工作機械の部品不足って話
割と今更感はあるが解決策は乏しい。
記事では工作機械に必要不可欠な部品を提供しているTHK[6481]、日本トムソン[6480]がアップアップで受注はあっても完成品が出ていかないという状況が続いているとのこと。同様の仕組みであるボールネジを提供している日本精工[6471]も増産しているが追いつかないという。
需要急増の背景には複合的な要因がある。例えば、16年秋頃に従来の“シリコンサイクル”では下降局面に向かうはずの半導体製造装置向けの需要が増加。17年3月以降にスマートフォンのモデルチェンジに伴う設備需要が急回復した。17年5月以降は自動車関連とみられる設備投資が活発化し、日本精工の内山社長は「特に工作機械向けの需要が月を追うごとに強くなっていき、急きょ増産体制を構築した」と振り返る。
-- 工作機械、納期1年超の異常事態 空前の活況で部品足りず (日刊工業新聞電子版) - Yahoo!ニュース
中国と米国の需要が重なった結果になるのかな。
好況時に要素部品が不足するのは「この10年、20年のことではない」(業界関係者)。古くからある現象だ。直近では工作機械受注が過去最高を記録した、07年が記憶に新しい。当時は軸受不足となり、日本精工、NTN、ジェイテクトなどが設備投資に動いた。しかし、翌年にはリーマン・ショックが起きた苦い経験がある。設備投資後の需要の急減もまた繰り返されてきた歴史であり、構造上の大きな課題だ。
-- 工作機械、納期1年超の異常事態 空前の活況で部品足りず (日刊工業新聞電子版) - Yahoo!ニュース
そうなんだよね。増産するためにうっかり積極的な設備投資を行って、景気が急落すると簡単に経営が傾くのもこのセクターの特徴なのよ。とはいえ、今は倒産しないようキャッシュフローの範囲で設備投資を行う企業が多いので大丈夫なんじゃまいかとは思うんだよね。
「部品不足で受注をさばききれない」。自動車部品加工などに使う放電加工機の大手、ソディックの幹部は明かす。
-- 工作機械、受注好調も部品不足の影 :日本経済新聞
まあここでもTHK、日本トムソンのリニアガイド供給不足の影響が出てるのよね。受注はブタ積みされてるんだけど、部品不足で完成品が出ていかないという状況でして色々惜しい銘柄なんよ。なんかLMガイド - WikipediaによるとTHKの国内シェアは70%と圧倒的なんね。
ということで工作機械の売上は相変わらずTHKの生産能力に委ねられてますよって話。
ということで工作機械の売上は相変わらずTHKの生産能力に委ねられてますよって話。
船舶燃料油のSOx規制について調べてみた
1~3月産業天気図が公開されました (18.01.04)で見つけたネタなんだがバラスト水規制以外にも特需はありそうな予感がしたので調べてみることに。結論からすると投資には役に立ちそうもナサゲだが、調べ方についてメモを残してみる。
1時間程度の調査だから大したことはないとは言っておくぞ。
Google News検索で単語を放り込む
船舶燃料油 SOx規制 - Google 検索で検索。検索はフツーの単語検索よりニュース検索のほうが精度がいい。ここで目についたのが以下の記事。
国際海事機関(IMO)は昨年10月、大気汚染防止策として船舶が排出する硫黄酸化物(SOx)を減らすため、船舶用燃料の高硫黄C重油に含まれる硫黄分の規制を20年から厳格化する方針を決定した。
-- 船舶燃料の環境規制、ガソリンや軽油など石油製品価格に波及の可能性 - Bloomberg
硫黄分を取り除いた燃料を使う必要が出てきた模様。対策は以下の通り。
船舶を保有する海運会社が取れる対応策は三つ。従来の燃料より割高だが硫黄分の含有量が低い低硫黄C重油や軽油に切り替えるか、液化天然ガス(LNG)という全く新しい代替燃料へのシフト、あるいは排ガスから硫黄分を除去する「スクラバー」と呼ばれる洗浄装置の設置という選択肢がある。LNGの利用やスクラバーの設置には保有する船舶を改造するための設備投資が必要になる。
-- 船舶燃料の環境規制、ガソリンや軽油など石油製品価格に波及の可能性 - Bloomberg
- 硫黄を取り除いた高価な重油に切り替える
コスト高に繋がるが現実的な解。石油会社からの供給が必須になる。設備投資に応じてくれるのだろうか。 - 燃料をLNGに切り替える
新造船での対応になりコスト高。 - 「スクラバー」という洗浄装置を設置する
これもコスト高。ドックでの改造になるだろうから時間と費用が掛かることが予想される。燃料を多く使う大型船にメリット。費用は数年で回収可能。
低硫黄な重油が確実に供給される見込みが難しい地域があり、燃料高騰が予想されるので「スクラバー」という装置の取り付けに一定の需要がありそうな感じだ。そこで、
スクラバー - Google 検索で再度検索。Googleニュース優秀。
- 三菱重:20年からの海洋環境規制、船舶関連事業の受注を後押しへ - Bloomberg
国内でスクラバーを製造しているのは富士電機と三菱化工機の2社。三菱重が新規参入へ。 - NS ユナイテッド海運/次なる飛躍へ(2018 年 新年あいさつ)|物流ニュース、ロジスティクス情報
環境対策のためにスクラバーの設置を検討。環境対策を武器に。 - 商船三井テクノ、SOxスクラバーの販売代理店契約締結
SOx規制をビジネスに。一定の需要はあるのかな。
ということでスクラバー需要があったとして特需がありそうなのは富士電機[6504]、三菱化工機[6331]、三菱重工業[7011]あたり。記事では富士電機に受注はきていないらしいし、同業他社が世界に14社あるってのもアレ。
EDINETで他に銘柄がないか確認
EDINETの全文検索を利用しよう。使い方については以下の記事を参照。
全文検索で「スクラバー」で検索した結果は以下の6件。かなり少ない。
この中で使えそうなのはダイハツディーゼル[6023]くらいか。これも他社とのコラボっぽい感じだし売上としては限定的になりそう。つか直近の受注もアレなんでどうなんだって感じはあるね。
ということで
特需ナサゲ。あったとしても限定的な感じはするがヲチしてみるのは悪くはない、のかも知れず。相場にはならんだろうね。
話はそれるんだが、バラスト水規制の施行が2年延期された影響を受けてタクミナ[6322]が12/1に下方修正を発表したんだが、今株価を確認したら随分株価を戻しているのね。強いわぁ。
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