2016年4月17日日曜日

4659 エイジス - '16/02の「担当ファンドマネージャーの見方」

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4659 エイジス


エイジスは、棚卸代行サービスを提供している企業です。四季報の同業他社に9305 ヤマタネ。何故にヤマタネ、、、

<サービス業でも海外展開の成功例が出てきた>

製造工程に付加価値の源泉が集約される製造業に比べ、人そのものが商品となるサービス業は、海外展開が難しい業 種と言えます。現地の従業員を教育し顧客にサービスを提供するという行為において、ノウハウ面などで若干の差別化が 可能であるとは言え、本質的に現地企業に対する優位性を確保するのが難しいことが理由です。しかし、ニッチ分野に特 化し長年努力を積み重ねることで、サービス業でも成功を収めつつある企業がエイジス(4659)です。

同社は小売店の実地棚卸を代行する企業で、国内では圧倒的なシェアを握っています。一定の熟練を積むことで飛躍 的に生産性が上がること、繁忙期が2月・8月に集中すること、夜間の作業が多いこと等から、要員確保の面で特殊性が強 く、労働集約型の事業でありながら確固たる差別化に成功しました。

同社は国内での成功に続き、2003年には韓国に進出しました。その後、2004年に中国、2009年にマレーシア・台湾、 2011年に香港・タイと、アジアの中で展開地域を拡大しています。しかし、熟練を積んだ従業員の定着が難しかったことに 加え、現地資本の小売店に対しては実地棚卸を委託することの利点を啓蒙することから始めなければいけないため、長期 にわたって赤字が続いていました。しかし、各地域の顧客層に合わせた事業の組み替えや教育の蓄積により、ついに今 期、黒字に転換しました。今後も中期的に海外事業が連結業績を牽引すると期待されます。 日本企業の特徴として、迅速かつ戦略的に動くことは不得意ですが、長期間をかけて、従業員や顧客との関係を育てる ことは得意な企業が多いと言えます。サービス業においても、斬新なビジネスモデルを一気に展開するのではなく、こつこ つ人を育てるような形が、合っているのかもしれません。

元主力。感慨深いですね。


ちなみにこの時に株主総会の集中日に株主総会を開くのを止めろ、と株主質問で発言したんだが2015年度も集中日に開き、しかもまたエイジス本社というね。お前は株主の意見をどう思ってるのか問いたい、問い詰めたい、小一時間(ry。

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エイジスは、棚卸代行ではほぼ独占的な地位に立っています(15年2Qの決算説明資料によると業界シェア77%)。派遣業でも棚卸代行サービスを行っているところがあるのですが、棚卸に必要なスキルや道具等、日々改善しておりシェアを脅かすほどには成長していないようです。

棚卸は、特に高いスキルが必要ではなく人手さえあれば外注する必要はないサービスです。前政権が発足したあたりの時期では、各社人手が余っており棚卸も自社の人員で賄うことが可能でして、この時期の業績は伸び悩んでいました。アベノミクス効果以降、各事業で人手不足が深刻になり、棚卸で従業員に賃金を支払うよりも外注した方が安く済むことになり、業績を回復させています。

棚卸自体のパイは大きく膨れ上がることは期待できません。今後の成長性は、海外やリテイルサポートに軸を移しています。上記は、長い間、海外ビジネスが赤字続きだったのがようやく黒字化が見えてきた、という記事になります。

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いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


相変わらず現金の塊で何より =)。

サービス業ですので殆ど投資するものがないんですよ。あるとしても事業所の設置くらい。だからおカネが滞在しやすい環境にあるんですな =)。

続いてFCF。


ほぼプラスですね。

2010~2012年は海外投資あたりの影響かな。FCFの範囲で事業投資をするというのは安定経営の基本です。なんの脈略もなくFCFがマイナス続きなら経営の質を疑うべきでしょう。

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15.08.20にディスカウントTOBを行っています。


創業者の斎藤さんの資産管理会社の持ち分の株式に対して自社株買いを行っています。当時4000円以上付いていた株価に対して2982円とかなりのディスカウントしたものでして、この開示を見た時には斎藤さんが経営から離れるのかと警戒しました。

今のところ、特に変わりないようです。

とはいえ、このTOBをキッカケに大きく株価を下げることになりまして、自社株買いにしては悲しいことになっておりまする。

機関投資家に有り余る現金の使い道を迫られただけなのかしらね。それとも鞍替え上場を意識した?

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ということで、エイジスは今も投資先としては悪くないと思ってます。

人手不足によるアウトソーシングは今後も広がっていくでしょう。他のアウトソーシング業よりは売上の向上は見られないでしょうが、引き続き安定した収入が期待できます。事業として安定しているってのがとても良いですね。

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