2016年4月9日土曜日

1716 第一カッター興業 - '16/01の「担当ファンドマネージャーの見方」

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1716 第一カッター興業


第一カッター興業は、道路の舗装工事を請け負っている企業です。四季報の同業他社に6140 旭ダイヤモンド工業9895 コンセック

<続・作るだけの時代から壊す時代へ>
2015年9月作成の当欄(2015年8月末現在の、当ファンドの月次開示資料内)において、建設ストックの蓄積と老朽化により、解体工事の重要性が高まっていることを指摘しました。その際、関連銘柄としてプラント解体のベステラ(1433)、破砕機のオカダアイヨン(6294)、再生木質ボードの東京ボード工業(7815)を取り上げましたが、今回は同じ観点から第一カッター興業(1716)を紹介します。

同社は1967年にコンクリート/アスファルト舗装の切断工事専業会社として創業されました。その後、1975年には柱設置用の丸孔開け工事、1995年には大型構造物切断用のワイヤーソー工事、2002年にはコンクリート/塗膜の局地的除去用のウォータージェット工事と徐々に得意分野を増やしてきました。専用機材の開発や自動化にも積極的で、非専業会社や零細企業に対する優位性を確立しています。近年の業績急拡大は震災復興の岸壁工事などによるもので、特需の一巡後は反動減が懸念されていました。しかし、ウォータージェット工事の本格化やM&A(企業買収・合併)を活用した全国展開、首都高速を始めとする橋梁補修需要の拡大などにより、今後も好業績が続く可能性が出てきています。全面的な建て替えが不可能な施設は、ウォータージェット等を駆使して傷んだ箇所だけを補修していくしかありません。高い専門性を持ち、人手と危険を省きながら、難度の高い切断工事を行える同社の価値は今後も高まっていくと予想しています。

前回の「作るだけの時代から壊す時代へ」は以下のページになります。


多分、第一カッター興業はバリュー投資で必ずスクリーニングに顔を出す銘柄でしょう。収益力に対して株価が不遇の扱いを受けている不人気セクターですね。IRページも積極的に投資家へアピールするつもりが無いようでこれでは万年バリュー銘柄になるのは仕方が無い所です。

今期は16.02.08に上方修正を行っています。

第2四半期連結累計期間において、特に高速道路補修工事に関する受注が順調に推移したことにより、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益の全てにおいて平成 27 年 8 月 12 日付で公表した平成 28 年6月期の第 2 四半期連結業績予想を上回る見込みとなったため、修正いたします。
通期の連結業績予想につきましても、同様の理由により修正いたします。 

高速道路の補修に関しては優先順位が高めに設定されており、東京五輪もそうなのですが今年5月の伊勢志摩サミットでも補修に予算がつぎ込まれているようです。


インフラ赤字なんですよ。

今後、先人たちが作りすぎたインフラを維持するだけでかなりのコストを要するとみています。何かを切り捨て、何かを伸ばす選択をしなければ総花的に資金をばら撒くことになり、成長性は望めないでしょう。多分、残酷な判断を下す為政者を民主主義では選択できないのではないか、と。ならばインフラを維持するために支払われるコストで効率が良い企業が稼げるに違いない、とみていまして、そのような企業をピックアップしては検討しているんですな =)。

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いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


素晴らしい =)。割安株ではなく成長株のB/Sですよこれは。

引き続いてFCF。


2009~2011年あたりは景気低迷しており、前政権が公共事業への投資を絞ったため収益は伸びませんでしたがその後、公共事業へ徐々に資金が戻り、2020年の東京五輪もあってビジネス環境は追い風になっています。

惜しむべきは、配当性向の少なさでしょう。これだけ業績を上げ、明らかに余剰な現金を持っているにも係わらず、配当性向は1桁台です。これでは長期保有したいと思う投資家は増えません。配当性向を3割まで持ち上げて、適時IR活動を行うことをお勧めしたい。

このままでは上場する意義が全く見られません。変な輩に絡まれる水域まできていますよ、今の株価は。

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