2012年9月23日日曜日

'12/08の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。8月は活性化し始めた小売業。

 【担当ファンドマネジャーの見方】
<150坪の王者たちの再生>

 1980年代から90年代にかけて、ロードサイド小売店は大規模小売店舗法による規制の下に発展を遂げました。多くの企業は同法の適用下限ギリギリの売場面積150坪の店舗を大量に出店し、チェーンとしての基礎を築きました。
 90年代に入って規制緩和の流れが強まると、同法は段階的に緩和され、2000年には廃止されました。この流れに合わせ、家電量販店、カジュアル衣料、ドラッグストアといった市場規模の大きな分野では、店舗の大型化とそれに伴う企業の優勝劣敗が進みました。しかし、紳士服専門店、靴小売店、自動車用品など比較的ニッチな分野では、市場構造の大きな変化は起こらず、従来の勝ち組がそのままで存在し続けるという状況が多く見られました。これらの企業は株式市場からはどちらかと言えば退屈な存在と見られがちで、積極的な投資機会もあまりありませんでした。
 しかし、2010年代に入って、それらの企業で経営の活性化により業績や株価を急速に改善させる現象がしばしば見られるようになってきました。商品製造への関与を強めたり、惰性で続いてきた販売促進活動や不採算店の見直しを図るといったことに本腰を入れて取り組み、成果を出すケースが増えてきたのです。背景には、リーマン・ショックなどによる危機感の醸成、経営者の世代交代、外部からの人材登用、就職氷河期に入社した優秀な中堅社員の経営関与といった人的な面が大きいと考えられます。
 株式市場やマスコミでは、どうしても新しい成長企業に目が行きがちですが、成熟国家でかつ雇用の固定的な日本にとってより必要なのは、成長の可能性があるにもかかわらず停滞してしまっている企業の再生であると思います。そうした意味から今後期待できる分野として、当ファンドではニッチ分野の専門店に注目しています。

強調してみた。

これは私も感じているところで、ポジションが悪くないにも拘らず成長意欲に欠ける企業が結構あるってことかと。ブルーオーシャンな割に消極的な経営方針から脱却できるような、脱却する意志があるような企業を見つけ、投資していきたいですな。

2012年9月5日水曜日

「ひふみアカデミー (2012/08)」雑記

8月のひふみアカデミーを書き残してみた。



8月の市況

  • 前月比6%減の8,729億円と薄商い
  • 夏枯れ相場になりやすいのだが今年はバタバタした相場になった
  • 円安&次期選挙の噂でポジティブ
  • オリンピック見てたんじゃね?
  • 景気そのものは良くない
  • 閑散に売りなし

ひふみの対応

  • 全体的に削ってキャッシュを増やした
  • 内需関連の金融株を外した
    消費者金融に対する新しい法案が出る可能性を考慮し、ネガティブに見た。
  • QE3用のケアの意味が強い

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今回は新規組み入れ銘柄の話は無し。途中から成長株の話になる。

東証1部上場企業の株価は24%マイナスなのに、2部上場は24%プラス!株価格差社会での「マル秘成長株」を見分ける三原則をお教えしましょう  | ふっしーのトキドキ投資旬報 | 現代ビジネス [講談社]

成長株の発掘方として以下の3つの条件を上げてる。

  • (1)リーマンショック後も増収増益を続けている会社。
  • (2) オーナー経営者か非オーナー企業でも経営者がオーナー企業のように意思決定のできる会社。
  • (3)ライバルが少なく独自のサービスや製品を世の中に送り出している会社

今までひふみが取り上げてきた銘柄は、上記の条件を満たしている中小型株が大半だよね。


2012年8月25日土曜日

IRの死亡フラグ集

春山昇華さんとこのブログにあった投資ネタが面白かったので纏めてみた。

撤退サイン(1)ニーズ喚起が不十分でした


たまたま需要が伸びなかったけど乞うご期待、的な死亡フラグ。


多分、広告やら営業活動が足りないと思っているのかもしれないけど、初期の段階でニーズを外している時点でかなり厳しい状況だと思います。なのでこれ以上のコストを費やすよりかは早期撤収が正しい判断という場合が多いでしょう。

闇雲にニーズを探ってみると言う行為はそんなに悪くは無いと思っています。ニーズに対して小さなチャレンジは有だと思ってます。見切り重要って所でしょうか。

太陽電池ビジネスや液晶テレビあたりがこの辺になるのかもね。

主力が悪化していなければこの手の損切りは嫌いじゃない。塩漬けを感じたなら撤退オヌヌメ。


撤退サイン(2)コッソリ会計ルールを変更


会計基準を変えることでPL/BSを綺麗に見せる、的な死亡フラグ。

これ結構ありますね。

例えば、固定資産の減価償却基準を定率法→定額法に変更する事で償却額を減らして利益を多く見せる、というのが王道でしょうか。定率法は減価償却の初年度から償却費用が多く計上されるので利益が減るので税負担が減ります。なのでイケイケの産業では定率法を選ぶ傾向にあります。これを定額法に変えるってことは、税負担を多くなる代わりに利益を多く見せたい、という心理が働いていると考えられるのです。

また逆のパターンもあって、例えばIFRSへの適応を見据えて売上基準を変えるというのもあります。多くの場合、確実に売上が確定した時点で計上する方向になるようですので、売上が遅延し、利益が減ります。

前パターンはあまりアピールされませんが、後パターンはかなりアピールしてきます。当たり前ですね =)。会計変更は決算短信、有価証券報告書に書かれています。これを見逃さない事が投資家にとっては重要な事なんですね。

最近の例だとボキュの6409 キトーが1Q決算で前パターンをやりやがりまして、、、orz。まあ影響が少ないので今はいいんですが、この後、大きな投資があったのならかなり疑っちゃいますね。困りました。

撤退サイン(3)大言壮語すれども、自社のことは語らず


ビジネス環境の良さで祭り上げられてる、的な死亡フラグ。

ビジネス環境が悪くなると自社のビジネスもまっしぐらに悪くなるという。最近のソシャゲ関連事業がこれに当てはまりそうな予感がします。まだ進行形ですけど。不動産流動化もそんな感じで終了してしまった気はします。

コモディティに類する企業ってのは見切りが難しいですよね。

撤退サイン(4)貧弱になった説明会資料


IRに力を入れなくなった、的な死亡フラグ。

正直、あまり該当例を知らないかな。逆の例だと6255 エヌ・ピー・シーの無駄に詳しいIR資料とか、6954 ファナックのIRガン無視経営とか。

この件に対しては逆説的な状況が多い気がするね。

撤退サイン(5)全体計画に影響を与えるものではなく、ビジネス・モデルに微塵の揺るぎも無い


取り合えず「比較的軽微」と言っとけ、的な死亡フラグ。

東日本大震災、タイ洪水、コンプリートガチャ問題等、とまあ結構ありますねえ。これで撤収してたら殆ど投資先が消えそうな予感はします。
6594 日本電産4063 信越化学工業あたりはこの手のIR情報はしっかりフォローしてくれるけど、そいう銘柄は結構少ない。


撤退サイン(6)先方の都合で・・・(プッシュ・アウト)


受注の先送り、的な死亡フラグ。

これは逃げようw。受注・受注残を公開している所はこの手の数値だけで判断した方がいい。概ね売上に計上される頃に大幅下方修正をするところが多い。過去に大幅修正をした事がある銘柄の受注・受注残の経緯を見ると、いつも同じタイミングであることが多い。

逆も真で受注が良好なところでも業績予想に反映していない銘柄も結構ある。

過去に学ぶ事で他の投資家より先んじる事は出来る分野だと思う。

おまけ(7) 信じてはイケナイ言葉


ぶっちゃけ、この空元気は可愛いので許す =)

2012年8月24日金曜日

'12/07の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。7月は5970 ジーテクト

【担当ファンドマネジャーの見方】

<ある震災復興の物語>
 東日本大震災は日本の産業界にも様々な形で打撃を与えましたが、関係者の尽力により、それらの多くは予想より短い期間で回復に至りました。そういった復旧・復興活動の成功例として、今回はジーテクト(5970)を紹介します。
 同社はホンダ系のプレス加工部品メーカーで、系列部品会社の体力強化を求めるホンダの戦略に添う形で、昨年4月にジャスダック上場の菊池プレス工業と非上場の高尾金属工業というオーナー企業2社の合併により発足しました。当時、発足直前に発生した大震災により、部品・材料のどれ一つが欠けても生産が不可能になる自動車メーカーにとって調達が大きな課題となっていました。中でも、被災した半導体工場への依存度が高かったホンダは最も厳しい状況にありました。
 その他の部品メーカーの関係もあり、ホンダは一時的に一部車種の生産を埼玉県の狭山工場から三重県の鈴鹿工場に移管しました。従来は、菊池プレスが関東に工場を展開する一方、高尾金属は鈴鹿に近い滋賀県に主力工場を置き、納入工場別に住み分ける形を取っていましたが、輸送費軽減・納期短縮のため、同社は旧菊池プレスの工場から滋賀へ当該車種の部品生産を移管することを決定しました。プレス部品の生産には紙の上では伝わらない微妙な要素が多く関係していますが、旧菊池プレス側の技術者が滋賀に泊まりこみ情報交換を進めたことで、移管は円滑に進みました。さらに、震災直後の危機感もプラスに作用し、もともと高かった両社の技術力がより高いレベルで融合するきっかけにもなりました。
 日本の製造業は全般に厳しい状況に立っていますが、目標が明確化されたときの社員の団結力・解決力という面では依然として世界の上位にあると考えています。震災は不幸な出来事でしたが、目標の明確化という面では、同社に飛躍の機会をもたらしたと言えるかもしれません。

5970 ジーテクトは上記の文章の通り、ホンダ系列の自動車部品メーカーです。非上場の高尾金属工業との合併で巨額の負ののれん資産を計上し、見かけ上の利益を積み上げた記憶が残ってます。今後も親会社の生き残り戦略で右往左往する下請けという構造は多く見られるでしょうね。

で株価としては、正直、自動車部品産業全般がかなり安い傾向にあり、ジーテクトだけが評価されると言うほどの魅力は少ない、というのが私の感想です。

所謂、シクリカル銘柄ですな。ホンダ系の自動車部品銘柄を挙げてみる。


で、ジーテクトはPER 5.22、PBR 0.77。どこも同じような評価ですね。

系列会社は、親会社優先で資本の評価についてはあまり興味がないのかもしれません。また頭一歩抜け出す努力も、親会社が優先的に持っていってしまい、他の資本家を喜ばすことまで考えていないのかもしれません。系列会社で自社株買いなんて、あまりありませんよね。

同じ割安という点ならなら経営の自由度という点で、独立系の自動車部品銘柄の方が面白いかも知れません(ポジショントーク)。

2012年8月16日木曜日

「成長株~手仕舞いの作法~」メモ

8月15日(水)の夕焼け投資日記 | 夕焼けマーケッツ 投資って楽しいねっ! | ラジオNIKKEI

さっくりメモ。
  • 買うのと売るのは一連の作業
  • 成長株は上に吹き上がりやすく、高値ではメンタル的に売りにくくなっている
  • 「坊主憎けりゃ袈裟まで」の逆パターン
  • 売買ルールを厳格に守る
  • 買いのルール(ファンダ・テクニカル)があるから売りのルールがある
  • ファンダとテクニカルを3つくらい用意している
  • 2つくらい×になったら売る、という理由を決めておく
  • 損に対してゲインの方が圧倒的に大きくなる銘柄を見つけるしかない
  • 好きになると売りにくくなるが、好きにならないと付き合えない
  • 過去のチャートから学ぶ
  • 材料に反応しない場合、テクニカルが悪くなっている可能性がある
  • チャートは同業種と比較する
  • 過去のニュースを見ると面白い
  • シクリカルなのにシクリカルグロースとか言い始めたあたりでアウト
  • 上げは長く下げが早いので、売りが早い人がいるがファンダを見てチャートで下げているのを確認しても充分間に合う
  • 他の銘柄も比較しよう
  • 海外進出とか足の長い設備投資は、次の相場なのかもしれない
  • 資産を守るという点でロスカットルールは決めておくべき
  • 環境が変わろうとも基本的に人が作るシステムなので相場環境は大して変化しない


ファンダでは山口揚平さんの「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」を推奨。

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こんなとこ。

2012年8月14日火曜日

決算メモ (8/13)

夏休みだがやる事は無い(キリッ

  • 6920 レーザーテック
    4Q決算。受注高は前年比19.8%増。業績予想とも合致するので特に悪くない状況と思える。「半導体業界は、引き続きスマートフォンやタブレット型端末等が需要を牽引し、業界のトップメーカーを中心に設備投資が継続されると見込まれます。一方、FPD業界は設備投資の低迷が続くと予想されます。」とあったのでSamsungあたりがまた設備投資を強めるのだろう。
  • 3097 物語コーポレーション
    7月月次。全店売上18.8%増、既存店2.3%増。相変わらず好調そうで何より。
  • 3623 ビリングシステム
    2Q決算。既に下方修正済みなので影響は少ないとは思う。実の所、こんな売上の増減が激しい事業だとは思っていなかっただけに意外。

こんなとこ。

2012年8月11日土曜日

決算メモ (8/10)

なつやすーみー。

  • 2475 WDBホールディングス
    1Q決算。利益率が高いと売上が少し高まるだけで利益の上がり方が半端無い。しかも変動費中心だし。そんなこんなで堅調。
  • 2481 タウンニュース社
    4Q決算。業績予想も悪くない。「全体的に広告出稿額が増加し、受注件数・単価とも前事業年度を上回り、売上高は2期連続して過去最高額を記録いたしました」とある。一時期はリストラとかしてアレだったがようやく戻ってきたのだろうか。フリーペーパーも寡占化?なのかな。
  • 2762 三光マーケティングフーズ
    4Q決算。3Qの事業予想からの剥離が激しい。 積極的な出店とあるがどうも出店に対して売上の伸びがビミョー。「東京チカラめし」は初期の量と今の量とでは全然違ってしまっている。オペレーション的にはスムーズに流れるようになったので実質的な値上げは功を奏しているとは思うのだが、飽きられたらどうなるのか疑問が多い。
  • 6060 こころネット
    1Q決算&下方修正予告。今年4月にIPOしたというのに随分とまたアレな。フクシマの葬儀屋さんという震災特需的な上場を果たし、決算には東電からの仕送りの話がちらほら。上場ゴール臭半端無い。
  • 6932 遠藤照明
    1Q決算&2Q上方修正。修正額がかなり高いんだがここはよく分からない。
  • 6957 芝浦電子
    1Q決算。足元厳しい。自動車産業が堅調、建機が低迷という流れは何処の製造業も同じようだ。タイの洪水による新たな設備投資が利益を逼迫しているのも見受けられる。
  • 2305 スタジオアリス
    2Q決算&7月月次。特にめぼしい点はナサゲ。閑散期とはいえ月次が落ちているのは気になる。スカイツリーに出店しているってのはイイ。あそこの人だかりは異常。写真館という事業自体は寡占化が進んでいるので残存者利益と言う点では結構安心して見れるとは思うのだが、その分、面白みが少ないとも言える。
    一般的に売上が時期によって偏重する事業(公共事業・ゲーム・ディスクロージャー等)は、会計上のリスクからか投資家に好まれない傾向にあると思ってる。1年を通してみれば何ら落ち度は無いんだが。まあ投資家マインドは重要だよね。
  • 4966 上村工業
    1Q決算&特損特益。スマホやらHDD関連はソコソコ。それ以外の事業が軒並みダウン。中国景気の影響を受ける。
  • 2170 リンクアンドモチベーション
    2Q決算。M&Aでポートフォリオが広がったため判断不能w。多分しばらくしたらIR動画が上がってくると思うのでそれで確認したい。
  • 7314 小田原機器
    2Q決算。下方修正済み。つかなんで上場してきたかなあ。

こんなとこ。