事業概要
キトーは、運搬用機器(ホイスト、クレーン等)を製造・販売を行っている企業。
売上高の8割が海外で、5割弱が米国になる。業績は為替の影響を受けやすい(輸出企業なので円安有利)。主力のホイストの国内シェアは約6割、米国でのシェアは約4割と高シェア。安全性を問われる製品より参入障壁は高い。
QonQ ('22/2Q)
マネックス証券の銘柄スカウターより四半期業績。
QonQで、増収増益(売上高+21.0%、営業利益+43.4%)。製造業でありがちな話だが、年末、年度末に売上が伸びる傾向がある。
増収増益要因
売上は、米国、欧州の景気回復による積極的な設備投資の影響を受け増収。利益は、前年同期比より円安傾向にあること、資材費高騰を値上げでカバーしたことにより増益となった。
シェアが高いと強い価格決定力に支えられた値上げがしやすいんですね。
今後の考察
今回の2Q決算では、通期上方修正は無かったがコンサバな数値とみている。極度な円高や資材費高騰、海上運搬のさらなる混乱、コロナの再流行などの環境変化がなければ、いずれ通期業績を上方修正してくると思われる。年末の3Q、年度末の4Qはキトーの書き入れ時であり、去年より棚卸資産を積み増しているところからも自信の表れが垣間見られる。
米国は、バイデン政権になってから本当にインフラ投資に資金が回ってるのかもしれない。11月にインフラ投資法案が通れば更に拍車がかかることに期待したい。資源高による設備投資がどの程度進んでいるのか、手応えを聞いてみたい。米国のシェールオイル、カナダのサンドオイルが活発になれば、キトーの製品も多く使われることになる。
日本は、相変わらず設備投資が低調ではある。自動車産業がお得意先ではあるのでその影響は受けてるのかもしれない。コロナ、オリンピックとイベントが続いており、老朽化が進むインフラ投資がお座なりの状態が続いている状況にあって、今もなお積極的に設備投資を行わない理由が分からない。人材不足や資源高高騰で様子見しているようでは、老朽化のリスクが大きくなるばかりだ。大きな事故に繋がる前に設備投資を早急に始めるべきなのではないかと感じている。
製品のシェアが高いとミクロからマクロを覗くことができるのが強みよね =)。
数週間後に決算説明会が行われ、その時の模様が公開されるのでそれをみて、色々判断したいと思っている。
(21.11.11:追記)
決算説明会動画が公開されたので追記。
- 日本:
緩やかな設備投資に留まっているものの、海外の積極的な設備投資意欲に引きずられる格好で徐々に意欲が戻っている印象。3週間前の名古屋での工作機械のイベントでは活況であった。民間の設備投資に期待。 - 米国:
前年と比べ設備投資が活況になっている。ただし海上輸送の混乱、人手不足が深刻になり供給はギリギリの状況。 - 中国:
コロナ後の回復が顕著だが一部、設備投資にピーク感が出てきている。下期は高原状態を継続。 - アジア:
力強さを感じない状況。タイは自動車産業、韓国は半導体産業が中心。下期は若干明るいか。
売上比較で利益予想を控えめにしたのは、下期に予想される海上輸送費や資材価格の高騰を織り込んでいる。業績予想は固めにしている。
決算説明会の質疑応答の模様がテキストで公開されている。去年より多くの質問があったのは、興味の表れと評価したい。
絞殺は考察にしましょうしょ~。なんか怖いですよ
返信削除了解。変えときますね。
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