2015年7月22日水曜日

月次投資法 - おまえらのための財務分析

4921 ファンケルは飛んで行く、、、orz


この前の下落で現金欲しさにファンケル、半分売っちゃったんですよ。勿体無いことをしました。

ファンケル - Yahoo!ファイナンスより、今日(7/22)、+6.56%引け。


株価上昇の原因は7/21に公表した月次でした。6月月次+24.6%の伸び率とかなり高い。2Qの売上予想は+11.7%なので、これを上回りそうな勢いがあります。


売上が好調なのは、積極的な広告戦略が功を奏しているからでしょう。もちろん、広告以前に商材が優れているという点も評価しています。栄養補助食品の方は、6月中旬から新製品を投入しているので効果が出てくるのは7月月次以降かと思われます。

イケると思うんだけどねえ。


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多分、予想PERが120倍近いのが気になる人が多いとは思うんですよ。

でもねえ。

利益が低い理由は、広告費でして身の丈に合っていないのなら私も評価はしないんですけど、今持っている商材や、訪日旅行客の爆買いをみていると広告で売上にブーストが掛かるんじゃないか、と思ってるんですよ。

特に普段から広告をあまり利用していない事業だと、消費者から多大に評価される傾向にあります。例えばZOZOTOWNの3092 スタートトゥデイが広告を初めた当初は、連日すさまじい月次でして、あの時もPERは高かった記憶があります。

勢いがある時はPERなんて関係ないんですよ。取り敢えず3ヶ月毎の決算短信だけを気にしてればいいんです。長期戦を考えるあたりでPERを考慮していきましょう。

ファンケルと同じ流れですと3665 エニグモも興味深いでしょう。ここも有り余ったキャッシュで積極的に広告を打つ経営を今期実行します。月次があればヲチしているんですが、どうなることやら。


月次投資法とは?


月次を確認し、同業他社と比べて優位性が見られる銘柄におカネをぶっ込む手法です。月次を公開している銘柄をリストアップしています。折角作ってるんだから活用してよね。


同業他社と比較しよう


小売業やサービス業の場合、概ね売上は連動します。

例えば、A社が5%の売上の伸びを示したとしても、A社の同業他社も5%程度の伸びを示す場合が多いのです。セクター全体で状況が良いのであれば、セクターを全部買う感じで売上高の高い銘柄を広く薄く抑えていくといいでしょう。逆に5%程度の伸びでも、同業他社が△5%の売上であるなら、やはり注目した方がいいでしょうね。

同業他社を把握することは、月次投資法では不可欠です。最近では四季報に同業他社の証券コードが記載されているのでこれを利用しましょう。精度が悪い場合もあるのですが、その時は証券会社が提供している銘柄レポートなどを利用するといいと思います。

既存店と全店の違い


小売業の場合、全店の売上の他に既存店の売上も公表しています。全店はすべての店舗で、既存店は出店してから1年程度経過した店舗のことを指します。

一般的に、新規出店直後は既存店より売上の伸びが強いです。

その地域では目新しい店舗ですし、広告も打ちますからね。で、徐々に売上が落ちていくことになります。平均値以下の利益だと閉店して、他の地域に出店するというのを繰り返して、最終的には全国制覇を狙う、というのが一般的でしょうね。

売上でみると、全店を確認するのが一番でしょう。

既存店は、その事業の継続性の強さを示しています。既存点が強いということは、事業そのものが受け入れられており、出店を繰り返す余力があります。平均的に既存店は95~97%の範囲で収まっていれば優秀の部類に入るでしょう。逆に既存店が90%を切ることになると、事業そのものが受け入れられなくなっていることをを示してまして、不採算店から中心に閉店していかないと不味いでしょう。

FC店と直営店


小売店ではFC店と直営店の2通りのビジネススタイルがあります。

直営店は、従業員や店舗などの設備を自社で用意し運営するスタイルです。FC店(フランチャイズ店)は、事業モデルを事業主に提供し、手数料で儲けるビジネスです。

直営店は、出店や従業員確保のコストを全て持つことになります。出店コストが掛かるので事業を素早く広げるのには適していません。一方で、スクラップ・アンド・ビルドを行いやすく、素早く不採算店を閉鎖させることが出来ます。従業員の教育は自社持ちですがその分、画一的に品質を保つことが出来ます。

FC店は、事業主がコストを負担するので出店速度はかなり早いです。特にイケてるビジネスだったりすると事業主も食いつきがよく、好立地な場所に出店できる場合が多いようです。一方で、売上に陰りが出始めると、事業主からの突き上げが多くなります。戦略的な撤退もしにくい傾向があり、一度状況が悪くなると復活するのにかなり時間がかかります。

利益ベースでみるとFC店が断然いいのですが、ビジネスがコケると復旧しにくいので、一概にどちらが優れているかは判断しにくいです。景気が良くて、賃貸料が上がり気味で、そこそこビジネスモデルが悪くないのであれば、スピーディなFC店舗の方が面白いでしょうね。

FC店のみと思われがちな銘柄でも、FC店と直営店が半々くらいのポートフォリオである場合が多いです。

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最近のFC店で言うとやはり2702 日本マクドナルドHDでしょう。約2/3がFC店なのですが、売上に陰りが見えたあたりから随分経つのですが、まだ復活の見込みは薄いようです。

好立地な事業主の方が契約を破棄したいとのニュースもあり、そうなると契約を見なおす必要が出てきて、これもコストになるでしょう。

マイナーなセクターに注目しよう


ファンケルのように知名度が高い銘柄ですと、月次を確認している人が多いので、すぐ鞘を抜かれてしまうので面白く無いのです。どうせなら誰も注目していない銘柄を見ていくことをオススメします。

IPOから1年以上経って売買高がほとんどなくなっている様な小売とか、明らかに皆がダメセクターと烙印を押している紳士服セクターとか。

長い時間をかけて、月次の度にピラミッティングしていく感じだと割と精神的に楽な投資ができると思ってます =)。お勧めですよ。


QUICKリサーチネットを活用しよう!


QUICKリサーチネットに小売業の月次をまとめてくれているレポートがあるので、これを利用します。実は最近気が付きました =)。

QUICKリサーチネットは、ネット証券であれば大体用意してあります。どこも有償なのですが、条件が揃えば無償で利用できます。


私はSBI証券で利用しています =)。

サービス開始後、以下の操作を行います。


  1. レポート総合』を選択
  2. 新着レポート』の『業種』を選択
  3. 小売・外食 ~年~月の月次データ』を選択
    PDFのレポートが表示されます。

このレポートがかなり秀悦なのです。

小売セクター別の月次はもとより、その分析やレポートなど、よく纏まっています。最近は毎月確認してEvernoteに貼り付けてます。Evernoteの有料会員ですとPDF検索ができるんですよ。とっても便利。

2 件のコメント:

  1. うおーすげー
    毎月300銘柄近くをチェックしてるんですか?

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    1. 流石にそこまでチェックしてないです。実質、確認しているのは10~20銘柄程度です。

      セクターごとに有名な銘柄がありますのでそれらの月次を確認しています。後は、同じく月次チェックしているブログ主さんのところを見ておくとか、証券会社のニュースサービスでも月次の結果を纏めているのでそれも利用しています。

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