2014年5月22日木曜日

【株主総会メモ】 9861 吉野家HD



9861 吉野家ホールディングスの株主総会に参加してきました。

目的は安倍会長の最後の株主総会になりそうだったので、直接顔を見たいという実にミーハーな理由からでした。何冊か安部会長の書籍は読んでまして、吉野家に打ち込む情熱がとても印象的でして、一度は見てみたいと思ってました。

私にとっては株主総会はコンサートみたいなもんです =)。


会場は中野サンプラザ(収容人数2222名)で、大よそ1000名程の株主が参加したそうです。去年は3500人参加者がいて、会場に入りきらなかったとのこと。その点で言うと今年は随分過ごしやすい環境で良かったのですが、株主様は何故かご立腹のようでw。

参加者は爺さん率が高かったように見受けました。車いすでの参加者もいまして、株主層の厚さが窺えました。ちなみに例の株主総会荒らしの爺さんはいませんでした。他の企業にしたのかしら =)。

10時開催で11時半に採決。その後、安倍会長から挨拶がありました。今の吉野家を支えてきた第一人者ですから感慨もひとしおです。ありがたい事に株主質問コーナーを設けてまして、株主総会で聞きたかった事を色々問い合わせました。合わせて記載していきます。

質疑応答は以下の通り。


  • 今年から株主総会のオミヤ無しとは如何なものか!
    株主の平等性を鑑みた結果で、ご了承ください。

    毎年、株主総会参加者向けに牛丼お試し券(300円*2枚)が貰えたらしく今年から廃止すると事前に招集簿通知に記載があってか、参加者がずいぶん減ったとのこと(去年3500人→今年1000人)。どんだけ人気の金券なんだか。この質問、何度となく株主から質問がありその度に拍手が出るとか、お前ら何しに来たんだよとw
  • 安部さんに「次の一手」を聞きたい
    昨年までは客数がメインで価格対策が重要だった。今後は質の向上と価格帯のシフトが重要になると考えている。商品開発も続けるし店づくりや改装も順次行っていく。現在、様々な実験を試みているところ。
  • 客層、高齢化してないか?ヤングをもっと取り入れんと
    若年層への取組は随時強化していく。
    吉野家は一般的に18~35歳がメインターゲット層で、40~50歳で離脱していく傾向が強かった。今回、12月に鍋膳を出したところ、普段は訪れない高齢者層や女性の方が多く訪れるようになった。今後も商品開発に力を入れていきたい。

    商品開発次第で一発が狙えるってのは面白い分野ですよね。是非、頑張っていただきたく =)
  • 今期から安部さんを始め、役員が一新したようだけど?
    グループ会社別に経営を分散させていたのを集権体制にしたかったがために役員を一新した。経営陣の若返りをしたかった。歳を取ると熱意が薄くなってしまうので今回のタイミングが丁度良かった。一線からは退くものの吉野家から去る訳ではなく、陰で支えていくことになるので不安視しなくても大丈夫かと。

  • 外商ビジネスとはなんぞ?
    京樽等のおせちのノウハウを例えばお弁当の仕出し等で活かすようなビジネスのことを指している。規模はまだまだ小さいが伸ばす余地はあると考えて力を入れている最中。
  • グループ会社の京樽の利益率が低いんだけど?
    商品力強化を図っていきたい。京樽が本来持ち合わせていた上質感を重視したい。
  • 牛すき鍋膳のヒットがあったのに利益率、低くね?
    原材料の高騰や上期の利益毀損の影響が大きかった。鍋膳は4Qにヒットした商品と言う事もあって全体としての利益貢献までには至っていない。
  • 人材交流って何してんの?
    現在、マネージャークラスの人材を5名程で他事業へローテーションさせている。ゆくゆくは幹部クラスのローテーションを検討したい。

    米国のビジネス書では定番なんですが正直、これ意味あるのか疑問が多いです。現場から経験者がいなくなるのでその度に仕事が滞るし、それが分かっているのかキーマンを該当から外していたりして結局ローテーションに回されるのは生贄的な立場の人がひょっこりやってきたりして大して交わることなく返っていくという。特に現場に権限を委譲しない傾向にある日本の経営には向いていないと思うんだよね。
  • 月次の客数の誤差は対策ないの?
    事業形態によって差は出てしまう。吉野家やどんではメインメニューでカウントしているし、京樽の場合、持ち帰りが多いのでレジ会計になってしまう。
  • 食材のコメって重要ですよね
    タイ米騒動以後、おカネを掛けて対策をしている。国内で米を作ってくれる農家は随時検討をしている。
  • 女性客が少ないのは清潔感が足りないからでは?
    今後の課題として認識。
    随時店舗の改装は行っている。今の店舗ではテーブル席を標準で用意している。コモサラ(牛丼小盛とサラダセット)も女性客をターゲットに開発した商品。今後も開発を検討していきたい。
  • 中国とかタイとか問題多くね?
    政治的な問題とビジネスの問題は別。タイは今の所、ビジネス的な問題は起きていない。海外進出ではこの手の問題が発生することがあろうかと思うが、現地で対策するよう検討を続けていきたい。
  • 女性の登用少なすぎぃ
    管理職は国内で2名、海外で2名。少ないという認識はある。ゆくゆくは女性取締役も選出していきたい。
  • 監査役の持ち株数多くね?利害関係無いとか嘘じゃね?
    上場前からの付き合いもあって、他の取締役と比べると持ち株数は多い。監査役と吉野家HDとの取引は無いので利害関係にないとした。グループ企業の取締役も既に退任している。監査法人の人は問題ないって言ってたお!

    正直、かなりインナーな人なので監査役として適任かどうかはビミョーじゃまいかとは思った。


とまあ、増税後の消費落ち込み対策とか人材確保の対策とか、お前ら投資家ならそれくらい聞けよと不満気味だったのですが、幸い、IR担当の方と話せる席が用意されていてそこで色々聞いてきました。


  • 4月の月次、客数が90%とか減り過ぎじゃね?対策してんの?
    昨年4月中旬に牛丼の価格を280円に設定した時に客数が大幅に増えた反動が今回の数字になってしまった。確かに客数は減っているものの予想を超えるほどの減り方はしていないという認識。ただし、4月~GSまでは意識していなかった増税負担増の消費者意識が、5~6月に出てくるのではないかと警戒している。

    こいう分析は月次の片隅にでも書いておいてほしいよね。価格転嫁に失敗して客数を落としたのかと心配したよ。つかむしろ5~6月の方が修羅場という認識は無かったので今後は注意してデータを読んでいきたい。
  • 人材確保が重要になってるようだけど対策してんの?
    外食が好ましい働き先として認識されなくなった影響が出てきている。首都圏を中心として人件費が高騰している。短期的には勿論だが、長期的に見ても対策していく必要があると認識している。この問題を解決するために専門の部門を立ち上げている。長期的には2020年の東京五輪が区切りになると考えている。

    これと言った決め手はないが随時対策は必要との認識は強い様子。まあ難しい問題だわな。
  • 24時間経営とか見直さないの?パワーアップ閉店とかw
    実験的には色々試みているものの、消費者側からすると24時間経営の方が喜ばれている様子。地域で色々検討は進めている。

    パワーアップ閉店ネタはいつでも笑いが取れるねw
  • 近所のロードサイド店、ビールを提供し始めたけど大丈夫?コンプラ五月蠅い人増えたし凄く心配
    飲酒運転が社会問題になった時に全店で酒類の提供を止めた。今の所、実験的に酒類の販売を再開している。全店でビールを提供している訳ではない。利便性や需要を考えると一律提供しないというのもどうか。今後も慎重に検討していく。

    ぶっちゃけ「かつや」へのあてつけでして =)。ロードサイド店の癖してずっとビール提供しやがってしかも利益出してやがってしかも株価も上がって、むきーw。ビールはとても利益率が高いですし、駅前なら積極的にビール提供をしてもいいんじゃまいか、とは思ってるんだけど会社の規模が半端無いので、その分、社会的責任を負わされてる不利な点も多いんだよね。
    痛し痒しなんだけど、やっぱり大きな問題にはなってもらいたくない。



帰り際、IR担当の方に「NISA枠で持ってます。5年間はずっと持ってます。頑張ってください」って言ったらとても喜んで頂けた。投資としては未だに魅力が薄いのですが、吉野家と言う企業が好きであることは変わりないですし、安部さんを初めとする経営者、そこに働く従業員の方々も多かれ少なかれその思いは持ってるんじゃないかな。

株主様は金券が貰えなくてご立腹っぽいですがw

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