。経営者がMBA持ちだったり、外部から招聘されたプロ経営者だったりするとIRに積極的になります。経営再建や不人気セクターでありがちです。
  • 認知度を高めたかったから
    認知度向上により人手不足の解消を狙うパターンです。投資家の認知度を上げても人手不足の解消には直結しないとは思うのですが、就活生が混ざってたりするので全く意味がないということではないと思われます。時価総額の高い企業で多いかな。
  • 大株主からIR活動を勧められたから
    大株主は外資系投資ファンドというケース。アクティビスト活動が強いファンドが大量保有している企業にありがちです。「ファンドの人に参加を勧められたんですね?」と聞くと割と素直に答えてくれたりします。長期保有目当てでしょうから、私は好意的に見ています。
  • 株主数を増やしたかったから
    現在(19/10)、東証一部上場を維持するためには2000人の株主数が必要になります。この手の正攻法(?)は優待新設なのですが、経営者によってはIR活動の強化で株主数維持を目指している場合があります。残念ながら効果は薄いのですが、嫌いじゃないですよ =)。
    逆に鞍替え上場のためのIRフェア参加というのはあまり聞いたことがありません。効果が薄いですし。

どの理由も企業にとって良い兆しがあると捉えています。

理由は「なんで今回、IRフェアに参加しようと思ったんですか?」と直接聞いちゃいましょう。ブースのボス級の人に聞かないと「認知度向上のため」とかつまらない回答を用意してくるので、聞くならボスか経営者に。

ちなみに中小型株のブースの場合、十中八九、役員がいます。自分にとってストライクな企業なら事前に役員の顔写真を見ておくことをオススメします。役員とIR担当では天と地の差です。


不参加企業は不安要素のサイン?


前回、参加した企業が一切参加しなくなった場合、以下の理由が考えられます。

  • 経営環境が悪くなったから
    上記の逆パターン。IR活動は真っ先に削りやすい販管費なんですね。IRフェアの参加に難色を示す企業の多くは参加費の高さをあげます。確かにブース出展は高いんですよね。しかも従業員数名を2日間、全日参加させるわけですから当然、その分のコストが掛かります。羽振りのいいところはおねーちゃんやら景品なども用意していますのでこのコストも馬鹿になりません。
    私としては、ログミーファイナンスなどの若い個人投資家に絞り込んだ説明会の方がコストが安く効果が高いと思うんですよね、、、。平日の証券会社主催の説明会なんてノベルティ目当てのおじいちゃんしかいないですよ(´・ω・`)。
  • 株価に満足したから
    株価の評価が急激に上がると必要性を感じなくなるようです。本来、IR活動は企業の状況を正しく知ってもらう活動であって株価には左右されないはずなんですが、株価目当てで参加しているところは株価が上がると参加しなくなるようです。
  • 経営者が変わったから
    これも上記の逆パターン。経営者がIRの必要性を感じていない場合も多々あります。表に出るのを好まない経営者もいます。
  • 目的を達したから
    ある程度認知度が高まったと判断して参加を止めるケースがあります。参加費も高いのでこれは致し方ないかもしれません。数年に一回でいいんでたまに参加するのが効果的なのではないかと私は思ってます。
    IRフェアは、ヤングの参加率が高いですし、ノベルティ目当ての爺さんたちも少ない利点があります。是非、一度は参加していただきたいとは思ってます。

なんだかんだで多いのは経営環境の悪化です。景気が良いときは不動産業、金融業、自動車部品などの製造業等々、景気敏感株が多く参加します。この手のセクターの参加か悪くなった時は景気が悪くなった証拠でしょう。


常連組の状況は様々


規模が大きいIRフェアは、東証IR(3月、東京)、名証IR(7月、名古屋)、日経IR(9月、東京)、野村IR(12月、東京・関西)があります。常連組とはこのIRフェアに全て参加している企業を指しています。

常連組は時折、参加・不参加を繰り返すことがあります。多分予算の都合上かとは思われます。今回、IRフェアに不参加であったとしても、他のIRフェアに参加を続けていたりするのであまり気にする必要はないかと思います。

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