Kindle本 ゴールデンウィーク セール対象本と言う事で急遽、読書感想文など書いてみる。Kindle版ではなく初版本での感想なので既に修正が入っているかもしれない事を断っておく。
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著者は、古参の個人投資家の中では有名だと思う橘さんの著書です。海外投資を楽しむ会のゴミ投資家シリーズでよく勉強しました。情報としては随分古くなってしまいましたが、今でも色々楽しめますよ。
本書は株式投資のカラクリをまとめた書籍です。トレーディングや銘柄分析等についての実戦向きな話は触れられていないので他の書籍で補う必要があるでしょう。'06/04に初版された書籍なので、今となっては古い情報が含まれている事は注意してください。
- 「複利とレバレッジ」が巨万の富を生み出す
金融市場で取引される金額は巨大なので時折、多大なリスクを負った投資家が、巨万の富を手にするニュースが出てくる。彼らはレバレッジと複利効果でこれを可能にしている。失うものが多い人ほど、成功する確率が減っていく。 - 株式投資は「イカサマ」が多い
技術や才能で他者より優位性が発揮できる分野では「プロ」が存在する。偶然の要素が強ければ強い程、プロとしての優位性が発揮できない。宝くじにプロは存在しない。株式投資が胡散臭く感じるのは、ホリエモンがやったような社会の歪みが多く存在していてイカサマをやる輩が多く存在してるからではないか。株式投資を推進するのなら数多あるイカサマを取り除く作業が必要なのではないか。 - 「だれかが得をすればだれかが損をする」
ゼロサムゲームと呼ばれている奴ですね。株式投資はプラスサムと言われてますけど、プラスサムの期待値としては年3~4%の配当金程度で、それ以上を求めるのならやはりゼロサムでしょう。
たまにネタで「BNFに年金運用を任せればいいんだよ」っていうのがあるけど、彼が能力を発揮できるのは数十億程度(いやそれでも十分なんですけどね個人なら)で、年金運用ではその程度でははした金の域です。
バフェットの格言で「誰がカモかわからなければ、そのゲームでは自分がカモ 」と言うのがあるけど正にそれです。この仕組みが理解できていないようなら、あなたは今、相場のカモですよ =) - 「株式投資は1株利益を予想するゲーム」
企業は永続的に利益を積み重ねるモノと想定して、その価値を値踏みするのが投資家の作業な訳です。株価を1株利益で割ったものが皆さんご存知のPERになります。
毎年利益を積み重ねられない不安定なビジネスだと、本来ならディスカウントされていないとおかしいのですがネット株やゲーム株を見ている限り、そんな感じが受け取れないのはやっぱりバブルなのかもしれませんね =)。 - 「資本主義は自己増殖のシステムなので、長期的には市場は拡大し、株価は上昇する」
インデックスファンドの優位性の原点ですね =)。見ようによっては肉骨粉を食らわせている牛と大差ない気はしないでもない。資本主義、まだ自己増殖するんですかねえ。近年、数多の金融商品によって大きく歪みが強制されて、幾たびも暴落を続けて魅力が薄れて行ってる気がしないでもないんですが。
古くなったと思われる記事のフォローをしてみる。
- 「ど素人のための投資法」
'インデックスファンドを活用した分散投資の説明があるのですが、情報がかなり古いです。出版当時よりずっとインデックスファンドをはじめとする金融商品の環境が良くなってまして、海外のETFに頼る必要性が低くなっています。
インデックスファンドによる資産運用を実践するには他の書籍を頼った方が良いでしょう。 - 外貨MMFの税金
為替損益で税金が発生しないのでFXより優位性があります。ただし税改正により'16/01からは税金が発生することになったようです。残念ですね。 - ホリエモンの100分割
当時は株式分割で奇妙な鞘取りが発生していました。現在では既に対策されています。あの事件は取引所が仕事をしていない証左でしたね。彼を悪者に仕立て上げる前に仕事をしていない自分らを改めるべきだったと思いますよ。
確定拠出年金とかもあって、フツーのサラリーマンでも資本主義の知識が必要になってきているのでしょう。資本主義はカモを求めて様々な所を徘徊していますので、本書のような知識は必要不可欠になってきていると思います。
幸か不幸かは判断できませんが、まあこれはこれで面白いと思う人が多いと幸いかな。
最後にあとがきより。
最後にお断りしておくと、自分自身はここで述べたような「合理的な投資法」を実践しているわけではない。
ひとには、正しくないことをする自由もあるからだ。
投資を楽しみ過ぎやでw
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