茶番
「なんでもいいからなんか説明してくんね?」
なんすかそれ?
「いやあ人前で説明することで調査する癖が付いていいと思うんだよね」
それを俺に言う?まあいいや、でなんでもいいって何を話せばいいん?またつまんない株主総会巡りにする?それとも俺の性癖でも話す?
「ホント、なんでもいいから任せるよ!」
なにそのポジティブ丸投げ、苦手やわあ、、、orz
ということで適当に選んだ銘柄を深掘りします。
6905 コーセルって何してはる企業なん?
IR資料室から決算説明会資料より。上記は主力のユニット電源になります。
ユニット電源は、交流を直流に変換する装置です。電子機器は、直流に直さないと動作しませんので、電子機器には必ず必要とされる部品になります。例えば、ゲーム機や外付けハードディスクや電動歯ブラシ等に添付されている「ACアダプター」は、ユニット電源と同様に交流を直流に変換する動作をしています。
コーセルは産業向けに特化した電源を開発・製造を行っています。
ユニット電源は産業機械の中に内蔵されているので人目につくことはないのですが、縁の下の力持ちとして1台に1個以上、使用されているのです。
産業機械と言っても様々あります。工作機械以外にも医療機器やロボット、携帯基地局などの分野にも注力しています。
ポイント:高い国内シェアと参入障壁
電源装置は、一般用と産業用があります。コーセルは産業用に特化しており高い国内シェアを誇っています。
「産業・業務用電源」の多くを占めているのが「標準電源」で、その国内市場規模は推定約500億円。
コーセルはその30%超のシェアを誇る、国内トップ企業のひとつです。
ちなみに世界市場の規模は約2,500億円。コーセルは約7%シェアを占めています。
-- 製品と技術|コーセルのご紹介|コーセル株式会社 採用情報 2017
このセクターは寡占化しており、コーセルとTDKラムダ(非上場)が3割程度、後はオムロンが続いています。10年前はTDKラムダ(旧デンセル・ラムダ)が業界首位だったのですが、近年はコーセルが抜いたようです。
業界シェアは大きくは変動していません。
電源ユニットは、産業機械の安全性を担保するのに重要な部品で、様々な法規制があります。産業機械を設計・開発する人達は、自社で電源ユニットを開発のではなく、他社製品で安全性が担保された機器を欲しがります。また産業機械で一度採用した電源ユニットは、大きな問題が生じない限り、他社製品に乗り換えることはありません。工作機械の価格からすれば電源ユニットの価格なんて十分元がとれますからね。
コーセルの付加価値は安全性です。
安全性は、長い信頼関係から培われますので新規参入は難しいのです。
ポイント:高い生産技術
同業他社のTDKラムダが上場していた頃の利益率は5%程度と製造業の中では低い利益率でした。この頃のコーセルは利益率が10~20%でしたのでこの差はどこにあるか気になりました。
どうも生産性にあるようです。
TDKラムダは、多品種他業種に向けた数多くの電源ユニットを開発しているようで、電源ユニット1個あたりのコストは高くなります。対してコーセルは、電源ユニットを絞り込んで量産する特徴があります。量産化により電源ユニット1個あたりのコストは低くなり、利益が出やすくなります。
固定費が大半を占める装置産業全般に言えることですが、損益分岐点を超えたあたりの利益は飛び抜ける傾向が高いのです。
ポイント:先行投資
今期('18/05期)は積極的に設備投資を行う予定になっています。
やる気になって何より =)。
設備投資に慎重な企業なのですが、今回は思い切ったようです。バックに潜在需要がある証かと思われます。
設備投資に慎重な企業なのですが、今回は思い切ったようです。バックに潜在需要がある証かと思われます。
設備投資を行うと減価償却費がかさむので利益を圧迫しますので、一般的には警戒されます。とはいえ最近は、増資しても株価が堅調に推移する銘柄が多くあります。前向きな設備投資はその直後であっても株価が堅調に推移する場合が多いのです。
ちなみに固定資産の減価償却は定率法でした。まあそうなりますよね。
ポイント:財務良好
いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。
惚れ惚れするほど好財務ですな。
B/Sの右側の株主資本が殆どを占めてまして、借入金は殆どありません。
B/Sの左側で目立つのは「現金等」と「長期投資等」です。製造業で必要な土地や在庫はほとんど目立たない状況です。それほど「現金等」と「長期投資等」がブタ積みになってる証左です。
「長期投資等」は、債券だったり投資信託だったりはたまた価値があるのか分からない未公開株だったりと玉石混交です。中身を調べるには有価証券報告書で確認する必要があります。どうやら中身は満期を前提とした債券のようでした。
ということで総資産の半分は現金ということになりましょう。
ついでにFCF(フリーキャッシュフロー)もみておきますか。
常にFCFがプラスであることを意識した経営と言えましょう。FCFがプラスであることは、製造業では重要な経営方針です。
まとめ
ここまで書いておいてなんなんですが所詮、景気循環株です。電源ユニットを使う産業機械が売れなければ、電源ユニットも売れません。
それを確認する術があります。月次を確認しましょう。
月次業績トレンド/業績の推移|株主・投資家情報|コーセル株式会社より。
直近、受注が落ちていますが先月の煽りを受けているだけかと思われます。売上と受注が下落するまではトレンドは上向きと思って大丈夫でしょう。仮にトレンドが下落傾向になりましたら、他の工作機械やFA等も数が裁けなくなっている証左なので、このあたりに投資している方は警戒した方が良いかもしれません。
直近の工作機械受注は過去最高を継続中。
直近、受注が落ちていますが先月の煽りを受けているだけかと思われます。売上と受注が下落するまではトレンドは上向きと思って大丈夫でしょう。仮にトレンドが下落傾向になりましたら、他の工作機械やFA等も数が裁けなくなっている証左なので、このあたりに投資している方は警戒した方が良いかもしれません。
直近の工作機械受注は過去最高を継続中。
まとめると以下の通り。
- 製造業のトールゲート型ビジネス
- 製造業の「鉱山のカナリヤ」代わりとして月次を確認
こんな感じで活用していただければ =)。
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