2014年11月14日金曜日

3712 情報企画、3252 日本商業開発 - 今日の決算説明会さん (14.11.13)

3252 日本商業開発


日本商業開発は、商業地を中心とする不動産投資業です。四季報の同業他社に3277 サンセイランディック3230 スター・マイカ8923 トーセイ




不得手なので紹介だけ。

初めて検討した時はPER1桁台で流動性が皆無でした。よく分からないという理由でスルーした記憶があります。名証ですし優待もある訳で鞍替えは秒読み段階でしょう。


3712 情報企画


情報企画は、金融業に特化したパッケージソフトの開発・販売を行っています。四季報の同業他社に3768 リスクモンスター4743 アイティフォー3804 システム ディ。結構、遠いんじゃないかなあ。会計関連でパッケージ販売している銘柄となると、3763 プロシップ3836 アバント9629 ピー・シー・エー9928 ミロク情報サービスあたりの方が適切かと。競合相手は4684 オービックあたり。


パッケージソフトは悪くないんですよ。昔とっとと非上場になったワークスアプリケーションズという銘柄を持ってましてね。その関係で色々調べてました。

ソフトウェア産業は、効率が悪く合理化しにくい特徴があります。変な話ですが、顧客のビジネスの効率を最大限引き上げるソフトを開発する人たち自身は、効率化しにくいのです。顧客のビジネスに沿ったソフトウェア開発を行う場合、新しく部品を作らなければならず、その部品を作る作業はほぼ人手に頼った作業になります。自動車産業のように、プレス機を導入すれば、後はパッコンパッコン機械を動作させるだけで儲かる産業ではないのです。

人頭が売上に連動する、という言い方が正しいかもしれません。如何にもブラックっぽい話ですが実際ブラックです =)。

その点、パッケージソフトは有利です。予め顧客のビジネスに合いそうなソフトウェア群を開発し、販売します。新規に開発する事なく出来合いのパッケージソフトを提供する事になるので、一度開発してしまえば後は売るだけです。ソフトウェアの特徴は、複製がほぼ無料・無限に出来る事です。パッケージ化してしまえば、コストはほぼ掛かりません。しかもメンテナンス料でストック型の報酬も望めます。

チェック項目を上げると以下の通り。

  • ストック型ビジネスの有無
    売りっぱなしのビジネスですと、売上が安定しません。販売した後にメンテナンス契約が結べるかどうかで利益の安定差が違います。メンテは安定したキャッシュになるので、ソフトウェア産業には珍しくキャッシュフロー経営も実現可能になります。会計関連は税制に変更が入りやすいので、メンテ契約は容易のようです。
  • 単価
    1契約に対しての対価は重要です。UBICのように契約に数億円程度掛かるビジネスですと、1顧客に対するリスクが大きくなります。逆にゲーム業界のように数千円程度ですとある程度のキャッシュが望めますので安心感が違います。
  • 独立系or系列系?
    系列系ですと、系列のインフラ整備のための仕事が大半を占めるのですが、利益率があまり伸びず、系列の経営状況が悪くなると真っ先に仕事が貰えなくなる事が多く、凄い勢いで赤字になります。
    最近は系列系の方が、親会社の都合で酷い扱いを受けるような感じがあります。投資するなら独立系をお勧めします。
  • ソフトウェア仕掛関連の存在
    ゲーム関連でありがちの会計項目なんですが結構、いやらしい。後に説明する事もあろうかと思うのですが、額が多いようですと身構えた方が宜しいでしょう。

IRページよりもリクルート活動ページの方が分かりやすく業務説明されているようです。どっちに向いてビジネスをしているのやら =)。

ざっと見、顧客は金融業に特化しており実績は手広いようです。ただ地銀も淘汰が始まりつつあるので長期的に見るとビジネス環境としては弱い感があります。販売とメンテの売上の割合は1:1とバランスがいいですね。景況感が悪くなってもやり過ごせそうな感じは受けます。

特筆すべきは流動負債の「前受収益」でしょう。前受金は安定したキャッシュ経営には不可欠です。立場が弱いと前受金でビジネスが行われることはまずありません。ビジネスとしては強い部類に入ると思っていいと思います。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。ここはやっぱり5年で =)。


徐々にですが株主資本を増やしていってるようです。配当性向も3割チョイなので順当な増え方かと思われます。

何故5年にしたかと言えばですね、2012→2013年の現金の動きに注目していただきたい。物凄い勢いで現金が減っており、その代わりに固定資産が積み増されています。一体、何に投資したのでしょう?自社ビル?

◆新事業(不動産賃貸事業)
当社は金融機関相手の事業で貸倒の経験がなく、資産総額30億円に対して現金預金が24億円という非効率な状態であったことから、約半分の12億円を投資してワンルームマンション・貸駐車場・貸オフィスビルをこの半年間に購入した。期末近くの購入で当期の売上には貢献していないが、来期以降、売上高億1百万円、経費26百万円、減価償却52百万円、営業利益23百万円を見込んでいる。
--- 会社説明会 日本証券アナリスト協会主催(東京)(314KB)

どうやら2013年度に新規事業として不動産賃貸業を始めたらしい。その時組入れたワンルームマンションとやらが計上されているのがアレ。

財テク(死語)かよ、うわぁ。

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纏めると、やはり金融業に特化しているので環境の変化に弱い所が挙げられるでしょう。実際、リーマンショック前の売上・利益に全然到達できていないですし、金融業の景況感次第で売上も連動する事になるのは仕方のないところかもしれません。

さりとて、同業他社を買収するなり新規事業に手を出すなりの成長戦略が今の所は見えないまま、現金を持て余し財テクに走るという、ちょいバブリーな経営を感じざるを得ません。上場している意味合いはあるのでしょうか?

とはいえ。マザーズから鞍替えしたい意欲は強いようで、そのための優待なんでしょう。東証一部に鞍替え上場できれば美味しい株価になるやもしれません。

PBR1倍割れなら悪くないね =)。

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